ウマル・ハイヤームの『ルバイヤート』とは? わかりやすく解説

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ウマル・ハイヤームの『ルバイヤート』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 23:21 UTC 版)

タマム・シュッド事件」の記事における「ウマル・ハイヤームの『ルバイヤート』」の解説

陪審開かれていたのと同じ頃、遺体ズボンポケットの奥に縫い付けられていた隠しポケットから、"Tamam Shud" と印字され小さな巻紙発見されていた。文字翻訳のために公共図書館から司書招聘されウマル・ハイヤーム詩集、『ルバイヤート』の最終頁から破りとられたものであり、「終わった」、あるいは「済んだ」という意味であることが判明した紙片の裏面は白紙のままだった。警察オーストラリア国内中を捜索し似たような白紙の裏面がある同書版本を見つけ出そうとした。紙片写真各州警察送付されたほか、一般に公開されたことにより、ある男性が、エドワード・フィッツジェラルド英語版)による1859年英訳『The Rubaiyat』で、1941年ニュージーランド出版され版本警察届け出た。この版本は、遺体発見された頃、その男性がグレネルグのジェッティー通りドア施錠せずに駐車した際、後部座席何者かに置かれたものであったその男性はその本事件が関係あるとは知らなかったが、前日新聞見て関連気付いた。この男性身元職業については、男性匿名希望したため公開されていない。 本が車で発見され正確な時間については不明な点も残っている。本の発見遺体発見の1~2週間前であると報じた新聞もあれば、元刑事のゲリー・フェルタス(Gerry Feltus)のように、本が発見されたのは「男性がソマートンの浜辺発見され直後である」と報告する者もある。預けられスーツケースから、遺体男性アデレードにやって来たのは浜辺発見され前日であると仮定すると、本発見時間重要性を持つ。もし本の発見遺体発見の1~2週間前であると、その頃遺体男性が既にアデレードにやって来ていて、一定期間滞在していたとも考えられるからである。 四行詩集『ルバイヤート』は、人間心行くまで人生生き死に際しては後悔ないようすべきである、というのが主題である。詩の内容から、警察は他に証拠がないにもかかわらず男性服毒自殺したと仮説立てた発見された本は、最終頁の "Tamam Shud" の文字破り取られており裏面白紙であった顕微鏡による検査も、発見され紙片その本から破り取られたものであることを示していた。 本の裏表紙には、アルファベット大文字以下のとおり5行、鉛筆による手書き記されており、2行目には取消し線、または下線のようなものも書き加えられていた。この2行目は、似た文字の並ぶ4行目を書き損じたものと見られ文字列暗号であることを示す重要な根拠となっている。 WRGOABABD MLIAOI WTBIMPANETP MLIABOAIAQC ITTMTSAMSTGAB 最初の行と3行目の書き出し文字は、"M"なのか"W"なのか判別しづらいが、4行目の "M" と形が違うことから、"W" に違いない考えられている。また、2行目の最後文字は"L"にも見えるが、よく観察すると"I"であり、実際に取消し線、または下線により"L"のように見えているだけであり、他の部分の"L"は下の線が丸く湾曲していることが分かるまた、4行目の"O"の上に"X"のような印も見えるが、これが文字列一部なのかは分っていない文字列は、暗号考えられるより前に外国語であると考えられていた。暗号専門家解読のために招聘されたが文字列解読することはできなかった。文字列1978年オーストラリア国防省分析したが、文字数不充分パターン解析できず、精神的動揺から反射的に書かれ無意味なものかもしれない、との見解示した国防省はさらに、「満足行く答え」を提供するのは不可能だろう、とも述べている。 