九州の産業構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 15:17 UTC 版)
「シリコンアイランド」の記事における「九州の産業構造」の解説
経済産業省「工業統計」によると、シリコンアイランド・九州における半導体の生産額は、自動車・食料品に次ぐ3位と言うのが平成時代における定位置となっている。例えば、半導体生産額日本一(2015年)の熊本県では、2011年の時点ではまだ電子機器が熊本県産業別収支で1位(2508億円)であったが、2015年時点においては出荷額ランキングでは輸送用機器が3775億円(構成比15.8%)と最も多くなり、次いで食料品13.4%、半導体などの電子部門は12.3%で3位となってしまった。 1990年代以降、車載半導体の増加とともに九州に自動車産業の進出が進み、2000年代以降には半導体産業の規模を遥かに上回っている。そのため、2000年代以降の九州は「シリコンアイランド」に代わって「カーアイランド」と呼ばれることが定着しつつある。 九州は1990年に農業産出額が2兆341億円のピークに達し、その後も平成時代にわたって2兆円近くをキープしているなど食料品の生産額が大きく、九州農政局では「食育アイランド九州」と言う呼称を提唱している。半導体生産額日本一であると同時にトマトやキクラゲなどの出荷額日本一でもある熊本県では、2009年の農地法改正後、半導体から野菜に転ずる例も多く、例えば液晶ディスプレイのカラーフィルターの管理をしていた旧・共栄精密熊本(現・共栄精密人吉きのこセンター)なども、2010年に半導体の製造からキクラゲの製造に転じた。 なお、半導体のクリーンルームで野菜の栽培を始める例は全国的に珍しくなく、大手では東芝横須賀事業所(東芝ライテック本社、2014年より「東芝クリーンルームファーム横須賀」としてレタスやホウレンソウを栽培)やパナソニック福島工場(2014年よりレタスを栽培)などの例がある。半導体からレタスの製造に転じた旧・富士通会津若松工場(2014年当時の社名は「会津若松Akisaiやさい工場」)によると、半導体用のクリーンルームは雑菌の繁殖が抑えられるので、野菜の製造がしやすいとのこと。
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