水深測量の歴史とは? わかりやすく解説

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水深測量の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 15:02 UTC 版)

チャレンジャー海淵」の記事における「水深測量の歴史」の解説

長年にわたり、多く様々な船が最深地点調査携わっている。 最初測量調査イギリスチャレンジャー号探検航海 (1872 – 1876) の海洋調査によって初め行われた1875年3月23日測鉛線による測深記録は8184mであった測量地点北緯11度24東経14316分 / 北緯11.400度 東経143.267度 / 11.400; 143.267、測量2度行っている。 1912年ジョン・マレー著書海洋深さ(The Depths of the Ocean)』では、チャレンジャー海淵深さを9636 mと記しており、1899年海軍石炭船USS Neroにより更新されたと報告されている 。 日本によるマリアナ海溝調査は、20世紀入って行われた1925年日本測量艦満州」が重りのついたケーブルおろして測定する方法鋼索測深)でマリアナ海溝水深測定したところ、9814mを記録。この海域世界で最も深い部分であることを世界知らしめた。 1951年マリアナ海溝本格的な深度調査行ったのはイギリス海軍測量艦チャレンジャー8世号(英語版)」である。この時、「チャレンジャー」は反響した音波測定する方法音響測深)で、北緯11度19東経14215分 / 北緯11.317度 東経142.250度 / 11.317; 142.250において水深10900mを計測した音響測深以前75年前)の探検使用され測鉛線よりも正確で簡単な深度測定方法である。 チャレンジャー海淵最大水深は、1957年ソ連海軍艦艇「ヴィチャージ(ロシア語版)」(Vityaz)が計測した水深11034m±50mで、場所は北緯11度20.9分 東経142度11.5分 / 北緯11.3483度 東経142.1917度 / 11.3483; 142.1917地点報告された。この地点は「ヴィチャージ(ビチアス)海淵」と名付けられた。この値は、ブリタニカ百科事典ナショナルジオグラフィック記事地図を含む、多く文献掲載されている。この水深圧力大気圧の約1099倍、111MPaである。ただし、後年調査これほど水深一度測定されず、2014年時点公式記録としては認められていない後述)。 1959年米海軍調査船Stranger爆音使用する調査で、最大深度10915m±10mを計測その場所は北緯11度20.0分 東経142度11.8分 / 北緯11.3333度 東経142.1967度 / 11.3333; 142.1967だった。 1962年米海軍調査船 Spencer F. Bairdが、周波数操作深度記録計使った調査で、同じ 北緯11度20.0分 東経142度11.8分 / 北緯11.3333度 東経142.1967度 / 11.3333; 142.1967地点最大深度10915m±10mを計測した1975年1980年に、米国海軍調査船 Thomas Washingtonが、衛星測位による精密深度記録計使って調査したところ、 またも北緯11度20.0分 東経142度11.8分 / 北緯11.3333度 東経142.1967度 / 11.3333; 142.1967地点最大深度10915m±10mを計測した1984年日本海洋調査船拓洋が、ナローマルチビーム音響測深機(MBES)を使用して得た数値は、北緯11度22.4分 東経142度35.5分 / 北緯11.3733度 東経142.5917度 / 11.3733; 142.5917地点水深10924m±10mだった。 1998年海洋研究開発機構JAMSTEC)の深海探査研究船かいれいがシービーム2112型マルチビーム音響測深機(MBES)を使用してチャレンジャー海淵地域的測度調査実施した1998年得られデータから作成され地域水深図は、 東側中央・西側の窪み最大深度が10922m±74 m・10898m±62m・10908m±36mで、東側窪みが最も深かった1999年2002年に、かいれいチャレンジャー海淵再訪した。1999年実施されかいれいのクロストラック調査では、東側中央・西側の最大深度が10920 m±10 m・10894m±14m・10907m±13mで、1998年調査結果支持するものとなった2002年詳細なグリッド調査では最も深い場所が東側窪み東部北緯11度22.260分 東経142度35.589分 / 北緯11.371000度 東経142.593150度 / 11.371000; 142.593150にあり、水深10920 m±5 m示された。これは1984年拓洋示した最深場所の南東約290m、1998年かいれい示した最深場所の東約240mだった。 2009年6月1日に、キロ・モアナ (ネーレウス母艦)に搭載した深海マッピング(300-11000m)用のKongsberg Simrad製EM120ソナーマルチビーム測深システム(SMBS)による調査で、チャレンジャー海淵のソナーマップは水深10971m を示した。同ソナーシステムは位相振幅ボトム検出使用しており、水深0.2%-0.5%の精度検知全体で可能である 。2014年でも、このソナーマッピングによる地形データ非公開のため、そのデータを他の音響測深との比較には使用できない2010年10月7日、またもチャレンジャー海淵地域のソナーマッピングが、海洋観測艦サムナー搭載のもので、米国沿岸・海地図センター英語版)/共同水路測量センター(CCOM/JHC)によって実施された。この結果2011年12月アメリカ地球物理学連合秋季会議報告された。50 cm精度緯度経度決定できる コングスベルグ・マリティム(英語版)製EM122マルチビーム音響測深システム使用することで、CCOM/JHCチームチャレンジャー海淵最大水深を10994m±40m(標準偏差 95.4%)、その位置北緯11度1935東経1421114秒 / 北緯11.326344度 東経142.187248度 / 11.326344; 142.187248と測定した2番目に深い場所は水深10951m、マリアナ海溝の中で約44km離れた北緯11度2211東経1423519秒 / 北緯11.369639度 東経142.588582度 / 11.369639; 142.588582 の位置だった 2014年に、これまで収集されたデータ2010年観測サムナー調査によるマリアナ海溝のソナーマップに基づきチャレンジャー海淵深さと場所の決定に関する研究が行われた。CCOM/JHCチームニューハンプシャー大学海洋研究所携わった研究は、測量試行歴史3つのグループ分けた初期のシングルビームエコー音響1950-1970年代)、初期のマルチビームエコー音響1980年代-21世紀)、現代(すなわち、ポストGPS高解像度)のマルチビームエコー音響である。水深測定位置推定不確実性考慮して、8測量線からの2051371回の音響探査に基づく2010年サムナーによるチャレンジャー海淵付近水深測量生データ分析された。分析した結果深度不確定性±25m(信頼水準95%)と位置不確定性±20-25mがあるものの、2010年マッピング記録されチャレンジャー海淵最大水深は、「 北緯11度1948東経1421157秒 / 北緯11.329903度 東経142.199305度 / 11.329903; 142.199305の位置にて、水深10984m」と定められた。水深測定不確実性には、水中を通る音速空間的変動における測定不確実性、マルチビームシステムのレイトレーシングボトム検出アルゴリズム、モーションセンサやナビゲーションシステム精度較正天体広がり推定水量全体にわたる音響減衰、などの複合がある。 2009年5月-6月ネーレウス探査中に実施した一連の潜航では、2009年2010年最大深度確認されなかった。海底から報告され4度直接潜航測定値は、水深10916m(トリエステ)から10911m(かいこう)、10902m(ネーレウス)、10,898 m(ディープシーチャレンジャー)までの狭い範囲かたまっている。場所を関連付ける試みなされたが、ソナー/エコー音源によってネーレウス(または他の潜航物)が、以前マッピング調査最大水深とされた地点正確に同一ポイント達したのか、絶対的な確信得られなかった。

※この「水深測量の歴史」の解説は、「チャレンジャー海淵」の解説の一部です。
「水深測量の歴史」を含む「チャレンジャー海淵」の記事については、「チャレンジャー海淵」の概要を参照ください。

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