「SL銀河」用旅客車とは? わかりやすく解説

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「SL銀河」用旅客車(700番台)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 10:27 UTC 版)

JR北海道キハ141系気動車」の記事における「「SL銀河」用旅客車(700番台)」の解説

東日本旅客鉄道JR東日本)では、2014年平成26年)に動態復元され蒸気機関車C58 239使用したSL列車SL銀河」を、同年春から釜石線運行することになった。だが、機関車単機では釜石線陸中大橋駅 - 足ヶ瀬駅の上勾配区間での走行が困難であることから、札沼線電化に伴い余剰となったキハ141系のうち4両(キハ142-201、キハ143-155、キサハ144-101、キサハ144-103)をJR北海道から購入し動力装置残したまま専用客車に再改造して使用することが決定した該当の4両は2012年平成24年11月26日から28日にかけて、改造先の郡山総合車両センターのある郡山駅へと輸送され同年11月28日付で車籍を抹消されて、2014年平成26年1月23日付で盛岡車両センター配置され、同24日改造完了、同25日郡山総合車両センター出場した車番ジョイフルトレイン用いられている700番台改められた(改番照合表を参照)。JR東日本ではこの型式を「動力付き客車」という意味で「旅客車」と呼んでいる。 運転室保安装置JR東日本向け取り替えられ、ATS-SNからATS-Psに変更追加装備された。また、防護無線装置デジタル無線導入した花巻先頭車キハ142-701と釜石先頭車キハ143-701の前面左側には、従来の他系列併結する際に使用される制御補助回路用の2つジャンパ栓からC58形動輪の軸温を監視検知するためのKE100形ジャンパ栓変更されC58形との連結の際に連結してキハ143-701に設置され業務用室でパソコンによる軸温の監視を行う。なお、キハ143-701側の連結器密着自動連結器のままである釜石線での勾配区間では、運転士機関車の他に本車の運転室にも乗務させて、乗務員列車無線連絡取り合いながら動力協調運転を行うため、キハ142-701とキハ143-701の運転室には、ATS切替連動スイッチSL補機スイッチが運転室右側に、正面計器パネルの上部にSL補機表示灯設置されており、この2つスイッチオンにすることにより、先頭機関車ATS電源オン牽引される本車ATS電源オフの状態でも、上述のKE100形ジャンパ栓機関車連結している場合のみ、本車主幹制御器によるノッチ進段が可能となり、動力協調運転ができるようになっているブレーキ装置従来自動空気ブレーキ使用しており、機関車自動ブレーキ弁自弁)により、引通されるブレーキを介して本車ブレーキ制御が可能であるため、本車ブレーキ弁をブレーキハンドルを取り外した抜取位置の状態にして、運転士によるブレーキ操作行わないようになっているエンジンおよび変速機JR東日本標準タイプのものに換装されており、キハ142-701にはDMF13HZE形 (300PS) を2基、キハ143-701にはDMF13HZD形 (450PS) を1基を搭載して変速機は両車ともDW14A-B形を装備している。また、キハ143-701とキサハ144-701・702には発電用エンジン搭載しており、各車に冷房用の電源給電しているが、キハ142-701だけは1基の走行エンジン発電機取付けて、自車に冷房用の電源給電している。 編成指定席車およびオープンスペースからなるキハ142-701を除く3両は、花巻方の客室扉が撤去され、各車片側1箇所ずつの配置となっており、定員は180名となっている。また、側窓は陸中大橋駅 - 足ヶ瀬駅長大トンネル通過の際に車内に煙が侵入しないよう、従来二重窓残している。 内外装デザインは、宮沢賢治童話銀河鉄道の夜」と「東北文化自然・風景通してイマジネーションの旅」をコンセプトとしている。デザインプロデュースは、奥山清行代表のKEN OKUYAMA DESIGN担当した外装は「銀河鉄道の夜」をイメージしており、4両ごとに半分ずつ、それぞれ異な濃度色合い用いたグラデーションになっている。これは「夜が明け、朝へと変わりゆく空」を表現したものであり、花巻寄り1号車先端明る青色で、釜石寄りに進むにつれて色調濃くなり、4号車先端濃紺色になっているまた、それぞれ星座動物1号車さそり座2号車いて座3号車わし座4号車はくちょう座)をシンボル化しているが、シンボル化され星座真鍮による別貼り式となっており、「SL銀河」のロゴ含めて立体感演出している。 客室内装宮沢賢治生きた大正・昭和世界観イメージして、「東北文化、自然、風景通してイマジネーションの旅へ」をデザインコンセプトに、床面側壁木目調とし、通路には赤いじゅうたんが敷かれており、南部鉄器風の荷棚ステンドグラス風の飾り照明ガス灯ランプ採用して宮沢賢治生きた大正から昭和イメージしている。ボックス席には星座モチーフにしたパーティション区切られており、ブラインドカーテン替えるなど個室のような印象あたえており、非日常空間提供する。オプショナルコンテンツとして、1号車から4号車にかけて、それぞれ宮沢賢治に関する資料展示したギャラリー設置4号車オープンスペース車として、車椅子対応のバリアフリートイレ売店ラウンジ設置している。指定座席1号車4号車の半室と2号車3号車の全室の約180席を用意し1号車運転台側には月と星ミュージアム後方定員6名程度プラネタリウム室があり、設置されている小型プラネタリウム用いて10分間オリジナルプログラム銀河鉄道の夜」が上映されるキハ142-701のみ種車非冷房車であったため冷房改造工事行っている。また、キサハ144-702は種車座席撤去して新規に高速バス等採用されている汚物タンク便器一体型汚物タンク床上設置)のトイレ改造しキハ143-701については種車和式便所撤去し種車循環式汚物処理装置再利用したバリアフリー対応トイレ改造された。 種車製造から40年経過して老朽化顕著になったことから、2021令和3)年11月19日2023令和5)年春をもって引退することが決定した改番照合形式車両番号種車改造落成廃車キハ142形キハ142-701 キハ142-201 郡山総合車両センター 2014年0123日 キハ143形キハ143-701 キハ143-155 キサハ144形キサハ144-701 キサハ144-101 キサハ144-702 キサハ144-103

※この「「SL銀河」用旅客車(700番台)」の解説は、「JR北海道キハ141系気動車」の解説の一部です。
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