攻囲戦と要塞砲撃とは? わかりやすく解説

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攻囲戦と要塞砲撃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 01:09 UTC 版)

青島の戦い」の記事における「攻囲戦と要塞砲撃」の解説

1914年大正3年9月1日山東半島北側龍口先発隊が上陸神尾光臣中将(後に大将指揮する第十八師団(約29,000名)は9月11日龍口上陸した青島のある山東半島南側機雷ドイツ軍艦艇により上陸障害があることを念慮入れ、あえて遠回りとなる安全な北岸上陸した9月27日より日本軍龍口から青島向けて偵察繰り返しつつゆっくりと前進開始。翌9月28日には青島市背後生命線である浮山孤山ドイツ軍前線到達した浮山孤山からは青島市見下ろせしまうた決死反撃予想されたが、あえなく陥落日本軍は、強力な火砲有するドイツ軍要塞攻略するための攻囲陣地構築とりかかったが、折から豪雨陣地流失し工期1か月伸びてしまったもののようやく完工した。ここへ、労山湾から上陸させた破壊力大きな榴弾砲カノン砲山砲続々到着した攻撃開始までの間、日露戦争での鬼気迫る突撃知っている日本内外記者観戦武官新聞読んだ国民から、神尾には「なぜ部隊突撃させないのか。旅順攻囲戦激戦知っているせいで臆病風吹かれたのか」という疑問多く寄せられた。 ドイツ青島要塞攻略にあたり日本陸軍は、充分な砲がないため白兵戦による出血強いられた日露戦争旅順攻囲戦異なり砲撃戦による敵の圧倒作戦の要とした。日本軍当初計画されていた第十八師団野戦重砲連隊1つ攻城部隊若干という構成から、ヨーロッパで第一次世界大戦最新戦況見て、より強力な攻城砲多数追加、さらに工兵独立大隊鉄道連隊追加していた。 10月31日、「神尾の慎重作戦」と揶揄される程に周到な準備の上で、第十八師団第二艦隊攻撃開始したドイツ軍兵力は約4,300であった最新鋭移動容易な攻城砲四五式二十四糎榴弾砲をはじめ、三八式十五糎榴弾砲三八式十糎加農砲など、重火器による砲撃によりドイツ軍要塞無力化された。ドイツ軍将校戦後「余の砲台は(日本陸軍砲撃により)ほとんど破壊されてしまった!」と感嘆したほどだった。 10月31日夜半には第一攻撃陣地陥落明治天皇誕生日11月3日には第二攻撃陣地陥落青島要塞前面には保塁南北並び、その背後山々には砲台作られ、特にそれらの砲台群の後方モルトケ山とビスマルク山に最も強力な砲台があったが、初日から日本軍砲弾浴びせられ11月1日午後にビスマルク山砲台はほぼ戦闘力喪失し11月5日には「全弾を打ち尽くして砲台爆破し撤退せよ」との命令ビスマルク山砲台の兵は退却した11月6日青島要塞総督ヴァルデック海軍大佐は、タウベ偵察機秘密文書輸送託しタウベ2人飛行士出発させた。タウベ脱出成功し青島要塞には二度と戻らなかった。11月7日午前6時30分、ドイツ軍白旗掲げ午前9時20分にドイツ側軍使のルードヴィヒ・ザークセル大佐カイゼル少佐日本軍使香椎浩平少佐降伏状を届ける。 11月7日午後7時50分両軍青島開城規約書に調印し青島要塞陥落した戦後の、陸軍技術審査部所属伊勢喜之助砲兵中佐による砲撃効果調査では、密集して着弾させた砲弾によっても分厚いコンクリート掩蔽破壊するのは難しかったものの、大砲機関銃座はほぼ戦闘能力失っていた。保塁も場所によって原形とどめないまでに破壊されたところもあった。青島要塞攻撃攻城砲兵の発射した量は1,601.236トン砲弾43,019発で、旅順攻囲戦砲弾数(210,511発)・総量(4,000トン)に比べる砲弾数では少なかったものの、大口径弾が多かったために総量では4割にも達していた。青島数日で、旅順の6か月分の4割もの撃ちこんだ計算になる。砲台前に歩兵突撃させて多数犠牲出して長引いた旅順攻囲戦とは異なり青島では歩兵突撃する前に砲撃決着がついており、陥落早かった

※この「攻囲戦と要塞砲撃」の解説は、「青島の戦い」の解説の一部です。
「攻囲戦と要塞砲撃」を含む「青島の戦い」の記事については、「青島の戦い」の概要を参照ください。

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