それ【×其れ】
読み方:それ
[代]
㋐聞き手が持っている物、または、聞き手のそばにある物をさす。そのもの。「ちょっと—を見せてください」
㋑聞き手がいま話題にしたばかりの事物などをさす。そのこと。そのもの。「—はいつの話ですか」「ああ、—ならお隣です」
㋒聞き手が当面している事柄をさす。そのこと。「—が済んだら、早く寝なさいよ」
㋓親しい関係にある聞き手のそばにいる人をさす。その人。「へえ、—がおまえの兄貴か」
2 二人称の人代名詞。聞き手に対する敬意をこめて用いる。あなた。
「—はさこそおぼすらめども、己は…とは思ひ侍らず」〈徒然・一四一〉
[感]人に注意を促すときなどに発する語。そら。ほら。「—見なさい」「—行け」
[接](「夫れ」とも書く)《漢文の「夫」の訓読から》文頭に用いて語調を整える語。そもそも。いったい。
「—山伏と言っぱ、役(えん)の行者のあとを継ぎ」〈虎清狂・蟹山伏〉
[アクセント]はソレ、
はソレ。
逸れ
それ
指示語
(それ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/08 18:45 UTC 版)
指示語(しじご)または指示詞(しじし、demonstrative)とは、話し手のいる地点と状況をもとにしてものを指し示す機能を持つ語であり、特に代名詞や限定詞として用いられる[1]。日本語の「これ」「その」や英語の this、that などは典型的な指示詞である。
指示語の使い分け
指示詞は遠近によって使い分けられる。
- 話し手から近いか遠いか。
- 話し手から近いか、中くらいか、遠いか。
- 話し手に近いか、聞き手に近いか、話し手にも聞き手にも近くないか。
- 話し手に近いか、聞き手に近いか、第三者に近いか、誰にも近くないか。
また、距離以外に次のような直示的情報によって使い分けがある言語もある。
- 視界に入っているかどうか。
- 上の方にあるか下の方にあるか。
- 上流か下流か、山の上か麓かなど地理的な情報。
- 近づいているか遠ざかっているか、横切るのかなどの動きの情報。
さらに、直示的情報以外にも以下のような指示物の性質によって使い分けられる。
日本語の指示語
日本語の指示語は一般にこそあどと呼ばれる4系列からなる(場合によって、カ系列を加え、5系列にすることもある[2])。コ系列を近称、ソ系列を中称、ア系列を遠称、ド系列を不定称と呼ぶ場合もあるが[3]、厳密には後述のようにソ系列は中距離を示すものではない。
事物 | 場所 | 方向 | 方向/人称 | 人称 | 連体詞 | 副詞 | 連体詞 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
コ系列 | これ | ここ | こちら(こっち) | こなた | こやつ(こいつ) | この | こう | こんな |
ソ系列 | それ | そこ | そちら(そっち) | そなた | そやつ(そいつ) | その | そう | そんな |
ア系列 | あれ | あそこ | あちら(あっち) | あなた | あやつ(あいつ) | あの | ああ | あんな |
ド系列 | どれ | どこ | どちら(どっち) | どなた | どやつ(どいつ) | どの | どう | どんな |
カ系列 | かれ | かしこ | かなた | かやつ(きゃつ) | かの |
「こそあ」はそれぞれ現場指示用法と文脈指示用法をもつ。
現場指示
現場指示用法は、談話の場において実際に近くにあるものを指して用いる用法である。コ系列は話し手の近くにあるもの、ソ系列は聞き手の近くにあるもの、ア系列はどちらからも離れているものを指す。
文脈指示
文脈指示用法は、話題になっているものや記憶の中にある要素を指す用法である。コ系列は談話に導入された要素や、直後に導入する要素を指す(「正解はこうです。まず…」)。ソ系列は、それまでに談話に導入された要素を指し、仮定した要素や不特定の要素をも指すことができる(「誰か来たらその人に…」)。また「その」には「この」「あの」にはない所有関係を表す機能がある。ア系列は記憶の中にあるものを引き出すときに用いる(「あの頃は良かった」)。
中古日本語における指示語
平安時代の中古日本語では、こ、そ、か(あ)の3系列と、カク、サの指示副詞2系列が用いられていた[4]。
脚注
- ^ Diessel 1999: 2.
