九州の独立リーグおよび拡張構想
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「四国アイランドリーグplus」の記事における「九州の独立リーグおよび拡張構想」の解説
2008年の発足を計画していた九州リーグとは、2007年に業務提携を目的としたパートナーシップ契約を結んでいた。クラブチームだった長崎セインツとはアイランドリーグと練習試合・交流試合を複数回実施した。しかし、予定されていた九州リーグの発足が困難になったことから、同年10月24日には長崎セインツと福岡の新球団を加えた6球団で2008年のシーズンを開催することが発表され、2007年12月1日よりリーグ名称が「四国・九州アイランドリーグ」に変更された。九州の2球団はIBLJとは別の運営会社が統括し、両社が業務提携を結ぶ予定と報じられていたが、九州側の運営会社は具体化せず、2008年のシーズンはリーグ事務局の「九州オフィス」という形で存在していた。2009年1月30日をもって「所期の目的は果たした」ことを理由に九州オフィスは閉鎖された。 新加入の球団に対しては、戦力均衡を図る必要から2007年11月に既存の4チームの選手を対象とした分配ドラフト(エクスパンション・ドラフト)が実施された。 また、九州への拡張の発表に合わせて、2009年度に岡山・宮崎の2球団を加えた8球団とし、将来は西日本16球団でリーグ戦を行う構想も明らかにされた。このうち、岡山については2008年1月に地元の企業経営者ら有志による準備組織「チーム岡山球団設立推進委員会」が発足した。また、宮崎についても専門学校を運営する川越宏樹が「スポンサー企業が見つかればチームを発足させたい」という意向を表明した。 その後、岡山については2008年9月の設立推進委員会の会合で「2010年の加入を目指す」と加入時期が以前の構想より1年後に変更された。2008年10月31日のリーグ首脳の記者会見では、岡山・宮崎は2010年の加入を目指して準備中との見解が示された。 福岡の活動休止を発表した2009年10月30日のリーグ首脳の記者会見では、宮崎は福岡と同じ「準加盟球団」に2010年シーズンから参加し、2011年からのリーグ戦参加を目指すとされた。また、岡山と熊本が「準備室開設段階球団」に2010年シーズンから参加し、2010年以降の準加盟球団入りを希望しているとされた。この時点での発表内容は下記の通り。 準加盟球団 「近い将来アイランドリーグ加盟へのステップアップを行う意思があり、その目標に向かって積極的に活動を行う状態である場合、加盟球団に準じて、リーグ情報の共有化や、加盟に向けての支援を受けることが出来るカテゴリー」。 チーム名本拠地福岡球団(福岡レッドワーブラーズが該当するとされた) 福岡県 宮崎球団 宮崎県 準備室開設段階球団 2009年10月の発表では「2010年から新設」とされた。 チーム名本拠地岡山球団 岡山県 熊本球団 熊本県 鍵山CEO(当時)は2010年12月にウェブサイトに寄稿した文章で、岡山からは来季試合を開催してもう一度新球団創設への気運を高めたいという打診を受けていると述べた。これを受ける形で、2011年8月14日に香川とソフトバンク3軍の試合が岡山県野球場で開催されている。 しかし、これ以降具体的な動きは途絶え、2016年にリーグウェブサイトがリニューアルされてからは「準加盟球団」「準備室開設段階球団」自体が掲載されなくなった。2021年の報道では、岡山への球団設置計画は「沙汰止みとなってしまった」と記されている。また後述のように、これらの予定球団のうち3つが所在することになっていた九州には2021年に九州アジアリーグが発足し、熊本県からは火の国サラマンダーズが参加、福岡県には2022年から福岡北九州フェニックスが加入予定で、他の県に関してもリーグ理事長が「沖縄を含む九州全県」への球団設置を将来構想として言及している。 岡山県については、2013年度には2年ぶりに香川の主催ゲームが2試合開催され、2014年度も1試合(2試合の予定だったが、1試合は雨天中止)が開催されたが、2015年度から2020年度までは開催がなかった。2021年5月15日に7年ぶりに公式戦1試合(笠岡市のかさおか古代の丘スポーツ公園野球場、高知主催の対愛媛戦)が開催された。これは笠岡市出身の藤井皓哉(高知)の「凱旋試合」として実施されたものである。 一方、社会人野球チーム熊本ゴールデンラークスのゼネラルマネージャー兼総監督を務める田中敏弘は、2020年1月の日経産業新聞記事において、2021年にゴールデンラークスをプロ化して福岡ソフトバンクホークス3軍を交えた独立リーグを発足させる構想を明らかにしたが、リーグ発足が間に合わない場合は四国アイランドリーグplusへの参戦も想定していると記されていた。2020年9月11日に熊本の新球団運営会社の関係者が記者会見をおこなって2021年からの新リーグに参加することを正式に発表し、その中でアイランドリーグとの交流戦を実施する計画であるとしている。2020年11月4日にリーグ運営組織の設立経験が開かれ、リーグ名が九州独立プロ野球リーグ(リーグ戦開始前に九州アジアリーグに変更)になるとともに、当リーグとの交流戦に向けて調整していると述べた。IBLJ社長の馬郡健は、2020年11月のインタビューで九州を含めた独立リーグの増加について「チーム数が増えて選手が分散することで、独立リーグ自体のレベルの低下などが叫ばれると思う。独立リーグが(他団体より)下に見られることがないよう、野球のレベルは常に上げていかなければいけない。」とコメントしたが、九州アジアリーグとの交流戦については明言しなかった。その後発表された日程では、前記の通り九州アジアリーグとの試合はすべて「練習試合」の扱いでチームの勝敗や個人成績には反映しない形となった。2022年シーズンは九州アジアリーグとの交流戦は実施されない見込みと報じられている。 三重脱退をめぐる報道の中で、新たにリーグ戦に参加するチームは規約で1000万円の加盟料・3000万円の参加保証金・1000万円の年会費(3年目まで)の支払を求められることが明らかになっている。 2015年1月、台湾の社会人野球チームである崇越隼鷹(トプコファルコンズ)が、2016年から3年間の加盟を目指していると台湾メディアで報じられた。この構想についてアイランドリーグ側からはコメントや発表は出されていない。2015年11月にファルコンズが同じ台湾の社会人チームである合作金庫とともに、台北市で愛媛および徳島と親善試合をおこなうことが発表された。この親善試合実施についても、台湾メディアでは崇越グループ会長が「来年日本の独立リーグに参加するための準備である」とコメントしたことが伝えられているが、アイランドリーグ側はコメントを表明しておらず、加入予定とされた時期も超過している。
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