九州の状況とは? わかりやすく解説

九州の状況

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 10:02 UTC 版)

ダウンフォール作戦」の記事における「九州の状況」の解説

九州においては大本営など軍中央が本土決戦準備に入るもっと前の1944年7月から西部軍司令官下村定中将が「敵は早ければ来年の春以降には、本格的な上陸作戦企画して南九州を襲う可能性十分にある」「上陸地点志布志湾正面16にわたる長い砂浜」と予想し、翌8月には早速「内之浦臨時要塞」と呼ばれる沿岸防備工事命じた。この一台土木工事は「チ号演習」という暗号名付けられた。陣地の構築硫黄島沖縄効果のあった「後退配備沿岸撃滅主義主義に基づき海岸線から4~8km後方構築されることとなったが、これにはコンクリート等の資材不足しており、天然洞窟などを最大限活用せざるを得ないという事情もあった。南九州特有のシラス台地はもろく堅固な陣地構築するのは困難と思われていたが、工夫重ねて工事進んでいった。南九州への侵攻上陸は緊急性が高いと判断した日本軍関東兵備犠牲にしてでも九州方面増強優先結果として他の方面配備予定だった装備資源使い果たすことになったアメリカ軍の上陸予測地点防衛担当する16方面軍司令官横山勇中将は、常徳殲滅作戦指揮するなど実戦経験豊かな指揮官であったが、アメリカ軍の上陸地点正確に予想し有刺鉄線コンクリート障害物びっしり構築し機関銃座速射砲トーチカ掩体壕大量に構築させていた。隷下火砲沿岸の崖や丘陵地地中深く埋め込んであらかじめ射程定め激しアメリカ軍の砲爆撃なかでも照準計算する必要もなく正確な砲撃をできるようにさせており、大量特攻機特攻兵器による輸送艦撃沈と、砲撃自爆攻撃により上陸してくる大量LVT叩き潰せば、侵攻軍の勢いは鈍るはずと自信深めている。一方で司令官横山自信に対して、「第16方面軍会戦指導構想によれば陸、空、海にわたるアメリカ軍強大な侵攻兵力随時四周からの同時攻撃に対して日本軍兵力装備面で多く問題点有しており、対上陸防御という受動的態勢作戦準備困難にしていたと指摘している。 九州方面視察赴いた参謀本部第1部長の真田穣一郎少将第2総軍総司令官の畑元帥に対して十二分装備海軍の戦略、そして好ましい地形鑑みれば、敵軍第一派を確実に海へ押しのけることが出来ると思いますしかしながら敵軍第二第三の上陸を試みた場合それを完全に撃退できるかはきわめて疑わしい思います」と語り畑も「我が方第二第三防衛線が欠けている以上、敵の第二波第三波を防ぐのは難しい」と返答している。 戦力比日本軍側の分析としては、第2総軍作戦課長だった井本熊男大佐が「九州の第16方面軍は、師団14混成旅団8・戦車旅団3で重点南九州米軍第二次輸送含めて14師団で、師団数はほぼ同数であるが、日米師団戦力比は1対10くらいである。すなわち日本の140個師団相当するまた、我が方航空機特攻機含めて1万機。米軍の海・空軍絶対優勢で、その比はやはり日本10倍くらいである。このように両軍の戦力比から観察すると、上陸後侵攻挫折させたり大打撃与えることは、非常に困難ではないか結局我が方決死敢闘玉砕戦法あるのみ。それで敵にある程度打撃与える事ができるであろう」と戦力において連合軍10倍以上優勢であった証言している[要出典]。しかし、横山南九州陣地構築状況については「ある程度散兵壕はできており、終戦までにはかなり進捗してたように思う」と相応陣地構築進んでいたと述べており、横山同時期に九州視察した陸軍士官学校55期近藤新治も、特に志布志方面陣地堅固に構築されてかなり有効な戦闘ができたのではないかとの印象抱いたという。第2総軍連合軍上陸した際に第1総軍と第15方面軍から3~5個師団をもって九州増強することを企図していたが、増援部隊爆撃砲撃の中で長距離移動するのは確実な方法ではなかった。そこで第2総軍司令部関東で最も有力な第36軍麾下の4個師団(2個機甲師団、2個決戦師団)の増援大本営要請した。しかし大本営東京防衛中核たる第36軍派遣消極的で第2総軍要請黙殺している。

※この「九州の状況」の解説は、「ダウンフォール作戦」の解説の一部です。
「九州の状況」を含む「ダウンフォール作戦」の記事については、「ダウンフォール作戦」の概要を参照ください。

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