- ^ “こそあど + か / think_leisurely”. think0298.stars.ne.jp. 2020年10月22日閲覧。
- ^ “【こそあどとは指示語のこと】上手な使い方を4つの事例で解説”. xn--3kq3hlnz13dlw7bzic.jp (2019年8月21日). 2020年10月22日閲覧。
- ^ 岡崎友子「現代語・古代語の指示副詞をめぐって」『日本語文法』第3巻第2号、日本語文法学会、2003年9月、163-180頁。
参考文献
- Diessel, Holger. 1999. Demonstratives: form, function, and grammaticalization. Amsterdam/Philadelphia: John Benjamins.
関連項目
それ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 13:26 UTC 版)
別名:ハル。白鳥が絵本の中に描いた、頭に花を咲かせた少女のようなキャラクター。モデルは梢。半身は土中に埋まっており、そこがどうなっているのかは分からない。しゃべることは出来ないがそれなりにコミュニケーションは出来る。といってもそれほど知能は高くない。またプロトタイプでは、底を見たところ根っこが出ていて、見られると恥ずかしがる。
※この「それ」の解説は、「まほらば」の解説の一部です。
「それ」を含む「まほらば」の記事については、「まほらば」の概要を参照ください。
それ
出典:『Wiktionary』 (2021/08/24 13:24 UTC 版)
代名詞
それ【其、其れ】
- 会話において、話し手よりも聞き手の方により近いと思われる物事を指す。
- すでに話題として取り上げられた事柄。
- それはそれでいいよ。
- それとこれとは話が別だ。
- それはないよ。
- 相手から示されたり、やや離れたところに見つかったりした、まさに思い描いていたもの。相手が示した、ぴったり当てはまるもの。
- 一度出した名詞をすぐ後に繰り返して用いるときに使う。翻訳調のやや硬い言い方で、通常は単に省略する。
- (古用)そこ。
- それへなおれ。
派生語
- そら
- そりゃ
- それが
- それから
- それきり
- それくらい
- それこそ
- それしき
- それじゃ
- それぞれ
- それだから
- それだけ
- それっきり
- それで
- それでは
- それと
- それどころか
- それなのに
- それなり
- それに
- それにしても
- それは
- それほど
- それまで
- それまでに
- それも
- それゆえ
- そんだけ
関連語
近称(こ-) | 中称(そ-) | 遠称(あ-) | 不定称(ど-) | |
---|---|---|---|---|
指示代名詞 | これ [複数: これら] | それ [複数: それら] | あれ [複数: あれら] | どれ |
指示代名詞 | こいつ こちらさま |
そいつ そちらさま |
あいつ あちらさま |
どいつ どちらさま |
連体詞 | この | その | あの | どの |
場所 | ここ こっから |
そこ そっから |
あそこ |
どこ どっから |
方向 | こちら・こっち | そちら・そっち | あちら・あっち | どちら・どっち |
態様 | こう こんな こんくらい こんだけ |
そう そんな そんくらい そんだけ |
ああ あんな あんくらい あんだけ |
どう どんな どんくらい どんだけ |
翻訳
感動詞
それ
関連語
- それとばかりに
「それ」の例文・使い方・用例・文例
- 彼がそんなに急ぐにはそれなりの理由があった
- それは当初の見積もり額を超えている
- それは承服できない
- これが規則ですからそれに従って行動してください
- それで彼の行動の説明がつく
- 少年は具合が悪そうにしていたが,医師はそれが演技だと知っていた
- バターと砂糖を混ぜ合わせそれから卵を加えなさい
- 「それでもあなたの言っていることは信じられない」と彼は付け加えて言った
- それは私の問題だ,君には関係ない
- それが私が求めているものです
- それは彼女次第だよ.なんといっても彼女がそれの所有者なんだから
- その絵を買った10年後,それが偽物だとわかった
- パーティーでは行儀よくふるまいなさい.それから12時までには帰りなさいよ
- それは政治的課題だ
- それでも私は彼らより一歩先を行っている
- 私が言いたいのはそれだけだ
- 「また昼食時に会いましょうか」「私はそれで構わない」
- それは確かに美しい島だ
- 彼の講義はそれほど難しくはなかった
- 彼は私の誤りにそれとなくふれた
品詞の分類
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