栃・若時代とは? わかりやすく解説

栃・若時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 09:14 UTC 版)

若乃花幹士 (初代)」の記事における「栃・若時代」の解説

栃錦清隆#横綱昇進と「栃若時代」」も参照 栃錦若乃花両者共に入門当初親方衆から「十両から、せいぜい小結まで」と予想されるなど出世対す期待凡百のものであった。 のちのや曙貴が入幕前から注目集めたに対して若戦が角界背負ってた看板カードになると予想した者は少なかった1950年9月場所では栃錦東前3枚目、若乃花が東4目と番付並びながら取組組まれなかった。それでも、1951年5月場所の初対決がいきなりの大勝負次の対戦水入りの末二番後取り直しと、栃錦との取組は常に大熱であった。技の打ち合いとしのぎ合い激しく土俵動き回る両雄の姿はたちまちファン魅了し当時登場したテレビ魅力発揮するのにもふさわしいものであった北の富士によると、若の取組見たいがために30万円2016年時点の貨幣価値200万円に相当)でダフ屋からチケット買った人がいるほどである。 初土俵遅かったこともあって、番付面では常に栃錦が上を行っており、大関横綱とも、常に惜しいところで栃錦のために星を落として逃してきた。一方栃錦にとっても何度も全勝優勝阻まれ相手である。大関昇進初優勝とも栃錦休場対戦のなかった場所で、優勝昇進のかかる相撲で若乃花がはじめて栃錦勝ったのは、横綱昇進決めた1958年1月場所でのことだった。お互いに横綱となってからも、この最大ライバルと常に名勝負を展開、特に年6場所となった1958年以降は毎場所のように2人優勝分け合い戦後最初黄金期である「栃・若時代」を実現する。現在でもこの2人築き上げた一時代対す評価高く、これを上回るものはまだない(朝潮大内山など強くて個性的な力士多数いたことも含めて)と考える人も多い。 1958年7月場所千秋楽栃錦相星対決行ったが、1909年6月場所の優勝額制度開始以降横綱同士千秋楽相星対決史上初。この一番は、立合いサッと左四つ栃錦先に右上手を取ってそのままがっぷり四つ栃錦吊り身に攻めたものの、若乃花難なく残すと体開き左下手からひねりながらの強烈な右上投げ若乃花勝利1959年5月場所初日から14連勝栃錦千秋楽下して優勝決定戦持ち込み逆転優勝。これは史上初めてのケースだった。 1960年3月場所では、ともに14連勝同士千秋楽対戦。これも史上初となる横綱同士による千秋楽全勝対決寄り切り制して、初の全勝優勝達成当時この取組は「相撲始まって以来世紀の決戦と言われた。この決戦前夜若乃花緊張と不安でどうしても落ち着かず、少しでも気分をまぎらわそうと映画館向かった中に入ると、やけに大きな体をした人物が前の席に座っている、頭に髷があったのでもしやと思った栃錦だったという。これを見て栃錦自分と同じよう不安な気持ちなのだと知った若乃花は、すっかり緊張解けて気分楽になり、翌日落ち着いた気持ち決戦に臨むことができ、見事に勝利をつかむことができたという。 後日談として、この時の映画は、若乃花は「西部劇だった」と言い栃錦は「ドイツ恋愛映画だった」と、証言食い違っている。一説にはジョン・ウェインの『アラモ』だったのではないかとされている。・若はともに優勝10回、全勝1回連勝記録24直接対戦でも若乃花1519敗だが、うち1敗は前述1956年9月場所不戦敗であり、若乃花にはほかに決定戦での1勝があって、これらを踏まえる実質1618敗とほぼ互角だった大関昇進までは11勝4敗の成績最高だったが、大関昇進以後皆勤した場所は全てケタ勝ち星残し大関時代勝率が.785、横綱時代には.794と地位上がるにつれて強み増していった。 しかし、忘れてならないのが、同時代横綱張った朝潮存在である。1956年3月場所最初の優勝決定戦進出の際に、関脇だった朝汐(当時)に敗れてから、微妙なところで朝汐と縁があった。1958年11月場所には、12勝1敗1分で迎えた千秋楽13勝1敗の大関・朝汐と対戦勝てば3連覇と(結果的に全6場所制覇なしとげるところだったが、敗れてしまう。1958年9月場所は初の全勝優勝目指し千秋楽に朝汐と対戦した敗れてしまい、優勝こそ既に決まっていたが夢の全勝阻まれた。1959年5月場所千秋楽栃錦本割決定戦連勝し逆転優勝となったのは、実は13日目に若乃花が朝汐に敗れて1敗となったからであるし、1960年3月場所全勝対決も、朝汐が途中休場したことによって両者対戦千秋楽になったためである。このように影の存在強いられた朝潮あってこそ、栃若時代も際立っていたと見ることもできる

※この「栃・若時代」の解説は、「若乃花幹士 (初代)」の解説の一部です。
「栃・若時代」を含む「若乃花幹士 (初代)」の記事については、「若乃花幹士 (初代)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「栃・若時代」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「栃・若時代」の関連用語

栃・若時代のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



栃・若時代のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの若乃花幹士 (初代) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS