フロセミド
分子式: | C12H11ClN2O5S |
その他の名称: | セグリル、ニコロール、フリックス、フルセミド、フロセミド、ラシックス、ラザックス、トランシット、フロメックス、Furix、Lasix、Lazax、Furomex、Nicorol、Seguril、Transit、Frusemide、Furosemide、5-(Aminosulfonyl)-4-chloro-2-[(2-furanylmethyl)amino]benzoic acid、4-Chloro-2-(furfurylamino)-5-sulfamoylbenzoic acid、4-Chloro-2-(2-furylmethyl)amino-5-sulfamoylbenzoic acid、オイテンシン、アンフラマイド、Anfuramide、タビロン、Tabilon、フォリロント、Foliront、フロキサイド、Floxaid、マオリード、Maoread、ロープストン、Lowpston、Eutensin |
体系名: | 2-(フルフリルアミノ)-4-クロロ-5-スルファモイル安息香酸、4-クロロ-N-フルフリル-5-スルファモイルアントラニル酸、5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-2-[(2-フラニルメチル)アミノ]安息香酸、4-クロロ-2-(2-フリルメチル)アミノ-5-スルファモイル安息香酸、4-クロロ-2-(フルフリルアミノ)-5-スルファモイル安息香酸 |
フロセミド
(ラシックス から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/21 23:36 UTC 版)
フロセミド (Furosemide)は、心不全、肝硬変、腎疾患(英語版)による浮腫の治療に用いられるループ利尿薬の一つである[1]。降圧を目的とした処方も行われる[1]。性状は白色結晶性の粉末であり、水にはほとんど溶けない。経口投与でも筋注でも速やかに吸収され、血漿蛋白との結合率が高く、肝臓や腎臓以外の組織にはほとんど分布しない。ヘンレ係蹄(ヘンレループ)の太い上行脚の管腔側の膜のNa+・K+・2Cl−共輸送担体(NKCC2)を抑制することにより、NaCl、K+の再吸収を抑制し、速効性かつ強力な利尿作用を示すが、作用時間も短い。経口投与後約1時間、静脈注射後は5分以内で臨床効果が現れるが、効果を発現する用量は患者毎に異なる[1]。
- 1 フロセミドとは
- 2 フロセミドの概要
ラシックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 00:46 UTC 版)
「アメリカ合衆国の競馬」の記事における「ラシックス」の解説
競走馬は調教・レースなどで激しい運動をすることでしばしば肺出血を起こす。これを運動誘発性肺出血(英語版)(EIPH)という。日本ではウオッカの引退原因になったことで有名である。肺出血を起こした馬は競走能力の低下を起こすという研究結果がある。 ラシックス(別名サリックス・化学名フロセミド)は通常利尿薬として使われる薬であり、競走馬に投与すると1時間で10-15リットルの大量の尿を排泄する。通常の場合これは一日の排泄量に相当する。この排泄により馬の血圧は大きく下がり、肺血管の血圧を下げることでEIPHを予防ないし症状を軽くする効果があるとされる。また大量の尿が出て馬体重が軽くなるので、その分速く走れるのではという推測もある。 ラシックスのデメリットについては常用すると骨密度を下げて骨折しやすくなるという意見があり、それを補強する研究結果もある。またラシックスの利尿効果によって脱水症状を起こす可能性も指摘されている。更に言えば、利尿剤であるのでそれ以外の違法薬物の隠蔽のために使われているのではないかという疑念もある。 ただしこれらラシックスの「メリット・デメリット」については様々な意見・研究があり、定見はない。そもそもラシックスの使用に関しては馬が出血していようとしていまいと「他の馬が使用しているから自分たちの馬にも使う」という理由によるところが大きいのである。 ラシックスを初めて馬に使ったのはケンタッキーの伝説的な獣医師アレックス・ハートヒルであるとされる。ハートヒルはラシックス以外にもそれまでは人間にしか使われていなかった多数の薬物を馬に応用し、この分野において大きな進歩をもたらした人物である。1960年代後半に使用が始まったこの薬は1974年にメリーランド州で使用が公認。この時に著名なオーナーブリーダーフレッド・W・フーパー(英語版)(プレシジョニストなどの生産者・馬主)は「一旦ドアを開けたら、それ(薬)を制御できるとは思えない」と述べた。その言葉通りに使用者はどんどん増えて、1995年に最後に残ったニューヨーク州が公認したことで全米で使用が公認され、一時期は全競走馬の90%以上が使用していたといわれた。 2012年にはブリーダーズカップの2歳戦で当日のラシックスを禁止、更に2013年からは全レースで同様に禁止するとしたが、強い反対に遭い頓挫。翌2014年はラシックスの使用を認めた。2019年にチャーチルダウンズ競馬場などを所有するチャーチルダウンズ社・ベルモントパーク競馬場などを所有するニューヨーク競馬協会(NYRA)・サンタアニタ競馬場などを所有するストロナックグループ・他にデルマー競馬場など米国内の主要競馬場が連合してレース当日のラシックスを段階的に禁止すると発表した。同発表によるとこれらの競馬場では2020年には2歳戦で当日のラシックス使用を禁止、更に2021年からはすべてのステークスレースでラシックスの使用を禁じるとしている。
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