紅家の人間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:14 UTC 版)
「彩雲国物語の登場人物」の記事における「紅家の人間」の解説
紅 邵可 詳細は紅 邵可の項目を参照。 紅 黎深 詳細は紅 黎深の項目を参照。 紅 玖琅(こう くろう) 声:置鮎龍太郎 邵可と黎深の弟で、紅家当主名代。上治1年で27歳。髭を生やしている。10代の頃は涼やかな目元をしていた。おさえた色味の紅を纏うなど、紅家を誇りにしている。帰省しない黎深に代わって、紅州の紅本家で紅一族を取り纏めている。 基本的に無表情だが、身内や民と認めた相手にはお人好し。秀麗への嫌がらせに切れて貴陽の機能半分を停止に追い込んだり、民を思って黎深に苦言を呈してはうざがられている。邵可のことを嫌っている素振りを見せているが、本心では兄二人とも慕っている。邵可一家が紅本家に居ては潰れると思って追い出したが、邵可がある時期以外、紅家別邸に近寄らないことを内心寂しく思っている。黎深に対しては困った人だが能力は高いと認め、居なくならない様にと無理矢理当主に就かせた。兄たちが兄たちなので、何でも器用にできるようになった。自分を育てた譲葉(百合)には強く出られない。血縁ではない絳攸も、始めから紅一族の人間と認め、絳攸からも慕われている。絳攸を秀麗と結婚させて、紅家を継がせようとしている。 妻の九華との間に2児、伯邑(はくゆう)と世羅(せら)が居る。息子の伯邑を最初から絳攸の補佐として教育している。 紅 薔君(こう しょうくん) 声:園崎未恵 故人。秀麗の母。邵可は弟たちにも彼女の素性を隠し通した。薔薇姫とも呼ばれる。邵可だけが呼ぶことを許された特別な名前もある。 実は彩八仙の1人、紅仙で、雷と癒しの力を操り、雨師、風伯を従える。八仙は基本的に死体に宿るが、縹家の暗殺傀儡を主とする生体に宿っていたのは「奇跡の子」と璃桜によるもの。ぬばたまの髪と雷光のような眼差しを持つかなりの美女で、葉棕庚(黄仙)に言わせると短気で誇り高い。節度なく自儘に生き、人間とはずっと冷淡な距離をあけてきたが、本編の100年以上前、縹家に捕獲される。それ以後、力を奪われて異能を持つ子供を生まされていた。 黒狼として薔薇姫を暗殺しに来た邵可に一目惚れされ、縹家から解放される。邵可の求婚を長年断り続けたが、最終的には受け入れた。邵可と出会った時には、依代の使用期限が切れていてほぼ死体になっており、子を持てないと見られていたが、奇跡的に秀麗が生まれた。幼い頃病弱だった秀麗のために効き目抜群の薬湯を作っていたが、爆発したり一騒動になるため静蘭に怒られていた。 秀麗が10歳になるより前、病気で弱っていた彼女の中に移り、その寿命を引き延ばした。秀麗の目には薔薇姫が自分の病気を引き受けて死んだ様に見え、自分が母の命を吸い取ったとの自責の念に長く囚われていた。『はじまり』の半月前、幽霊として絳攸と楸瑛に会っている。 彩雲国には「薔薇姫」という御伽噺が存在する。どんな怪我や病をも治すという不思議な力を持つ永遠の美姫・薔薇姫は強欲な主に監禁されていたが、数多の罠を潜り抜け、自分のもとへと辿り着いた男に一目惚れされ連れ去られる。二人はやがて愛し合い子を授かるが、その子は病に冒されていた。その頃には異能を失っていた薔薇姫だったが、自らの命と引き換えにその子を救うことができた。薔薇姫は「二度と誰にも囚われないように棘をはやす。私を愛し私に愛された貴方だけがその棘を抜けるように」と言って、薔薇に戻ってしまう。薔薇姫の愛の証に、薔薇には棘がある、という粗筋。実は予言を元に作られた実話。 璃桜から「私の薔薇姫は月さえかすむほど美しかった。