静岡鉄道清水市内線とは? わかりやすく解説

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静岡鉄道清水市内線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/30 20:39 UTC 版)

清水市内線
清水港線跡に静態保存されていた頃のモハ65(2008年4月13日)
概要
現況 廃止
起終点 港橋停留場
横砂停留場
駅数 14停留場
運営
開業 1928年12月25日 (1928-12-25)
廃止 1975年3月22日 (1975-3-22)
所有者 静岡鉄道
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線総延長 4.6 km (2.9 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 直流600 V 架空電車線方式
テンプレートを表示
停留場・施設・接続路線
国鉄清水港線
清水埠頭駅
波止場駅
0.0 港橋停留場
清水港駅
0.4 万世町停留場
松原町駅
0.7 市役所前停留場
1.1 新清水駅
静岡清水線
国鉄:東海道本線
2.1 (仮)江尻新道停留場
1.4 仲浜町停留場
1.8 清水駅前停留場
2.1 辻町停留場
2.4 秋葉道停留場
2.6 西久保停留場
→旧線 -1951
3.0 愛染町停留場
3.3 嶺停留場
3.6 袖師警察署前停留場
3.7 鈴木島停留場
庵原川停留場
4.3 袖師停留場 左:袖師駅
4.6 横砂停留場

清水市内線(しみずしないせん)はかつて静岡県清水市(現・静岡市清水区)内で運行されていた静岡鉄道軌道路線(路面電車)である。

概要

もともとは静岡電気鉄道の静岡清水線の一部として、1928年に港橋 - 江尻新道(現・新清水)間が開業。翌1929年に江尻新道 - 横砂間が開業するが、路線は東海道本線の線路で分断され、踏切を渡る徒歩連絡を余儀なくされていた。

1933年に東海道本線を跨ぐ跨線橋が完成して全通。かつては港橋より江尻新道から静岡清水線経由で鷹匠町(現・新静岡)を経て静岡市内線まで直通運転されており、静岡鉄道成立後も現在の静岡清水線区間を地方鉄道に変更後、翌年に分離するまで三線を総じて「静岡線」と称していた[1]。また分離後も運賃は鉄道線と通算であった[2]

1974年の七夕豪雨で被害を受け運休となり、翌1975年に廃止された。

路線データ

路線廃止時点のもの。

  • 路線距離:4.6km
  • 軌間:1067mm
  • 複線区間:港橋 - 西久保間(併用軌道
  • 電化区間:全線(直流600V)

歴史

1920年大正9年)に、駿遠電気(静岡鉄道の前会社)により清水市入江町 - 山梨県万沢を結ぶ興津線が計画され、認可を受けている[3]

停留場一覧

全停留場が静岡県清水市(現・静岡市清水区)に所在。

港橋停留場 - 万世町停留場 - 市役所前停留場 - 新清水駅 - 仲浜町停留場 - 清水駅前停留場 - 辻町停留場 - 秋葉道停留場 - 西久保停留場 - 愛染町停留場 - 嶺停留場 - 鈴木島停留場 - 袖師停留場 - 横砂停留場
旧線
西久保停留場 - 嶺停留場 - 袖師警察署前停留場 - 庵原川停留場 - 袖師停留場

接続路線

車両

JR貨物伏木ヤード跡に留置されるモハ65。後ろは福井鉄道モ562
  • モハ55(55-59)定員75人、1962年静岡市内線より移籍[4]。1966年に58・59を改造、59の集電装置を撤去し2両連結車としている[5][注釈 1]
  • モハ60(60-63)定員80人、1956年鋼体化。1954年7月1日改番。旧モハ30(30・32・33・35)。このうちモハ61は運転台位置が低く、全体が角張っていて幕板が広い異様なスタイルだった。
  • モハ65(65-67)定員90人、1936年に西武鉄道新宿軌道線(都電杉並線)の木製車(38-40、1927年汽車会社製、木製ボギー車)を購入しモハ80-82と付番した。1954年7月1日の改番により現番号となり1956年に鋼体化されている。緩やかな三面折れの前面形状が特徴で、モハ65は唯一のノーシル・ノーヘッダー、張り上げ屋根、埋め込み式ヘッドライトという近代的なスタイルで、廃止後は清水港線跡に保存されていた。2010年に所有者のフェルケール博物館が展示物整理と車両の老朽化を理由に解体の方針を出したが、これを受けて清水鉄道遺産保存会の主導で元JR貨物伏木ヤード跡に移動し、修復作業が進められていたが、2022年8月に再び静岡市内に戻された[7]

脚注

注釈

  1. ^ 白土が1969年に実車調査したところ58の車体からは59、59からは56の番号がペンキの下から透けて見えており車体がたらい回しされたとみられる。公式には記録の類は何も残されていない[6]

出典

  1. ^ 和久田 (2009), p. 185-189
  2. ^ 清水駅前停留所(1968年7月撮影) - むーさんの鉄道風景
  3. ^ a b c d 森 (2012), p. 339-340
  4. ^ 日本路面電車同好会「昭和30年以降の路面電車譲渡一覧表」『鉄道ピクトリアル』No.319、電気車研究会、1976年4月 臨時増刊号。 
  5. ^ 奥田愛三「静岡鉄道清水市内線」『鉄道ピクトリアル』No.223、電気車研究会、1969年4月 臨時増刊号。 
  6. ^ 白土貞夫「私鉄車両の履歴調査」『鉄道ピクトリアル』No.441、電気車研究会、1985年5月。 
  7. ^ 帰ってきた路面電車「清水市内線65号」 最後の現存車両 富山から移送、本格修復へ - 静岡新聞、2022年9月3日

参考文献

関連項目

外部リンク




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