成人女性役への転身とは? わかりやすく解説

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成人女性役への転身

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 04:30 UTC 版)

エリザベス・テイラー」の記事における「成人女性役への転身」の解説

10歳代のころのテイラーは、映画出演嫌気差していた。ステージママとなった母親サラは、テイラー即興泣けるうになるまで容赦なく稽古続けさせ、撮影中のテイラー監視し続けては、発声ミス指摘した撮影所同年代人間出会うことはほとんどなく、貧弱な教育しか受ける機会与えられなかったため、テイラー簡単な算数であっても指を使わない計算できなかった。16歳のときにテイラーは、両親に普通の子供に戻りたいから女優をやめると告げたことがある母親サラテイラーには感謝の心がないと諭し「貴方に責任があるのよ、エリザベス私たち一家にだけではなく、この国、さらには全世界に対してのね」と言って聞かせている。 1948年10月テイラーは『Conspirator』の撮影のために、客船クイーン・メリーイギリスへ向かった。他の子役と違ってテイラーは成人女性役への転身に苦労することはなかった。『Conspirator』が公開される1949年以前に、雑誌タイム』がテイラーのことを「非常に高価な宝石サファイアのような本物スター」と呼んでモンゴメリー・クリフトカーク・ダグラスエヴァ・ガードナーらと並ぶ、次代ハリウッド・スターだと紹介している。成長してテイラー小柄華奢な体格のままで、ウェストサイズは19インチしかなかった。 『Conspirator』の興行成績悪かったが、当時38歳ロバート・テイラー演じ共産主義スパイと、そのこと知らず結婚してしまうという、メリンダ・グレイトン役を演じた当時16歳だったテイラー演じたこの21歳女性の役は、テイラー初の成人女性役として評論家から高い評価得た新たに週給2,000ドルとなったテイラー出演した映画人気俳優ヴァン・ジョンソン共演したThe Big Hangover』(1950年)だったが、この作品興行成績批評家からの評価よくなかったまた、この映画では成長したテイラー性的魅力描写しようとしていたが、その面でも成功したとはいえない作品だった。 テイラー成人女性演じた映画で、最初に興行的にヒットしたのがコメディ映画の『花嫁の父』(1950年)である。テイラースペンサー・トレイシー演じスタンリー・T・バンクスの娘ケイ・バンクス役で、ほかにはジョーン・ベネットらが共演していた。『花嫁の父』の続編として製作されコメディ映画可愛い配当 (en:Father's Little Dividend)』(1951年)でテイラーは再びスペンサー・トレイシー共演したトレイシーはこの映画について「退屈、退屈極まりない」と評している。『可愛い配当』の興行成績は非常によく、二作続けてコメディ映画ヒット飛ばしたテイラーだったが、次作の『陽のあたる場所』が、以降テイラー女優としてのキャリア方向付けることとなる。 1949年終わりテイラーは、ジョージ・スティーヴンス監督作品陽のあたる場所』の撮影入った。この作品公開されたのは1951年で、テイラー資産家令嬢のアンジェラ・ヴィッカース役を演じた共演したのはジョージ・イーストマン役のモンゴメリー・クリフトと、イーストマン恋人妊娠しながらも工場で働く貧しいアリス・トリップ役のシェリー・ウィンタースだった。『陽のあたる場所』はセオドア・ドライサー小説アメリカの悲劇』を原作としており、「アメリカン・ドリーム」への批判とその悪影響テーマにしていた。 当時テイラーはまだ17歳であり、『陽のあたる場所』にこめられ心理的な影響力やテーマ性を理解できてはいなかったが、この作品テイラー女優としてのキャリア極めて重要なものとなった伝記作家キティ・ケリーは、監督スティーヴンステイラーのことを若く美しスターだと認識しており、そのことによって「(クリフト演じる)ジョージ・イーストマンが、彼女(テイラー演じるアンジェラ・ヴィッカース)と陽のあたる場所手に入れるためなら何でもすると思いつめた理由を、観客たちにはっきりと理解させる効果があったとしている。ケリーは『陽のあたる場所』の撮影現場見学許され芸能コラムニストヘッダ・ホッパーが「『緑園の天使』に出演していた少女が、カメラの前でモンゴメリー・クリフト誘惑しているシーン食い入るように見つめていた」と書いている。さらに、このシーン撮影後ホッパーテイラーところへ行ってエリザベス、あんなふうに男を誘惑する手管をいったいいつ覚えたの」と尋ねていたとしている。批評家たちは『陽のあたる場所』を傑作評価し映画史50年以上残る作品だとして高く称賛した。『ニューヨーク・タイムズ紙』のA・Hワイラーは「裕福美しアンジェラ演じたエリザベス演技は、彼女のキャリア中で最高だったと書いた。また、ボックスオフィス誌 (en:Boxoffice)』はその劇評で「ミス・テイラーアカデミー賞値する」と断言している。 1950年ごろから、テイラー自身振られる配役に対して徐々に不満を持つようになっていった。テイラー望んでいたのは『裸足の伯爵夫人』でエヴァ・ガードナー演じたマリア・バルガスや『明日泣く』でスーザン・ヘイワード演じたリリアン・ロスのような役柄だった。しかしながらMGMは、テイラーカメオ出演した『Callaway Went Thataway』(1951年)や、『Love Is Better Than Ever』(1952年)、『黒騎士』(1952年)、『en:The Girl Who Had Everything』のようなどちらかというと愚かしく記憶残らないような映画への出演しか認めなかった。 1954年出演したラプソディ (en:Rhapsody)』も、テイラーしてみれば飽き飽きするような恋愛映画で、不満が残る役どころだった。テイラー演じたルイーズ・デュラン役は、ヴィットリオ・ガスマン演じ気難しいヴァイオリニストと、ジョン・エリクソン演じ真面目な若きピアニストの間で揺れ動く裕福美しい娘という役どころだった。『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙』は「全編美しさ満ちた作品で、ミス・テイラーあらゆる角度から輝いている。……台詞高尚出演陣優れた容姿ではあるが、いかんせん内容乏しい」と評している。 『ラプソディ』、『巨象の道』と同じく1954年公開された『騎士ブランメル (en:Beau Brummell)』で、テイラー凝った衣装に身を包むレディ・パトリシアを演じたしかしながらこの魅惑的な美女役は、スチュワート・グレンジャー演じ主役ボー・ブランメル恋愛風味加えるだけの美し添え物に過ぎなかった。『The Big Hangover』で共演したヴァン・ジョンソンと再びコンビ組んだ雨の朝巴里に死す』(1954年)でテイラー演じた役はそれまで作品比べるいくぶんましな役どころだった。テイラー演じた役であるヘレン・エルスワース・ウィリスは、アメリカ小説家F・スコット・フィッツジェラルドの妻ゼルダ・セイヤーモデルにしている。当時テイラー1952年結婚したマイケル・ワイルディングの二人目の子供を妊娠していたが、この作品撮影に4ヵ月間を費やした。『雨の朝巴里に死す』の興行成績悪くなかったが、テイラーはより存在感がある役を切望していた。

※この「成人女性役への転身」の解説は、「エリザベス・テイラー」の解説の一部です。
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