森野うさぎとは? わかりやすく解説

森野うさぎ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 13:41 UTC 版)

森野うさぎ
職業 漫画家イラストレーターキャラクターデザイナー
活動期間 1980年 -
ジャンル 成年向け漫画デザイナー
公式サイト うさぎ幼稚園
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森野 うさぎ(もりの うさぎ)は、日本漫画家イラストレーターキャラクターデザイナー同人作家。日本初のロリコン漫画同人誌シベール』メンバー。クリエーター集団『いちごはうす』の一員。特撮テレビドラマ『光戦隊マスクマン』やテレビアニメ『おやゆび姫物語』のキャラクターデザインとしても知られる。主に成人向け漫画で活動している。また、影夢 優(えいむ ゆう)名義でも、成人向け漫画を発表している。

概要

現在の萌え属性につながる「ぷにロリ」の元祖的存在[1]あさりよしとおふじたゆきひさらが参画した同人サークル「スタジオ・アオーク」主宰[2]。同人サークル「うさぎ幼稚園」主宰[注釈 1]

コミケ参加当初は同人誌経験もない高校生だったが[3]まんが画廊のノートにINUのファンである事を記載した際、その場にいたINUにスカウトされる形で『シベール』に参加する[4]。その後INUとともに企画した「機動玩具コエダ」をきっかけに企画者104の下請けも行っていた「スタジオメルファン」に入社。ファンタジー専門同人誌「アスケロン」などを企画後「メカと少女」をテーマにした先駆的なロリコンSF漫画同人誌『TEKUNO RORIA』(STUDIO BAKI)を豊島ゆーさくらと創刊し[4]、二大ロリコン漫画誌『レモンピープル』『漫画ブリッコ』でも活躍する。

森野うさぎ主宰の「STUDIO BAKI」は、後に壁サークルとなるクリエイティブ集団「スタジオ・アオーク」[2]に発展する。スタジオ・アオークは同人アニメ『AWAKE』を自主制作するため1984年に結成された同人サークルで[4]、『AWAKE』[注釈 2]の製作を主軸にその資金稼ぎ[4]として同人誌以外に『漫画ブリッコ』誌上でメディアミックスも展開し、第2次ロリコン商業誌ブームの嚆矢となる[5]

さらに1985年には活動拠点であった白夜書房を製作母体に大塚英志原案のアダルトアニメ魔法のルージュ りっぷ☆すてぃっく』の企画制作も行なった[2]

編集者の池本浩一はサークル主宰者の森野うさぎについて「彼こそが、それまで夢のまた夢のように思われてきた『同人誌の商業化』という概念をモデル化し、また初めての実証実験にも成功して、のちに〈まんがの森商法〉とも呼ばれるようになる『同人誌リンケージによる複合的な利潤追求』を完成させてしまった第一人者。彼の活躍がなかったなら『販売活動を重視したサークルによる同人誌制作』が全盛となることもなかった」と評している[5][注釈 3]

他にテレビアニメおやゆび姫物語』(テレビ東京)のキャラクターデザインや、スーパー戦隊シリーズ光戦隊マスクマン』『超獣戦隊ライブマン』や宇宙刑事シリーズ宇宙刑事ギャバン』『宇宙刑事シャリバン』の怪人デザインなども担当した。

1980年代に頒布した主なロリコン同人誌に『ま』『ん』『GSPOT』『ZZ』『XSEED』[6]『学習漫画・保健4・女体のひみつ』[7]などがある。

「スタジオ・アオーク」解消後は同人サークル「SYSTEM GZZY」に移行し、1990年から近親相姦をテーマにした代表作『遊裸戯』シリーズ(影夢優名義)を発表、阿島俊は「このまま予定通り、91年中に完結したら、ちゃんとエロチシズムと少女をテーマにした「作品」が、おそらく初めて同人誌界に誕生することになるだろう」と評した[8]

スタジオ・アオーク

スタジオ・アオークは同人アニメ『AWAKE』を自主制作することを目的に1984年に結成された同人サークル[4]。主なメンバーに森野うさぎ、I.N.U、あさりよしとお来留間慎一、ふじたゆきひさ[注釈 4]、くあTERO[注釈 5]がいた[9]

『AWAKE』は1984年8月16・17日に杉並公会堂で開催された第3回特撮大会(通称:ウル祭III)で上映されたオープニングアニメのこと。1981年大阪で開催された第20回日本SF大会(通称:DAICON 3)開会式で流れた短編アニメーション作品『DAICON III OPENING ANIMATION』に触発されて自主制作された。その後、ビデオ発売に向けて予約をとったものの遅れに遅れ、3年後の1987年に『VIDEO AWAKE』(発売元:STUDIO AWAKE)としてようやくVHSソフト化された。収録作品はオリジナル版『アオーク』、改訂版『アオーク改』、実写作品『宇宙刑事オバノン』、最新作『オーパーツ・オーマン』の4本。ちなみに少女役の声優本多知恵子が務めた。

