多元世界の神
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:36 UTC 版)
ミスラ 古きペルシアの神王で、ゾロアスター教の成立後も最も強大な神の1柱として信仰されつづけた大神。ウルスラグナにとっては主にあたる。アーリア人にはヴァルナと並ぶ最重要神格ミトラとして、ローマ帝国では冬至の日に生まれる太陽神にして光の英雄ミトラスとして崇拝され、弥勒菩薩(マイトレーヤ)の語源ともされる。太陽・戦士・法・牧畜・富・契約など多彩な権能と属性を持つ存在で、「石から生まれる」と伝承される鋼の英雄でもあり、正しき言葉を語り、千の耳、万の目を持つとされる。『牛を殺す伝説』を持ち、その骸から草木や薬草が生まれ、大地を緑で覆ったと言われることから、《大地を広げる者》としての性質もある。もともと戦闘神であったミスラの戦闘機能を引き継いだのがウルスラグナであるため、ウルスラグナと同じ姿を共有しており、契約破りの罪人を罰するときに黒き猪に化身して打ち砕いたという伝承も持つ。 髭でおおわれた彫りの深い顔立ちの壮年男性で、屈強の体格に足まで届く赤いガウンをまとい、手には黄金製の王笏を持ち、額冠をはめている。だが、長く責務を果たしてきたために、昔のラーマのように疲労による落ちない錆にも似た陰影が顔にこびりつき、濃茶色の髪には白いものが目立ち、両目の隈が濃く、寝たきりの老人のようになってしまっている。 自身とズルワーンで作り上げた聖域である《無限時間の神殿》を居城とする。並行世界《ユニバース492》における『最後の王』であり、ラーマと同じく救世の神刀を所有する。神殺しが1人誕生するたびに地上に降臨して魔王殲滅を行うだけでなく、神殺しを誕生させる原因となる同朋の『まつろわぬ神』をも誅滅していた。これによりユニバース492は400年も神殺しが存在しない平穏を謳歌していたが、勤勉に救世の神刀を振るいすぎたせいでラーマ以上に激しく消耗し、新たな神殺しが誕生した時に『最後の王』の後継者を自ら召喚するため、ズルワーンの権能で時を止めてもらうことで400年前に滅しているはずの命を辛うじて繋ぎ止めている状態だった。 幾多の時と多元世界を渡って至った自らの神域が、異世界《ユニバース235》からやってきたアイーシャによって滅びの危機に瀕することになり、彼女を追って新たに護堂が神域に到来することを予見する。もはや直接戦闘も助力もできないほど弱っていたため、護堂と浅からぬ逆縁を持つユニバース235のまつろわぬウルスラグナに命と力を与えて復活させ、自らの元へ召喚し次の『最後の王』に任命すると共に「救世の神刀」を授ける。そして、彼が捕らえてきたアイーシャをズルワーンの権能を借りて封じるが、ついに限界を迎え、聖域に現れた護堂に対して魔王殲滅の使命をウルスラグナに引き継ぐことを宣言した直後、着衣ごと塵となって死亡した。 ウルスラグナ 「#ウルスラグナ」を参照 ズルワーン 古代ペルシアの神王ミスラときわめて緊密な関係にある同盟神。永劫の時と無限を司る秘神にして、光と闇の創造主であり、運命をも司る神。両性具有であり、人間の大人が上で寝転べるほどに大きな雄々しい獅子の貌とたてがみを模した石造りの『仮面』の両脇から、生きた2匹の『蛇』が生えているという異形の姿を持つ。もともと『時の流れ』を意味する概念に過ぎず、あとづけで次第に“人格を持つ神”として語られるようになったという、神々のなかでもかなりの変わり者。そのためか、会話はできるが、あまりに無機質でぎこちない声でしか話さない。 時空を司る権能により、時の門を開いて時間を超えて旅させる力を持ち、甲高い異音を発して対象となるものを命を授かる以前の状態まで回帰させて消滅させる「存在抹消」を行使する。さらに、神殺しの体内に直接神力を流しこむことで、ただの人間であった頃まで肉体と魂を「巻き戻す」ことが可能。また、ユニバース492における『運命の担い手』として《絶対運命》の維持と管理も職掌に含まれており、『最後の王』となった神に《盟約の大法》を授け、自ら救世の神刀を扱うこともできる。ただ、戦いのような俗事には関心を示さない。 ミスラと協力して『魔王封印』の筋書きを作り、無力化したアイーシャを「ユニバース492の1857年」へと送り込んで《聖杯》に閉じこめさせ、永劫の眠りにつかせることに成功するが、聖域に現れた護堂たちに自らの権能を複写されて取り逃がしてしまう。《盟約の大法》を授けたウルスラグナを護堂の元へ送り出し、アイーシャの処分を巡って争うウルスラグナと護堂の戦いに介入するも、《反運命》によって次元を超えて助力したラーマ兄弟に妨害され、ウルスラグナ諸共『白馬』で焼かれた護堂にとどめを刺そうとしたところで、味方だったはずのウルスラグナに邪魔者として殺害されてしまった。 宮毘羅大将(くびらたいしょう) 十二神将の一角にして、薬師如来に仕えて霊鷲山を守護する鬼神の1柱。焰の髪を持つ武神であり、サンスクリット語を話し、被甲護身の鎧と太刀を身にまとう。森の精で護法の神霊とされる人食いの鬼・夜叉の親分でもある。 旧ヴォバン邸に出現した空間歪曲に繋がった《仏教の神話世界》の住人として登場。神話世界に侵入して天女(キンナリー)たちの沐浴を覗いたリリアナと恵那を狼藉者と見做して襲いかかった。森へ逃げ込んだ彼女たちに夜叉を差し向けるが、護堂の介入で取り逃がした。
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