車両整備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 14:58 UTC 版)
車両の整備概念は7つのステップに分かれている。 走行距離4,000 kmにつき1時間半かけて検査が行われる。汚水タンクから水が抜かれ、給水タンクに新しい水が補充される。ドアの故障など重大な故障は修理される。さらに安全のため、試験が行われている。これにはパンタグラフなど集電装置類の点検が含まれ、絶縁部や変圧器の検査、亀裂やパンタグラフ圧の確認、クリーニングなどが行われている。台車の検査もこの時点で行われている。 走行距離20,000 kmにつき2時間半の検査が行われ、これはナッハシャウ (Nachschau) と呼ばれている。この段階では、LZB(NBS上で使われている自動列車保安装置)やブレーキ系統のシステムがチェックされる。 走行距離が80,000 kmに達すると、点検段階1 (Inspektionsstufe 1) と呼ばれる段階に入り、2つの単位でそれぞれ8時間かけて、ブレーキ系統の精密検査や同じようにエア・コンディショナーや供食設備、座席や旅客案内装置の検査が行われる。 走行距離が240,000 kmに達すると、点検段階2 (Inspektionsstufe 2) と呼ばれる段階になり、電動機、軸受や駆動軸、ボギー台車や連結器の検査が命じられる。この検査は通常二つの単位で、それぞれ8時間かけて行われる。 年に1回、約480,000 kmに走行距離が達した時点検段階3 (Inspektionsstufe 3) の段階に入る。この検査段階には気密装置や変圧器の冷却装置の整備、客室内の整備も含まれている。 最初の全般検査は走行距離が120万 kmに達した時点で行われる。これは新幹線車両と同じである。車両のすべての構成部分で完全な検査が、5日区分を2回取り実施される。2回目の全般検査は240万 kmに走行距離が達した時に実施され、ボギー台車は新しいものに交換され、多くの部分は分解され詳しく検査される。最初の全般検査同様、5日区分を2回取り実施されている。 整備はICE専用の整備工場で実施されている。ICEの整備工場はそれぞれ、スイスのバーゼル、ドイツ国内はベルリン、ドルトムント、フランクフルト・アム・マイン、ハンブルク、ミュンヘンなど運行の拠点となる地に立地している。ライプツィヒにも将来的に新設が予定されている。故障の報告はあらかじめ、車載コンピュータシステムによって工場に送られ、整備時間を最小限に抑えている。
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