新可児 - 御嵩間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 23:34 UTC 版)
この区間は東濃鉄道→東美鉄道→名鉄東美線→広見線と何度か名称が変化している。開業以来単線で、明智駅でのみ上下列車の交換が可能である(終点の御嵩駅は1線のみ存在する)。ただし2008年6月まで存在した名古屋方面直通列車の多くは交換していたものの、区間内のみ運転の列車は新可児駅と御嵩駅での折り返し時間を短くしている(約4分)ため、朝ラッシュ時と20時台の車両入れ替え時以外は交換を行わない(朝ラッシュ後は1編成しかこの区間の運用につかないのも理由)。 昭和時代は特急・高速・急行も走っていた(いずれも途中の伏見口駅(現在の明智駅)にのみ停車。鬼岩公園への観光アクセス列車として7000系を使用した御嵩行きの列車には「鬼岩号」という愛称が付いていたことがある)が、現在は普通列車のみの運転である。昼間は毎時2本運転されており(平日の朝は4本走ることもある)、犬山・名古屋方面直通列車(一部をのぞいて中部国際空港行き)に接続している。新可児駅 - 御嵩駅間の所要時間は明智駅での交換無しで約11分である。 2008年6月29日のダイヤ改正で、犬山・名古屋方面との直通運転は無くなり、終日すべての列車が区間内折り返し運転となった。2003年3月27日のダイヤ改正時に名古屋方面との直通列車が大幅に削減されて以来(それ以前はレールバスが日中に走っていた時期をのぞき、終日ほとんどの列車が4両の常滑行きだった)区間内での折り返し運転が基本となっていたが、朝夕(主に平日)に犬山・名古屋方面との直通列車が残っていた。区間内折り返し(犬山行きを含む)列車は主に5300系や6000系・6800系による車掌乗務の2両、名古屋方面へ直通する列車は6000系・6500系や3500系・3700系・3300系による4両で運転されていた。この区間はホームの有効長が短い(新可児駅・明智駅・御嵩駅は4両まで、顔戸駅と御嵩口駅は2両まで)ため、顔戸駅と御嵩口駅では4両編成はドアカットを行い後ろ2両の扉が開かなかった。4両編成の列車はこのドアカットの関係で基本的に固定編成が使われていた。普段は三河線でワンマン運転を行っている7100系・7700系も5300系の代走としてたまに乗り入れていた。1800系や3100系も単独で区間内折り返し運用に就いていたことがある。現在御嵩方面へ向かう営業列車はすべて2両編成であり、新可児駅では2両対応の1番線にしか入線しない。 6月29日に明智駅と御嵩駅が無人化され、同区間は新可児駅を除いてすべて無人駅となった。新可児発10:14以降はワンマン運転を行い、新可児駅1番線に乗り換え改札口が設置されている。なお、これは初めてのワンマン化ではなく、過去にはこの区間でレールバスを運行していたので、2回目のワンマン化である。車両は蒲郡線を走っている6000系ワンマン改造車が1編成回されて使用されている。朝は3100系・3150系・9100系が1編成加わり2編成による運転で、運用が終わり新可児駅1番線に到着すると、いったん明智駅1番線(または2番線)まで回送され、折り返し新可児駅2番線へ戻り、犬山行きとなる。運転区間や所要時間、折り返し時間が短いこともあり6000系ワンマン改造車では「新可児」と「御嵩」の方向幕は使用せず白幕のままで、運転区間は貫通扉に縦書きで「新可児 - 御嵩」と書かれた行先系統板を差し込んで表示している(「普通」の種別幕は使用している)。車内で流れる自動放送は三河線や瀬戸線で使われている女声のものではなく、蒲郡線と同じ男声のものになっている(ただし、放送開始時のチャイムは鳴らない)。なお、午前10時より前は車掌が乗務し、すべての駅でホーム側(明智駅3番線を除き、御嵩行で左側)のすべての扉を開ける。このときは他の路線と同じく方向幕を使用することがあるほか、6000系ワンマン改造車は「ワンマン」の表示がないサボを併用する。