免許維持路線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/20 01:08 UTC 版)
免許維持路線(めんきょいじろせん)とは、路線の維持のみを目的として運行される本数の極めて少ない路線バスの通称である。
概要
バス路線を完全に廃止としてしまうと再度バス路線の需要が生じ、再開設する際には国土交通省からの再認可や自治体、警察、住民との調整が必要となる。そのため当該路線を廃止せず、極めて少ない本数のみを運行することで維持されているバス路線が存在する[1][2][3][4]。こういったバス路線は愛好家の間で免許維持路線と呼ばれている[5]。
運行頻度は路線や会社によって異なっており、神奈川中央交通では週1便[注釈 1][2][5]、京都バスでは1年に1度、春分の日のみに運行している[4][6]。京都バスの免許維持路線のうちのひとつ、95系統では「年1便の運行」という希少性がSNSなどを通じてバス愛好家の間で話題となった結果、2012年、2013年には5人程度だった乗客が2014年には満員となり、年1便にも関わらず2台のバスで運行される混雑路線となっている[4][6]。ただし、運転手不足などからこうした路線も減少傾向にある[7]。
脚注
注釈
- ^ 1994年に発行された『神奈中百科2』では週1便の路線の他、1日2便から3便程度の路線も「運行回数激少路線」として紹介されている。
出典
- ^ “「幻のバス路線」が増加、乗り遅れたら次の便は1年後 路線維持へ苦肉の策|社会|京都・滋賀の記事|京都新聞 ON BUSINESS”. 京都新聞 ON BUSINESS (2021年4月1日). 2025年7月19日閲覧。
- ^ a b “神奈川中央交通「週1便」バス廃止へ 最終運行を前にファンも詰めかけ”. カナロコ by 神奈川新聞. 2025年7月19日閲覧。
- ^ “バスの本数に驚愕!! 神奈中「南01系統」が歩み続けた45年が壮絶すぎる!!”. 自動車情報誌「ベストカー」 (2024年4月26日). 2025年7月19日閲覧。
- ^ a b c “京都名物の「年1便・春分の日運行バス」。「乗り遅れたら、次は1年後」のバス成立の背景と、大混雑も「路線は年々減少」のワケ”. 東洋経済オンライン (2025年3月19日). 2025年7月19日閲覧。
- ^ a b 『神奈中百科 2』1994年。doi:10.11501/13310142 。2025年7月19日閲覧。
- ^ a b 西村まさゆき (2016年3月23日). “1年1便片道のみ、運行本数が少なすぎる「京都バス95系統」”. デイリーポータルZ. 2025年7月19日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2025年3月31日). “神奈中は一挙に6路線。「免許維持路線」バス廃止が相次ぐ2025年春”. トラベル Watch. 2025年7月19日閲覧。
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