北大阪線とは? わかりやすく解説

北大阪線

作者谷優

収載図書北大阪線
出版社編集工房ノア
刊行年月2002.8


阪神北大阪線

(北大阪線 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/11 20:58 UTC 版)

北大阪線
阪神31形電車35
阪神野田駅北大阪線ホーム(1974年)
基本情報
現況 廃止
日本
所在地 大阪府大阪市
種類 軌道路面電車
起点 野田駅
終点 天神橋筋六丁目駅
停留場数 11停留場
開業 1914年8月19日
廃止 1975年5月6日
所有者 阪神電気鉄道
運営者 阪神電気鉄道
車両基地 浜田車庫・工場
使用車両 概要の節を参照
路線諸元
路線距離 4.3 km
軌間 1,435 mm標準軌
線路数 複線
電化方式 直流600 V 架空電車線方式
テンプレートを表示
停留場・施設・接続路線
地下鉄千日前線 野田阪神駅
野田駅 本線
野田
国道線
海老江
上海老江
西大淀
大淀
東大淀
阪急神戸線宝塚線京都線
中津 中津駅
←阪急:神戸線・宝塚線・京都線
←阪急:北野線 北野駅
地下鉄御堂筋線 中津
北野
南浜
本庄中通
地下鉄:谷町線
天神橋筋六丁目
←地下鉄:堺筋線・阪急:千里線
天神橋筋六丁目
天神橋駅

北大阪線(きたおおさかせん)は、かつて大阪府大阪市福島区野田駅から同市大淀区(現・北区)の天神橋筋六丁目までを結んでいた阪神電気鉄道路面電車

概要

1914年8月に開業した。大阪の北側、新淀川沿岸における未開発地域を開発する目的で敷設された。

軌道敷設の特許を受けたのは別会社の北大阪電気軌道だった(ただし、阪神電気鉄道の株式に半分の株を割り当て、役員の多くも阪神の関係者であった)が、後の1927年に阪神国道電軌の手によって開業した阪神国道線とは異なり、工事に着手する前に阪神電気鉄道と合併し、阪神の路線として開業した。大淀区(現・北区)経由で大阪市街北部を半周し、梅田へ集まる各鉄道線を短絡する、準環状線としての性格を持っていた。

当時、沿線のほとんどは未開発地であったため、工事に当ってはまず道路を建設し、その上で軌道を敷設するという手法がとられた。この道路建設にも阪神が関わっていたことから、阪神は北大阪線が走る道路の所有権を長く主張していた。

大半が併用軌道だったが、中津 - 北野間で国鉄の貨物線をオーバークロスするトラス橋付近のみが専用軌道で、併走する阪急神戸線との電車の出会いが沿線の名物であった。ただし、中津前後の区間は貨物線の建設(1928年開通)に伴って付け替えられたものであり、開業当初は、他の区間と同様に併用軌道であった[1][2]

阪神国道線ほどにはモータリゼーションの影響は受けず、乗客数も比較的多かったものの、阪神国道線の廃止によって車庫への出入庫ができなくなるためにバス化されることになり、1975年5月、国道線・甲子園線全廃と運命を共にし、廃線となった。

使用車両は、国道線の路線短縮まではもっぱらモーター出力の低い1形が使用されていたが、後には31形や、「金魚鉢」と親しまれた71形91形201形などが使用される様になった。

北大阪線のルートは、阪神バスが「北大阪線」として代替の形で運行した(中津や天六近辺では、一方通行などにより一部で上下線ルートが異なる)。バス転換後も長年に亘り昼間時でも15分毎の高頻度運行を維持していたが、2000年代に入ってから利用客の減少に伴い減便が繰り返される。まず2007年のダイヤ改正では、日中の運行区間が野田阪神 - 中津間に短縮され、中津 - 天六間の運行は朝夕のみとなった。その後の2013年の改正では、中津 - 天六間の運行が朝夕1往復ずつにまで減便され、野田阪神前 - 中津間についても1時間に1 - 2本程度の運行本数まで減便されることとなった。さらに、2018年12月の改正では野田阪神前 - 中津間の運行が平日は朝夕のみ、土休日は昼間のみの運行となり、また野田阪神前 - 天六間は土休日の夕方に1往復が運行されるのみにまで減便された[3]。2021年7月の改正では、平日および土休日昼間の野田阪神前 - 中津間の運行が終了し、土休日の夕方に野田阪神 - 天六間で1往復のみの運行となった(いわゆる免許維持路線扱い)[4]。そしてついに運転手不足を理由に2024年1月13日をもって休止されることになった[5][6]。なお、野田阪神前 - 中津間においては大阪シティバス58号系統(野田阪神前 - 中津 - 大阪駅)も並行して運行されており、こちらは昼間時でも約20分ごとに運行されている。

