和歌山県の分布について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 14:50 UTC 版)
「シマユキカズラ」の記事における「和歌山県の分布について」の解説
本種が和歌山県で発見されたのは1979年であり、瀬戸がこれを本種と同定した。その花を確認して報告が行われたのが1981年である。その生育地は本宮町で和歌山県とはいえ奈良県境に近い地点であり、標高110-150mの地域である。現在の生育地はスギの植林となっており、本種はスギの木によく這い上って開花している。更に付近の一部に自然林が残っており、岩壁があり、アラカシやツブラジイなどの樹木があり、本種はこの岩壁や樹木にも上って開花している。瀬戸らはこのような状態が本来のものであろうとしている。彼らはこの生育地が人為的に持ち込まれたことを想定しておらず、また近年になって南の分布域から北進したことも想定しがたいとしている。また、9月になると花序が枯れ始めるのが観察されており、また昨年の花序の枯れ枝にも結実の跡が見られないことから、本種はこの地では結実はしないのではないかと見ている。それ以降、この地域以外で本種が発見されておらず、2001年の和歌山県のレッドリストでは現状に変化はなく、ただし植林であるので伐採などでの影響が懸念されるとしている。なお、この生育地は2015年現在でも健在であり、2015年9月4日付の地元紙「紀伊民報」で花の写真とともに紹介されている。 和歌山県は例えばシラタマカズラのように琉球列島に分布する植物の北限となっている例が少なくないが、それらは大抵四国と九州の南部にも分布があり、また、海岸線沿いに生育する例が多い。本種のように九州四国を飛ばして和歌山県、しかも標高は高くないとはいえ、内陸部に分布する例は珍しい。 石垣から垂れ下がって開花中の株(和歌山県) その株の根元(同) 立木に登って開花中(同) 板壁に這い登るところ(同) 地表を這う茎と小さな葉(沖縄本島)
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