本の裏表紙には電話番号記されており、グレネルグ遺体発見現場から400メートル程北のモーズリー通りに住む元看護師のものであることが分かったその女性の証言では、彼女がその『ルバイヤート』を所有していたのは、シドニー病院在勤していた第二次世界大戦中のことであったが、1945年に、オーストラリア陸軍水上輸送部門所属する、アルフレッド・ボクソール (Alfred Boxall) という名の中尉に、シドニーのクリフトン・ガーデン・ホテルで渡したのだという。 報道されその女性の証言では、彼女は終戦後メルボルン移り、そこで結婚したという。後にその女性はボクソールから手紙受け取ったが、ボクソールにはもう結婚していると伝えたという。また女性は、1948年近隣で彼女について尋ね歩く男がいた、とも述べている。女性結婚後の姓を知らなかったボクソールが、1945年以降に彼女と接触した証拠はない。女性リーン部長刑事 (英語: Detective Sergeant Leane) に、遺体から型取りされた石膏胸像見せられているが、誰であるのか断定しなかった。リーン刑事は、女性胸像見た時の反応を「ほとんど卒倒しそうな程なまでに完全に驚いた」と記述している。石膏型取り行った技師で、女性胸像見た時に現場居合わせたポール・ローソン (英語: Paul Lawson) は、2002年インタビュー女性のことを「トムソン夫人」 (英語: Mrs Thomson) と呼んでその時の様子を、「(女性は)胸像を見るとすぐに目をそらし、二度と見ようとしなかった」と述べている。 警察一時遺体ボクソールのものである考えたが、彼が1949年7月シドニー健在であり、『ルバイヤート』 (シドニー1924年発行された版) もまだ所持していることが分かった。その『ルバイヤート』の最終頁から "Tamam Shud" は破り取られていなかった。ボクソールその頃シドニー近郊のランドウィックのバス停車両整備部門勤務しており、自分と遺体男性との関係について、全く心当たりがないと述べている。ボクソール渡された『ルバイヤート』の表紙に、女性詩集の中から第70番の詩を書き写していた。 女性遺体男性については何も知らず死亡する前になぜ彼女の住む町にやって来たのかも分からない述べている。また、女性は現在結婚しており、遺体男性ボクソールとの関係が公になる周囲からいやがらせを受ける可能性があるとして、自分の名前が記録残らないよう警察訴えた警察はこの 訴え認めたため、その後は最も有力な手掛かり1つがないまま捜査続けることとなった。この事件特集したテレビ番組ボクソールインタビュー受けている。その中で彼が女性の名前出している箇所は「ジェスティン(Jestyn)」という名に吹き替えられていた。この名は『ルバイヤート』の表紙書き写した詩に、女性添えた署名、JEstyn から取られたものであるが、番組内で本が映し出される時は、署名部分隠されていた。この名はおそらく女性愛称であり、彼女はボクソールに対してもその名を名乗っていたと思われる未解決事件研究している元刑事のゲリー・フェルタスは、2002年に「ジェスティン」にインタビュー行ったが、彼女が「逃げ腰」で「何も話したがらない」のを感じた女性また、女の家族は自分と事件関連について何も知らずにいるため、自分身元身元特定につながるいかなることも公開しないことを望み、フェルタスもそれに同意した。フェルタスは、ジェスティンはソマートン・マンが誰なのか知っているものと信じている。ジェスティンは警察対し結婚していると話しているが、実際に当時未婚であった警察は彼女の本名記録に残さなかったため、警察そのこと把握していたかは分からない研究者達が事件再調査行い、ジェスティンの足取り追跡したところ、彼女は2007年亡くなっていたことが分かったテレビ番組60 ミニッツ参照)。その女性の本名はそれが本の暗号解読の鍵である可能性があるから重要な手がかり考えられている。フェルタスは2010年自身著作において、女性の夫の家族から本名公開許可得た述べているが、彼がその著作記した名前も家族関与により偽名となっている。

※この「ウマル・ハイヤームの『ルバイヤート』」の解説は、「タマム・シュッド事件」の解説の一部です。
「ウマル・ハイヤームの『ルバイヤート』」を含む「タマム・シュッド事件」の記事については、「タマム・シュッド事件」の概要を参照ください。

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