ビジャン・ダーゴル
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「ガイア・ギアの登場人物」の記事における「ビジャン・ダーゴル」の解説
声:中田譲治 地球連邦政府警察機構特捜第十三課、俗称『人狩り局』マハ所属の大佐。サイド2のヘラス政庁のマハの組織を管轄する司令官だったが、現状に満足せず、マハ組織全体のトップに立って全てを掌握しようとしている。いかにもやり手という感じの男。頬はこけ、落ち込んだ眼窩の奥にある瞳は透明に見えるブルー。 ダーゴルは地球連邦政府改革の必要性を認めているが、それは組織内部から行うべきと考えており、その実現のために地球連邦政府の実権を握るべく暗躍する。彼はその手段として「地球逆移民計画」を発案する。これはスペースコロニーで暮らす宇宙移民者が再び地球へ帰還する計画だが、サイド1の移民第一世代やマハに協力した者の中から優先的に逆移民権を与えることで大衆にマハの活動に参加すれば地球に逆移民できると信じ込ませ、マハへの支持を集めようというダーゴルの策略であった。ダーゴルはこの逆移民計画を連邦政府に認めさせることでマハのトップの立場を手に入れ、ホンコン・マハに代表される警察機構まで統括することに成功した。メタトロンのヘラスへの侵攻では、形骸化した地球連邦軍がそれに対応できないのを知っていて、連邦政府がすべてをマハに任せるという言質を取るのに利用した。連邦軍からマハへ軍の統率権を移行させることに成功したダーゴルは地球連邦政府の認証を受け、計画を実行に移すためマハ・ゲイジスを旗艦とする連邦軍の宇宙艦隊を率いて地球に降下した。しかし、ダーゴルの真の目的は、マハを地球連邦政府から組織として独立させ、スペースコロニー連合に対して独自の独立国家・ガイア帝国を作ることだった。ダーゴルの考える地球独立国家は、極度に選別されたエリートの国家で、ウル・ウリアン曰く「ワーグナーを愛せるような人の集団」。過去の人類の過ちを繰り返さないようクリーンに管理し、スペースコロニーから地球に降りてこようとする人々に対しては地球鎖国政策をとり、無能者と抵抗分子は排除し、能力のある協力者だけを受け入れるシステムにするつもりだった。メタトロン制圧の口実で徴兵制度を実施したが、目的は適正な人口を維持するための人減らしで、兵士たちに地球に帰れるという希望を抱かせて使い切ることだった。また政治犯などの口実で地球に送り込まれて強制労働させられている人々は、仕事が終わればガス室送りにされる予定だった。 ワーグナーの美学に心酔しており、特にその象徴であるノイシュヴァンシュタイン城には異常なまでの執着を見せた。また「地球逆移民計画」がまず白人発祥の地・ヨーロッパ地域への白人の逆移民から始まったこともあり、白人至上主義者と見なされているが、本人は「マハに人種差別はない」「己を鍛え、生き残る資格を持った者であれば人種はとわない」と言っている。 ダーゴルは野望実現のためにマハ・ゲイジスで地球に降下すると、まず手始めにヌーボ・パリに布陣するが、マザー・メタトロンによる衛星軌道上からの予想外のミサイル攻撃により大打撃を受ける。するとヨーロッパでは4番目の評価だが、愛するノイシュヴァンシュタイン城のある旧ミュンヘンを中心としたバイエルン一帯へと拠点を移し、そこを中心にマハの国家建設を目指すことにした。 しかし、それまで地球連邦軍を私軍のように扱ってきたことやあまりに急激に計画を進めたことにより、彼らは軍から獅子身中の虫と見なされるようになっていた。最終的に地球連邦政府はメタトロンと手を組んで彼らを排除することを決めた。 地球への回帰を目指しておきながら、スペース・コロニーでの生活に慣れ切っていた彼自身は、地球の生の自然に対して不快感や違和感を感じていた。 歪んだ性的嗜好の持ち主で、ウルによれば彼の度重なる失敗に寛容な姿勢を見せたのは、ウルが無様な失敗を繰り返すさまをサディスティックに楽しんでいたからだという。またエヴァリー・キーを尋問する際にもそのサディスティックな嗜好を見せた。 ラジオドラマ版 マハの指導者で、その組織を半ば私兵化しているカリスマ的存在。地球連邦軍出身。連邦軍内の人狩り部隊でしかなかったマハを自身の手で立派な軍事組織に育て上げ、自らの理想実現のための道具として利用している。ワーグナーを崇拝し、彼の楽劇を具現化したノイシュヴァンシュタイン城を「地球逆移民計画のシンボル」とまで語っていた。 地球へ降りた時にその自然に感銘を受けたことがきっかけで、限られたエリートの力だけによる地球環境の再生を目指す「地球逆移民計画」を思い付く。だが、自分の生きている間に計画の行く末は見届けられないと考え、地球連邦政府の首都であるヌーボ・パリを表敬訪問すると見せかけてクーデターによって連邦政府を掌握する。その後、ヌーボ・パリを放棄してバイエルンへ移り、そこでノイシュヴァンシュタイン城を中心とした新たな地球連邦政府を樹立しようと画策した。 メタトロンのアジトからメモリー・クローンに関するデータを手に入れたことがきっかけで「シャア・コンテニュー・オペレーション」とそれにより生み出されたシャアの再来たるアフランシ・シャアに興味を抱き、ウル・ウリアンを差し向ける。後継者によって自らの理想をねじ曲げられることを恐れた彼は、メモリー・クローンを「永遠に受け継がれる記憶」と捉え、自らの思想を後の時代に残すための手段とすべく、アフランシとの接触を図った。 エリートとは常に向上心を持って努力する人間であるとして部下にもそれを求め、素質があるものであれば家柄や出自に関係なく登用する度量の広さを示していた。また一度は反旗を翻したウル・ウリアンを許す寛容さも見せた。捕虜のエヴァリー・キーに対しても寛大な姿勢を見せ、最終決戦を前に部下のマリーサ・ナジスに命じて脱出させた。 マザーメタトロンのノイシュヴァンシュタイン城へのミサイル攻撃が続く中、アフランシと直接対峙し、銃を向け合った場面で本編は終了。その生死は定かではない。
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