『漫画ブリッコ』とその周辺とは? わかりやすく解説

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『漫画ブリッコ』とその周辺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 16:14 UTC 版)

ロリコン漫画」の記事における「『漫画ブリッコ』とその周辺」の解説

漫画ブリッコ」および「成人向け漫画#歴史」も参照 まんが批評集団「迷宮」関わりのあった村上知彦は、1982年3月発刊の『マンガ宝島』(JICC出版局月刊宝島臨時増刊号高取英編)に「ニューコミック派宣言」という記事寄稿した。この記事の中で村上1970年代後半「迷宮」コミケット中心に勃興したニューウェーブ運動」が、少女漫画三流劇画アニメ同人誌などの要素混然一体巻き込みながらロリコン漫画(=ポスト・ニューウェーブ・コミック)に移行した指摘しつつも、結局はその流れ少年誌ラブコメディ売り上げ奉仕させられているに過ぎないという現状憂慮記していた。 そうした状況のなか、ふゅーじょんぷろだくと編集部によるアンソロジーロリコン白書ロリコン同人誌ベスト集成』が1982年7月白夜書房から発売される内容同人誌紹介少女写真ルポルタージュ青山正明蛭児神建らの過去発表済み原稿など、雑多な記事寄せ集めたのだったが、ロリコンブーム後押しもあって同書は中ヒット記録したこれを契機として1982年9月藤脇邦夫企画三流劇画誌漫画ブリッコ』(セルフ出版白夜書房)が創刊される。 ほどなく同誌は先行誌『レモンピープル』の後を追って夢見る男の子のための美少女コミック誌!」をキャッチコピーに同誌は1983年5月号から突如ロリータ路線誌面刷新した。この過程で『漫画ブリッコ』は徳間書店契約編集者であった大塚英志オーツカ某)と『少女アリス』Peke』『ロリコン大全集編集人川本耕次と関係があった元ふゅーじょんぷろだくと編集部群雄社緒方源次郎(おぐゎた)を迎えた二頭体制となる。 さらに1983年6月号から中森明夫が『東京おとなクラブ』の出張版として「『おたく』の研究」を全3回にわたり連載し、同誌は「おたく」の語源として日本のサブカルチャー史に名を残すことになった(ただし中森連載読者から猛反発受けた結果大塚一存打ち切りとなる)。その後売上不振休刊決まっていた同年11月号より表紙三流劇画出身谷口敬から少女漫画風のあぽ(かがみあきら)に変更しアリス出版嘱託社員として勤務していた藤原カムイと、当時10代であった岡崎京子桜沢エリカ白倉由美ら3人の非少女漫画ニューウェーブ女性漫画家を雑誌主軸とした。結果としてリニューアル号は完売し雑誌存続決定する。 なお『漫画ブリッコ』では直接的実用的な性的描写よりも『シベール』の雰囲気受け継いだナンセンス色の強い不条理作品多く実際に計奈恵豊島ゆーさく早坂未紀森野うさぎら『シベール出身同人作家執筆陣として関わっていたほか、洋しのぶ、中田雅喜寄生虫早坂みけ、あびゅうきょいくたまき水縞とおる、西秋ぐりん、ちみもりを、ねぐら☆なお、外園昌也五藤加純、中森愛悶悶後藤寿庵竹熊健太郎飯田耕一郎ら「一人一派」とも言えるほどの個性的なニューウェーヴ作家多数起用されていた。言い換えれば、ここに「迷宮」関係者米沢嘉博川本耕次主導した三流劇画ブームニューウェーブ運動ロリコン漫画革命へと連なる表現運動としてのエロ漫画史の流れ確立したといえる(この潮流は「祭り時間終わった」という大塚英志終了宣言により雑誌を「自殺」させた1985年前後まで続いた)。 ちなみに大塚が『漫画ブリッコ』で唱導した「美少女コミック」とは、成人向け漫画というより「男性読める少女漫画的なもの」ないし「ちょっとエッチ可愛い女の子出てくる青少年向けのマニア雑誌」という位置づけ強く作り手18歳以下の未成年読者想定していた節があったため、必ずしもエロ要素必要条件ではなく美少女さえ出ていれば何をてもいい」という非常に自由で実験的な漫画ジャンルだったとされている(同誌の顛末については大塚英志『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』などに詳しい)。 