朝鮮民族の反日
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:02 UTC 版)
韓国や北朝鮮の朝鮮民族は漢字で姓一文字が占めるが、統一新羅以後は複数文字姓の人々は生き延びるために中国式の名前に変えさせられるなど歴史的に最も屈辱を与えられきた。しかし、中国に対しては執拗に謝罪要求や憎悪の感情をしたりしない。井沢元彦によると朝鮮半島の反日の根底と中国に対する姿勢とは大きく異なる背景は、「事大主義」と「小中華思想」にあるとし、自らを中国に次ぐ文明国である「小中華」、日本などを夷狄と下と認識していたのに、上に立った日本に対してのみ謝罪要求や千年の憎悪を抱いていると解説している。韓国では日本関連の事案になると、「反日」の旗の下で団結する。外交官で元在大韓民国日本国大使館の特命全権大使だった武藤正敏は「自国民が最も殺傷された朝鮮戦争や中国大陸に属国にされてきた歴史があるのに、中国が韓国人が好まない言動をした際の反発が韓国政府の一度の弱い抗議や世論もインターネットでの一時的な反発など限定的で卑屈とも取れる静かさ」なのに対して、日本関連で全く同じ言動を行った場合には大規模なデモや韓国政府の強硬発言などが起きるのを武藤は外交官時代から経験してきたと述べている。そのため、武藤は韓国の左派が反日デモを好んで行うことを考慮しても中国には韓国人が強い態度を取れないのは、韓国の右派も含めた国民的な募華思想や中国が自国の上の存在との認識が韓国人内部に無意識にあり、逆に同思想に置いて日本は格下であるからとしている。特定アジアと批判される上記の3か国の反日と台湾などその他の国の反日の違いは、反日を牽制・対抗できるだけの勢力・言論が国内に存在しないことである。長年、韓国で教鞭をとってきた平井敏晴漢陽女子大学助教授は、「日韓の架け橋」という言葉を韓国に住むようになってから、積極的に使いたいとは思えなくなったと述べている。中央日報による2020年7月8日の報道では、日本に敵意を抱いている韓国人は71.9%で、対北朝鮮の65.7%を上回っている。平井はこれは日本首相が別の人になろうとも、差異になりえないと指摘してる。韓国社会の民族主義も高まっており、同調査で国際結婚家庭で韓国籍を持つ子どもたちのことを韓国人だと思えるか、という質問に肯定的な回答をしたのは、10年前の36.0%から17.0%と減少している。平井は「日韓の架け橋」ではなく、「無理して付き合いを深めるよりも、興味のある人が肩の力を抜いて往来し、互いに協力できることはそれなりにやればいい。」と日韓は適度に距離を置いて、相手国を好きな人々のみが交流する程度がいい関係になると提言している。 貿易摩擦に端を発する経済的な理由からの一時的な反日感情は1980年代から1990年代にアメリカやヨーロッパでもみられ、当時「ジャパンバッシング」(日本叩き)と呼ばれた。また、1960年代後半から1970年代にかけて東南アジアに対する日本の急速な経済進出に対する批判運動が行われた。韓国などの反日男性を「下半身は親日」との表現がある。更に、日本側は特定アジアの宗教的とも言える反日への辟易から「国交は仕方なく維持しても、情緒上は断交する。」と距離を置こうとするのに対して、北朝鮮による日本への国交正常化要求や韓国・中国の国交断絶は求めずにツートラックと称して日本から金銭的技術的支援・自国への観光誘致・文化交流を要求をしている。反日国家と強く認識して以降から旅行者が年々減少しているように遠ざかろうと反感を持つ日本人に対して、毎年増加する大量の日本への観光客や永住権・就職など反日しながら日本に近づいてくることから「近づく反日」と言われている。 韓国に自首した元北朝鮮スパイのチョ・ジャンファンは1974年に東亜日報のインタビューで北朝鮮政府の指令内容を暴露している。北朝鮮政府は朝鮮戦争後にまず反米世論喚起のための扇動を韓国国内で工作員や自国シンパにさせたが韓国人に効果が無かった。そのことから、新たな対韓戦略として韓国に国民的な反日運動を起こして反日感情を反韓国政府運動に誘導して、日本との関係を悪化させることで国際社会において韓国を孤立させて吸収統一に導くことを命令されたと暴露している。 黒田勝弘は韓国の反日を理解する上で、民族主義は右派のモノだから右派の韓国人だけが反日的な言動をするという考えを放棄しないといけないと述べている。むしろ韓国の左派は日本よりも北朝鮮へのシンパシーを感じるほどの韓国の右派を越える民族主義な点、民族主義批判が基本の西欧の左派とは違うことを知ることが必要だと指摘している。韓国の右派も左派同様に民族主義ながらも大韓民国という国家を民族主義より上に置いている。黒田によると韓国の右派は親米で、好き嫌いは問わず中国には強く出れず、「学ぶところはある」が日本を好まず、日本よりも北朝鮮が嫌いなのが特徴である。韓国の左派は北朝鮮の主張する経済・安保的に依存する中国を除いた外国勢力排除に賛意を示し、李承晩が始めた大韓民国よりも北朝鮮に国家の正統性があるとするほどの極度民族主義で、彼らが主体となる時のデモは右派のよりも大規模化や長期的なのが特徴だと述べている。黒田記者は更に日本の左派も、日本の民族主義を批判するが、特に北朝鮮を支持してきたように朝鮮半島や中国の排外的なレベルの民族主義にもシンパシーを示す特徴があるとしている。黒田は韓国の右派も左派も最近の朝鮮戦争や併合以前の歴史を忘却したかのように中国に接するのに、日韓関係を安保上重視すべき韓国の右派まで反日迎合を行って国益を失っているとし、国民の反北朝鮮感情よりも反日感情が強くなることは支持層の減少という韓国の右派にとって危機を招くことなので、親米と反日は両立不可能なのに気づいていないことを批判している。韓国の右派は国民に結束力を生む民族主義を金日成など北朝鮮に取られ、左派の方が民族主義が強いことで思想的背景や理論的支柱が弱く、国益重視の対日言動への攻撃に迎合や逃避している度に言動の範囲を狭めて日韓離間勢力に攻撃の隙を与えていると述べている。
※この「朝鮮民族の反日」の解説は、「反日」の解説の一部です。
「朝鮮民族の反日」を含む「反日」の記事については、「反日」の概要を参照ください。
- 朝鮮民族の反日のページへのリンク