検査の際など6000系ワンマン改造車の運用の都合がつかない場合は終日車掌が乗務する(この場合でも新可児駅1番線のホーム長の関係上6800系、3100系などの2両編成で運転され、4両編成にはならない)。ワンマン改造車の入れ替えは基本的に1日1回、20時台に行われ、この時だけ入庫車両の御嵩発を11分(御嵩20:40発)繰り下げることで明智駅で列車交換を行い、入れ替わる。最終とその1本前の御嵩行きに使われた車両は運用終了後に新可児駅まで回送され、そこで夜間滞泊となる。 各駅には乗車位置の案内(御嵩行きが緑、新可児行きが黄色)、自動券売機(各駅に1台ずつ設置。タッチパネル式・磁気券による発券。この券売機で乗車駅証明書も無料で発行できる)、バックミラー(明智駅のみ新たに設置)などが設置された。乗車方法などは蒲郡線と同様の方式を採っている。明智駅・顔戸駅・御嵩口駅では前の車両のみドアが開き、乗車口(1両目の連結部に最も近いドア)と下車口(下車口は一番前)は各1か所に限られる。 なお御嵩駅は無人駅だが、終着駅・始発駅であるため容易に乗車できるようホーム側(新可児方面を向いて進行方向右側)のすべてのドアが開く。ただし車内放送で先頭車両最前扉から下車するように促している(しかし他のドアから下車する旅客もおり、その場合は下車後の旅客全員の乗車券を運転士が回収することが難しいため、御嵩駅の出口付近に乗車券回収箱も設置されている)。 manacaについては明智駅・顔戸駅・御嵩口駅・御嵩駅では利用できない。新可児駅の中間改札で処理をすることによって他線との直通利用は可能である。具体的には以下の手順で行う。 明智駅 - 御嵩駅間から新可児駅以西へ利用する場合は乗車駅の自動券売機で乗車駅証明書を受け取り、新可児駅の中間改札そばの窓口で駅員がカードに乗車駅の記録を行う。 新可児駅から乗車、または他線からの乗り換えで、御嵩駅までの各駅で下車する場合は、中間改札の係員に下車駅を申告し精算処理を受けてICカード精算済証を受け取り、下車する際に運転士(または車掌)に渡す。 2008年6月29日のダイヤ改正前には土休日の朝に犬山駅 - 新可児駅 - 明智駅間の運転が2往復あった(御嵩行きに接続なし)。さらに1995年までは明智駅で折り返して名古屋方面(主に常滑行き)に向かう列車やそれに接続する明智駅 - 御嵩駅間のみ運転の列車もあった(この場合も終点の明智駅で八百津線列車に接続)。 かつては主に名古屋方面直通列車として使われていた3500系、7000系、5500系などのほかにも、モ800形、3400系、3730系などの旧性能車、キハ10形・キハ30形といったレールバスも多数乗り入れていた。レールバスはかつて新可児駅 - 御嵩駅間や明智駅 - 御嵩駅間で利用者の少ない昼間時間帯を中心に多数運転されていて(単行が多かったが2両編成のときもあった)、晩年は2001年の八百津線廃止まで、車両交換と給油のため新可児駅 - 明智駅間を昼間に1往復のみ運行していた(八百津行きのみ学校前駅は通過)。この頃のレールバスによるワンマン運転は、乗車時に整理券を取り、運賃とともに運賃箱に入れる従来と同じ方式であった。 2005年1月28日まで存在した学校前駅は、日中の普通列車の約半数が通過していた。 2009年5月16日、7000系が臨時列車として久々に御嵩駅まで乗り入れ、雨の中、多くのファンが訪れた。また、7月5日と7月20日にも非公式ではあるが臨時列車として再び御嵩駅まで乗り入れている。 2011年5月15日に「かも1グランプリ in 御嵩」が開催されるにあたり、昼間にこの区間の列車が増発され、15分間隔で運転された。この区間の昼間の増発は平成以降はほとんど行われておらず、かなり珍しい。 2021年5月22日のダイヤ改正からは定期運用として、6000・6800系ワンマン非対応車に代わり、3100系・3150系・9100系が朝に御嵩駅まで乗り入れるようになった。なお、3100系と3150系は2008年6月の系統分離以降、年に数回代走で御嵩駅まで乗り入れたことがある。
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