和歌山県でのオオウナギの分布と保全対策とは? わかりやすく解説

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和歌山県でのオオウナギの分布と保全対策

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 03:11 UTC 版)

富田川のオオウナギ生息地」の記事における「和歌山県でのオオウナギの分布と保全対策」の解説

オオウナギ大鰻)の生息地として、その流路のうち約18キロメートが国の天然記念物指定されている富田川は、和歌山県奈良県県境位置する果無山脈水源とし、白浜町富田(とんだ)地区太平洋に注ぐ延長46.0キロメートル二級河川で、同県二級河川では唯一ダムの無い河川である。 オオウナギ生息地として最初に国の天然記念物指定され三つ石、濁り(ひき)岩の3か所の淵にほど近い十九淵(つづらぶち)では、1930年昭和5年)の渇水の際、毎日10数匹が水面現れ見物人で賑わうなど、富田川オオウナギ多数生息していたが、昭和30年代頃から始まった護岸工事生活排水流入上流域での森林開発なども加わり生息環境大きく変わり始めたオオウナギ地元では「カニ食い」とも呼ばれるように、ベンケイガニモクズガニなどの甲殻類好んで食べアユオイカワ等の川魚ユスリカカゲロウ等の水生昆虫、さらに淡水性の貝やカエルに至るまで様々な生物を餌としており、富田川水系生態系頂点捕食者であるオオウナギ生息するためには、さまざまな生物にとってもみやすい環境が必要である。 国の天然記念物指定され富田川水域では、1985年昭和60年)に見つかった体長1.3メートルオオウナギ以降、1メートルを越す個体確認されておらず、また文化財保護法によって指定域での捕獲禁じられている。富田川を含む紀伊半島南部では普通のウナギ漁などで時折見つかり、死亡した大型オオウナギ剥製標本にしたり、また指定域以外で捕獲され個体和歌山県立自然博物館持ち込まれ飼育や研究の対象になっている前述した田辺高等学校大塔公民館剥製のような標本複数存在しており、1922年大正11年11月に旧大塔村の向越(むかごし)の富田川捕獲され全長145センチ重量8.6キログラム大型個体剥製にされ、現田辺市立鮎川小学校保存されている。また、1971年昭和46年1月には紀勢本線紀伊富田駅近く富田川架かる富田橋の上流で、瀕死の状態のオオウナギ浮いているのが発見され、同駅駅員によって捕らえられた。このオオウナギ体長151.2センチメートル体重10.5キログラム胴回り37.1センチメートルもあり、その後しばらくの間紀伊富田駅改札口の横にホルマリン漬けにされ展示されていた。 和歌山県内を流れ複数河川では、河口近く中心にオオウナギ生息確認されているが、2007年平成19年9月30日には河口から遠く離れた田辺市本宮町渡瀬(わたぜ)の四村川(よむらがわ)で、鮎漁仕掛けた簗に、全長136センチ体重8.2キログラム大型個体掛かった四村川熊野川支流のひとつで、捕獲され渡瀬地区新宮市熊野川河口から41.2キロメートル上流位置し、かなり上流にも大型個体生息していることが分かったまた、1メートルを越す大型個体1986年昭和61年)に那智勝浦町太田川捕獲され全長159センチメートル個体以来21年ぶりであった。 このほかにも潮岬に近い紀伊半島最南端の串本町側溝棲む個体や、みなべ町南部川印南町切目川などで生息確認され2014年平成26年2月12日には同県北部海南市下津町流れ小原川で、体長1メートル重さ3.2キロ大型個体捕獲されるなど、和歌山県内では散発的に生息確認されているが、国の天然記念物指定されている富田川での生息確認事例減少している。 最初に天然記念物指定された3か所の淵付近富田川紀勢自動車道橋梁けられることになり、国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所により2009年平成21年1月から3月にかけ生息状況および生息環境調査実施された。調査三つ石の淵のすぐ上流富田川架かる白鷺国道42号庄川口交差点)から下流方向へ約1キロメートル範囲実施されオオウナギ巣穴や、底生生物付着藻類底質調査される過程で、通常のウナギニホンウナギ)とは特徴若干異なる1匹の個体採集されたが、この個体全長約9センチメートル小さく判別が困難であったため、和歌山県立自然博物館同定依頼した結果オオウナギ幼魚であることが判明し、わずかではあるが富田川オオウナギ生育していることが確認された。紀南河川国道事務所では生息地保全対策について、文化庁との協議や、専門家らを交えた環境保全対策検討重ね指定地渡河する区間の上富田インターチェンジから南紀白浜インターチェンジ間は2015年平成27年7月12日供用開始された。和歌山県作成したレッドデータブックによれば和歌山県内に生息するオオウナギ富田川生息地限らず準絶滅危惧種(NT) にカテゴライズされ、保護監視対象とされている。

※この「和歌山県でのオオウナギの分布と保全対策」の解説は、「富田川のオオウナギ生息地」の解説の一部です。
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