路線データ

沿革

  • 1910年明治43年)
    • 5月26日 軌道特許状下付(大阪市北区西野田茶園町-同天神橋筋六丁目間)[7]
    • 10月1日 北大阪電気軌道株式会社設立[8]
  • 1911年(明治44年)5月10日 阪神電気鉄道と合併[8][9]
  • 1914年大正3年)8月19日 野田 - 天神橋筋六丁目間開業[10]
  • 1975年昭和50年)5月6日 廃止。

停留所一覧

野田 - 海老江 - 上海老江 - 西大淀* - 大淀* - 東大淀* - 中津 - 北野 - 南浜 - 本庄中通 - 天神橋筋六丁目

注: *は、改称を経た駅名。

接続路線

接続路線は北大阪線廃止当時。その他、1949年までは北野で阪急北野線にも接続していた。

その他

開業当初はトロリー線(架線)が2列あり、ダブルポール式集電だった。後に海側のトロリー線が撤去されてシングルポール式になったという。

脚注

  1. ^ 「3千分の1地形図大阪北部6号」(大正15年測量)陸地測量部
  2. ^ 「1万分の1地形図大阪北部」(昭和27年測量)地理調査所
  3. ^ 【路線バス】12月22日(土) 北大阪線・野田杭瀬甲子園線のダイヤ改正について (PDF) - 阪神バス 2018年12月12日(2018年12月27日閲覧)
  4. ^ 7月31日(土) 路線バスのダイヤ見直し”. 阪神バス (2021年6月28日). 2021年8月2日閲覧。
  5. ^ 【路線バス】 阪神線におけるダイヤ見直しについて (PDF) - 阪神バス 2023年12月20日(2023年12月24日閲覧)
  6. ^ 阪神バス北大阪線、なぜ消えゆく? すぐ乗れる路面電車→超頻発代行バス→休止の変遷を追う”. トラベルwatch. インプレス (2023年12月27日). 2025年2月18日閲覧。
  7. ^ 『鉄道院年報. 明治43年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ a b 小林庄三『神戸市電・阪神国道線』トンボ出版、1998年2月、94頁。ISBN 4-88716-120-4 
  9. ^ 阪神電気鉄道公式サイトでは1月10日 沿革図 - 阪神電気鉄道
  10. ^ 『鉄道院年報. 大正3年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)

関連項目


北大阪線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:40 UTC 版)

阪神バス」の記事における「北大阪線」の解説

野田阪神前 - 六丁目 - 中津 - 北野 - 天神六丁目天六)(土休日1往復のみ) 路面電車の北大阪線を代替した路線大阪シティバス(旧・大阪市営バス)の58号系統とは野田阪神前 - 中津間で並行するその先は、ちゃやまちアプローズなどがある北野経て天六交差点終点となる。かつては電車終点利用した折り返し場があり、バス後退をさせる必要があったため係員常駐する小さな小屋存在し後退補助を笛合図でおこなっていた。廃止天六交差点付近一方通行化)された後は天六付近ループ運行としている。かつての停留所進入する道路一方通行であるが、バス折り返し名残変則的な形の対面通行区間中津側に一部残っている。中津付近野田阪神方向中津六丁目国道176号)を経由するになっている運行開始後長らく15分毎での運行続いたが、下記大阪ローカル線同様に利用者減が進み2002年2月ダイヤ改正からは30毎に減便、さらに2007年8月からは、天六乗り入れ朝夕のみに縮小日中は全便が中津折り返しとなり、運行間隔40分毎となった2013年10月1日改正天六発着は2往復朝夕1往復ずつ)となり、他はすべて中津止まりとなった上で運転間隔調整最大2時間空く)された。2018年12月22日改正では、平日朝夕のみの運行となり、天六発着廃止土休日昼間野田阪神前発8時 - 16時台)のみの運行で、天六発着最終1便のみの運行となった2021年7月31日改正平日運行取りやめとなり、土休日16時台に野田 - 天六間の1往復が残るのみ(いわゆる免許維持路線となった

※この「北大阪線」の解説は、「阪神バス」の解説の一部です。
「北大阪線」を含む「阪神バス」の記事については、「阪神バス」の概要を参照ください。

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