作品リスト

キャラクターデザイン

単行本

一般作品

成人向け作品(森野うさぎ名義)

成人向け作品(影夢優名義)

成人向け同人誌

  • シベール
  • WHITE CYBELE
  • 『TEKUNO RORIA』
  • 『ロリポップ』
  • 『AWAKE(アオーク)ほとんど完全設定集』
  • 先っちょマガジン『ん』
  • 『XSEED』
  • 『あいらぶみんきーもも』
  • 『学習漫画 保健4 女体のひみつ』
  • 『O・MAN OVER TECHNOLOGY OUTSIDE BUILD SUIT』
  • 『うさぎは月夜に夢を見るのか?! セーラームーンマガジン』
  • おやゆび姫物語
  • 毒どく
  • 『遊裸戯』シリーズ
  • 『ユミちゃん ほんとうにあぶないよ』
  • 『PUSH2』シリーズ
  • 『LITTLE RED 赤ずきんチャチャ』
  • 『はずみぐるま』シリーズ
  • 『恍惚都市』
  • 他多数

イラスト

  • カードゲーム『天下布武かあどげえむ ゴジラ 対 地球防衛軍』(天下布武)イラスト全般
  • カードゲーム『制服美少女かあどげえむしりいず 女子高生制服遊戯見聞録 東京編』(アオーク)イラスト全般

その他

  • 特撮雑誌『宇宙船』1984年冬号(Vol.17)にて特撮についてのイラストコラムを描いた。

脚注

注釈

  1. ^ http://www.usagimix.com/
  2. ^ http://www.burikko.net/people/awake02.html
  3. ^ 計奈恵証言によれば「同人誌の商業化」という指針は『シベール』の頃から沖由佳雄がすでに意識していたという。
  4. ^ プラモのモ子ちゃんで有名。
  5. ^ レモンピープル』の読者欄を担当していた。

出典

  1. ^ ミルキィ★ボックス - マンガ図書館Z
  2. ^ a b c 漫画ブリッコの世界 - アオーク(AWAKE)について 2013年12月16日
  3. ^ 蛭児神建(元)『出家日記―ある「おたく」の生涯』の中「吾妻ひでおとの出会い」角川書店 2005年11月 pp.46-52
  4. ^ a b c d e 米沢嘉博、森野うさぎ「同人漫画家インタビュー 森野うさぎ」『同人漫画大百科』辰巳出版、1992年10月 115頁。
  5. ^ a b 池本浩一「なつかしの業界ケンカ史─ブリッコ盛衰記(1)」日本出版社『レモンクラブ』1991年8月号,177頁
  6. ^ 米沢嘉博、森野うさぎ「同人漫画家インタビュー 森野うさぎ」『同人漫画大百科』辰巳出版、1992年10月 114-117頁。
  7. ^ 高月靖『ロリコン―日本の少女嗜好者たちとその世界』バジリコ、東京、2009年10月7日、155頁。ISBN 978-4-86238-151-4
  8. ^ 阿島俊『漫画同人誌エトセトラ'82〜'98 状況論とレビューで読むおたく史』久保書店 2004年9月 pp.183-184「第93回/エロスの行方を求めて…」(1991年3月)
  9. ^ 阿島俊『漫画同人誌エトセトラ'82〜'98 状況論とレビューで読むおたく史』久保書店 2004年9月 pp.77-78「第29回/老舗の今にロリコン同人誌を探る!」(1985年6月)

外部リンク


森野うさぎ(もりの うさぎ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/10 09:55 UTC 版)

いちごはうす」の記事における「森野うさぎ(もりの うさぎ)」の解説

漫画家イラストレーター。別名に影夢・優など。キャラクターデザイナーとしては『おやゆび姫物語』などが代表作として挙げられる東映特撮では前出作品以外に「宇宙刑事シリーズ」などに携わっていたという経歴持っており、この時出来た伝手が『マスクマン参加繋がったとされる。なお、森野手掛けたデザイン中には本人のものと合わせて「GZZY」とサイン付記されものもいくつか存在するが、新貝によればこれは当時森野事務所もしくはサークルの名前とのことであり、森野単独のものと他の人物作業に関わったものとでサイン使い分けていたのではないか考えられている。

※この「森野うさぎ(もりの うさぎ)」の解説は、「いちごはうす」の解説の一部です。
「森野うさぎ(もりの うさぎ)」を含む「いちごはうす」の記事については、「いちごはうす」の概要を参照ください。

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