以後1980年代前半から1990年代初頭にかけて 『月刊YOUNG KISS』(一水社) 『プチアップル・パイ』(徳間書店) 『COMICキュロットDX』(セルフ出版) 『漫画ブリッコ』→『漫画ホットミルク』→『コミックメガキューブ』→『コミックメガプラス』→『コミック0EX』→『コミックメガミルク』→『コミックホットミルク』(セルフ出版白夜書房コアマガジン) 『COMIC BOX Jr.』(ふゅーじょんぷろだくと) 『コミックマルガリータ』(笠倉出版社『PETITパンドラ』一水社) 『メロンCOMIC』(ビデオ出版) 『いけないCOMIC』(白夜書房) 『怪奇幻想 メディウム』(徳間書店) 『ペパーミントCOMIC』(日本出版社) 『アリスくらぶ』(群雄社大洋図書) 『月刊COMICロリポップ』(笠倉出版社) 『メルティ・レモン』(白泉社) 『ホリディCOMIC』(ミリオン出版) 『ロリポップ』(笠倉出版社) 『パンプキン』(白夜書房) 『COMICモモ』→『ロリコンKISS』→『月刊COMICロリタッチ』→『コミックBeat』(東京三世社) 『まんがチューリップ』→『コミックチューリップ』(大陸書房) 『美少女症候群』(ふゅーじょんぷろだくと) 『ハーフリータ』(松文館) 『いちごダイフク』(松文館) 『イチゴみるく』→『COMICポプリクラブ』(大洋書房晋遊舎マックス) 『リフレックス』(白夜書房) 『ペリカンハウス』(司書房) 『らずべりーヨーグルト』(蒼竜社) 『フェアリーダスト』(ABC出版) 『キャンディCOMIC』(日本出版社) 『コミックジャンボ』(桃園書房) 『COMICアットーテキ』(光彩書房) 『漫画ホットパンツ』(フロム出版) 『コットンクラブ』(東京三世社) 『COMICマンモスクラブ』(セブン新社) 『ヤングレモン』(あまとりあ社) 『月刊コミックフラミンゴ』(三和出版) 『COMICレモンクラブ』(日本出版社) 『漫画YOUNGビタミン』(辰巳出版) 『コミックランド』(大洋書房) 『COMICダッシュ』(辰巳出版) 『ヤングヒップ』(ワニマガジン社) 『COMICピーチパイ』(一水社) 『コミック花いちもんめ』(メディアックス) 『COMICパピポ』(フランス書院コミックハウス) といった模倣誌・亜流誌・類似誌・競合誌猛烈な勢いで産み出され、このムーブメントロリータ総合情報誌『ヘイ!バディー』(白夜書房)や川本耕次監修ロリコンHOUSE』(三和出版)の誌面にも大い反映された。たとえば前者では蛭児神建連載起用されたほか、ねぐら☆なおが商業誌デビュー果たしている。また後者では川めぐみが挿絵担当したほか、あらきあきら商業誌デビュー果たしたまた、この流れ受けて1980年頃から三流劇画誌ロリコン劇画に舵を切り、とくに三大エロ劇画誌のひとつ『漫画エロジェニカ』(海潮社)は中島史雄村祖俊一ダーティ松本谷口敬らを起用するなど、いち早く美少女路線移行する。これを口火として『漫画大快楽』(檸檬社)も内山亜紀谷口敬村祖俊一火野妖子五藤加純、牧村みき、小鈴ひろみ、西江ひろあきを起用し亀和田武米沢嘉博編集長務めた自販機専門三流劇画誌劇画アリス』(アリス出版迷宮)も吾妻ひでお『不条理日記』『るなてっく』を連載する以降三流劇画における女性キャラの年齢化が進み漫画エロス』(司書房)では丸尾末広の残酷劇画『少女椿』青林工藝舎)が連載され美少女特化した漫画エロリータ』『漫画聖少女』『漫画ロリータ』『劇画ロリコン』『劇画ジッパー』『コミックひろこ』といったロリコン劇画誌す出現するうになる。 これらのロリコン漫画誌・劇画誌は比較短命に終わる状況続いたが、現在では老舗エロ漫画誌の『COMICペンギンクラブ』『コミックMate』『COMIC快楽天』『コミックマショウ』『COMIC LO』『コミックホットミルク』などがロリコン漫画美少女コミック血脈引き継いでいる。 「コミックハウス」も参照

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