縹家の血を引く英姫や春姫といえども、あの美しさには足元にも及ばない。」と評されている。霄太師は「彼女に惚れるような悪趣味な人間がこの世に二人(璃桜と邵可)もいるとは思わなかった」らしい。酒には相当強い。 紅 秀麗 詳細は紅秀麗の項目を参照。 百合(ゆり) 黎深の妻で、絳攸の母。当主の仕事をしない夫に代わり、あちこち飛び回って仕事しており、半年以上夫と息子に会わないこともしばしば。黎深を知る者からは、黎深の妻になれるのは百合だけと思われている。黎深と遠慮なく物を言い合いつつ、彼を甘やかせる希少な人材。悠舜の言葉から、結婚直後は3日おきに夫婦でおしるこを食べるよう黎深から強要されたりもした。 紅家の三兄弟が子供の頃、紅玉環に連れられてきた。実は玉環と紫戩華の父の娘で、戩華の異母妹。玉環の策により男装した姿(譲葉)と本来の姿(百合)を使い分け、譲葉の時は黎深の補佐として、百合の時は邵可の婚約者として振舞っていた。母譲りの琵琶の技量は、ある事情から「姮娥楼」で仕事をしていた際に「傾国の琵琶姫」とまで評されたほど。黎深の護衛役も兼ねた「譲葉」であるために護身術を叩き込まれている。母を殺害しながらも自分に優しすぎる邵可へどう接したらよいのかわからず、婚約解消後から黎深との結婚まで邵可を避けていた。 『はじまり』の12年前、紅家を出る前の最後の仕事として「姮娥楼」で働きながら嫁探しをしていた。そのとき、美貌のせいで周囲に疎まれ傷ついていた黄鳳珠(後の奇人)に動じず(「黎深の性格以上に倒れたくなるものはない」から)、にこやかに会話をしたため惚れられる。百合本人もまた当時の鳳珠を「好青年」「邵可以外で初めてときめいた」と高評価していたものの、その後黎深が勝手に彼女の名を騙って断りの文を送りつけている。当時の本人曰く「黎深と真剣に接してこなかった」らしく、彼の人間としての軌道修正を諦めていた。そのためどんな黎深でも許容し受け入れられる存在であり、婚姻も彼に押し切られる形で成立した。 邵可からは玖琅と絳攸を見事に育て上げたことで一目置かれている。但し絳攸の方向音痴は、百合が黎深から逃げられない様に植え付けたもの。被害の大きさに百合も反省したが、後の祭りだった。 紅家の経済封鎖の時に後宮の一角へ軟禁されるが、経済封鎖が解除された後も解放されず、筆頭女官の十三姫とともに後宮に留まり続けていた。また、後宮にいながら外朝の状況をきっちり把握しており、凌晏樹が貴陽の焼き討ちを計画していると察して十三姫と共に貴陽の紅藍両家を動かし、未遂で終わらせようとしていた。 劉輝、静蘭、秀麗の叔母。紫家の髪質を継いだ癖のある黒髪を気にしている。『紫闇』では妊娠を匂わせている発言をしている。 李 絳攸 詳細は李 絳攸の項目を参照。 紅 玉環(こう ぎょくかん) 邵可たちの大叔母。劉輝の二代前の王(祖父)の愛妾。紅家の影の女当主。邵可らの父の後見を務めていたが、彼本人の器量は見限っていた。頭の良い野心家。藍家・碧家をも凌ぐ琵琶の腕から、琵琶姫と呼ばれた。後宮では百合姫と呼ばれており、娘に自分の名前を継がせる。後宮で権謀術数を学んだため、政治家としては優秀。本編の30年以上前、百合姫を身篭った際、紅家に戻った。邵可を紅家当主にさせようとしていたが、約30年前、弟達をお家取り潰しから守ろうとした邵可に毒殺される。戩華曰く百合姫を戩華の後釜にさせようとしており、宮城内の見取り図や隠し通路の数々を百合姫に叩き込んでいた。 若い頃は射干玉の髪で名高かった。絶世の妖姫と謳われ、先々代の王を絹紐で絞殺し逃げのびたという噂がある。名の由来は楊玉環から。
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