民間や商業における利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:22 UTC 版)
旭日の意匠は、「僥倖」(ぎょうこう)を意味し、ハレの祝辞に掲げられていたことにもちなみ、「軍旗・軍艦旗」の枠を超えて民間においても広く普及し、現代においても祝賀のイベントや「天晴れ」の象徴としても多く利用されており、漁師の大漁旗としても好んで使われ、また、「めでたい(時に脳天気という意味も含めて)」ことや「景気が良い」ことを表す漫画的表現などにも組み込まれることが多いデザインであり、或いは、以下のように民間において企業ブランドや商品デザインの一部などにも用いられている。 朝日新聞社の社旗等のブランドに使われている。1879年朝日新聞は、旭日の意匠を用いたデザイン(水平線上に半体をあらわして光を放つ赤い旭日の中に『朝』の字を白抜きにした図柄)を考案し、これを事件現場で取材する際の目印として大阪府庁に提出した。旭日章に似た目印である。この目印が書かれた提灯を持って火事の現場へ出入りしたという。1889年、この目印を左右二つに分ける形で二種類の社旗を作った。一般的な旭日旗の一部分を成すようなデザインとなっている。又、この目印から、白抜きの朝の字を取り旭光の数を減らしたものが社章となっている。社旗のデザインは同社所有の飛行機・ヘリにも使われている。1937年より使用した神風号・朝風号では、機体の両側面と両翼の端に旭日の社旗のデザインが取り入れられている。1952年より使用した朝風号(二代目)・若風号から近年の「はやて」「あすか」(2002年より使用中)に至るまで同様に旭日の社旗を配置したデザインを踏襲しているただし、両翼部分については、戦前の二機は白抜きの朝の字が無く、戦後のものは白抜きの朝の字が入っている。また、戦後のものは左翼側の旭日意匠が翼の上に配置されている。朝日新聞社が主催する全国高校野球選手権大会においては、開幕試合の始球式は朝日新聞社のヘリコプターからボールを旭日の大阪本社社旗と供に投下する。地方大会の始球式でも同様に投下が行われる。なお、朝日新聞社ソウル支局においては、社旗を掲示していないと夕刊フジの取材に回答している。 アサヒビールの名前由来の一つとして、「日出づる国に生まれたビールへの誇りと、昇る朝日(旭日昇天)のごとき将来性、発展性を願ったもの」と言われる。1958年に発売された日本発の缶ビールであるアサヒゴールドには旭日の意匠をつかったデザインを使用。レイモンド・ローウィによるデザインである。復刻版として2009年に発売された。同じく2011年発売の復刻版である初号アサヒビール復刻版にも旭日の意匠が使われている。1892年当時の中井芳滝によるデザインをそのまま使用した。これらのデザインは1世紀に渡り「アサヒブランド」の象徴となっている。 アサヒシューズの履物ブランドのロゴに使われている。同社とブリヂストンの前身である「志まや」は1914年、「志まや足袋」から「アサヒ足袋」へと商品ブランドを変更する際に、「波にアサヒ」という旭日の意匠を使ったマークを採用した。当時の経営者石橋正二郎の祖父の代から続く古風な「志まや」から「アサヒ」へと商品イメージを一新する狙いがあった。大正から昭和にかけゴム靴の生産を始め、「アサヒ靴」というブランドにおいても同様の旭日のマークが使われており同社の代表的商標となった。 あけぼののブランドマークとして缶詰 や冷凍食品 などの商品に使われている。 1911年、イギリスに遊学していた園田武彦がハンドレページと共同で作った「園田式飛行機」には、尾翼に旭日が描かれていた。同飛行機のエンジンは園田が日本に持ち帰り、民間航空の発展に繋がった。 日本オーシャンレーシングクラブ(NORC、後に日本外洋帆走協会、現日本セーリング連盟)は、1954年1月の発足にあたり旧軍艦旗デザインの旭日旗をヨット国籍旗(エンサイン)として採用した。発足時のNORC副会長であるイギリス人の手によりロイズのヨット年鑑に公示登録がなされた。しかし、NORC国籍旗は同年7月の自衛隊発足後に自衛艦旗との「重複」が判明する。海自側から求められて旗のデザインは防衛庁に譲渡されることとなった。NORCは新たに青地の左上(カントン)に八条旭日旗(旧大将旗)を配置した旗をエンサインとした。 室山まゆみ原作のアニメ「あさりちゃん」ではオープニング冒頭のタイトルバックにおいて、藍色の空と黄色の暁光によって、地平線から昇る旭日が表現されている。
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