オリエントとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 日本語表現辞典 >  オリエントの意味・解説 

orient

別表記:オリエント

「orient」とは、東洋アジア諸国真珠・光沢東方の・良質の・東向きにする・一定方向合わせるなどのことを意味する英語表現である。

「orient」とは・「orient」の意味

「orient」は「the Orient」の形で、「地中海以東を指す東洋東方諸国東部アジア諸国」を表す名詞として使われるまた、「orient」は、「アジアの上質な真珠真珠光沢」を表す可算名詞でもある。そして、形容詞として用いられることもあり、「東方の、東洋の」「光り輝く良質の」「(太陽が)昇る」という意味がある

「orient」を動詞として使うときは、「方向づける」「正し位置に置く」という意味で使われる。まず、語源東方を表す「oriens」にあることから、「建物教会東向き建てる」という意味をもっている。また、「人や物を一定方向に向ける」という意味で使われるその場合は、「orient」に副詞towardなどの前置詞名詞続けることで表現できる

「orient」は、「人の関心注意を向ける」「活動の目標を向ける」という意味でも使われる。ほかにも「正し方向に向ける」という意味が発展して、「新し環境適応させる慣れる」という意味や「(道に迷わないように)磁石などで位置確認する」という意味もある。「orient」はtotoward前置詞を伴うことが多い。また、受動態の形がよく用いられる

「orient」の語源・由来

「orient」の語源は、太陽昇るという意味をもつラテン語の「oriri」の現在分詞形「oriens」にある。「oriens」は太陽昇る場所、東方意味している。そのため、「orient」は東方東部アジア諸国を表す言葉となった。「orient and occident」で東西を表す言葉として用いことがある

現在、方角基準は北になっている。しかし、昔の人々は、太陽昇る東の方角を北よりも重要な方角としていた。そのため、教会建てるとき祭壇は東に設置された。東を拠点とすると、西や北、南の方角定まってくる。そこで、「orient」は方向づけるという意味の動詞としても使われるようになった

方向づけをするという意味の「orientation」や、地図コンパスだけを頼りゴールまで行き目的地到着した時間競うorienteering」の語源も同じである。

「orient」の使い方・例文

「〜oriented」の形は、「〜向けの、〜優先の」という意味である。また、新し環境などに慣れる、順応する」「自分位置確認する」という意味で「orient」を使う場合は、「orient oneself」という形がとられる

・The building is oriented east.(その建物東向き建てられている。)
・The house is oriented toward the south.(その家は南向き建てられている。)
She is not academically oriented.(彼女は学問関心向けていない。)
・The audiences at his lectures are oriented toward environmental issues.(彼の講義受講者環境問題重要視している。)
・This course is oriented toward freshmen.(このコース新入生向けである。)
・The Japanese are group-oriented.(日本人集団意識が高い。)
This is a youth-oriented movie.(これは若者向け映画である。)
There are many magazines oriented to traveling.(多く旅行者向けの雑誌がある。)
・In this program new students are oriented to campus life.(このプログラム新入生大学生活慣れる。)
・The dean of students tries to orient the freshmen.(学生部長は新入生順応させようとする。)
・I need some time to orient my thinking.(考え方適応させるのに少し時間必要だ。)
・He made a great effort to orient himself to life in a city.(彼はその都市での生活に順応するためにとても努力した。)
・We couldn’t orient ourselves in the high-rise area.(私たち高層ビル街で自分たちの位置が分からなくなった。)
I pray in the morning because prayer is how I want to orient myself in the world.(私は朝に祈ります祈りは、私が世の中自分方向付けるものだから。)
・They oriented themselves on the map before moving on.(彼らは前進する前に地図見て自分たちの位置確認した。)
・We had to orient ourselves by the road signs we passed.(私たち通過する道路標識方向決めなければならなかった。)
・The map helped me to orient myself.(地図自分位置確かめるのに役立った。)
The music has the exotic flavor of the Orient.(その音楽には東洋エキゾチックな趣がある。)
・He was interested in the mysteries of the Orient.(彼は東洋神秘に興味をもっていた。)

オリエント【Orient】

読み方:おりえんと

[一]東方国々東洋東方。⇔オクシデント

[二]メソポタミアおよびエジプト中心とする地方地中海以東インダス川以西をいう。また特に、トルコ・アラブをさす。

「オリエント」に似た言葉

オリエント 【Orient】

原語ラテン語のoriens〈昇る〉で、日の昇る所、すなわち東方をいい、日の没する西方オクシデントOccident)に対す言葉だった。ローマ時代には帝国内での東部、または帝国外の東方指して使われたが、だんだん異質文化東方世界をいうようになり、それはビザンチン帝国東ローマ帝国)であり、次いでイスラム世界意味したその後欧州人地理知識拡大に伴い、オリエントの範囲広がりインドから中国・日本まで含まれるようになった狭義にはメソポタミア地方を指す。

オリエント

作者テッフィ

収載図書テッフィ短編集
出版社津軽書房
刊行年月2006.9


オリエント

作者はやみかつとし

収載図書未来妖怪異形コレクション
出版社光文社
刊行年月2008.7
シリーズ名光文社文庫


オリエント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/05 23:54 UTC 版)

緑色アジアを示した地図。広義の東洋

オリエント (Orient) は、広義では、ある地域から見て東方にある世界のこと。狭義では、古代ローマから見て東方にある世界のこと。日本で「オリエント」というときは、特に中東の「古代オリエント」を指すことが多い。

概念の形成

欧米では東西の世界にそれぞれオリエントとオクシデント (Occident) の表現を用いることがある[1]。イースト (east) とウエスト (west)、オリエントとオクシデントはいずれも方向を指し示すもので、ラテン語であり、もとはギリシャ語からきている[1]。「オリエント」の語源ラテン語で「が昇る方角」(=東)を意味するオリエンス (Oriens) である。英語のイーストやドイツ語のオスト (ost) などはギリシア神話エオス女神)に由来する[1]

広義の「東方」という意味の「オリエント」は、「ウルグアイ東方共和国」 (República Oriental del Uruguay) などの地名にもみられる。

ヨーロッパではイースト、オリエント、アジアといった概念が「ヨーロッパ以外のもの」に対する概念として形成されるなど、これらの内容は本来的に千差万別で国や何に焦点を当てた議論かによって一律ではない[1]

オックスフォード大学では、オリエント研究が学部名称となっているが、その研究対象には中近東から日本まで全アジア地域を含む[1]。一方で香港1954年に創刊された雑誌『ジャーナル・オブ・オリエンタル・スタディーズノルウェー語版』の研究対象は東アジア東南アジアでもっぱらユーラシア大陸の東端地域である[1]

歴史的にはユーラシア大陸の西端と東端に数千年にわたるふたつの文化圏が存在し、現代日本語では二つの文化圏西洋東洋という概念で表現する[1]。一方、中国では歴史学の東西比較研究がテーマとなる場合、西洋と東洋という表現の代わりに西方と東方と表現する[1]。オリエントとオクシデントはヨーロッパで、東洋と西洋は日本で形成され、本来は全く関係ない独立した思考概念であるが、東洋はオリエントに相当する語として捉えられている[1]

色々な概念が混ざって複雑な欧米語とは違って、日本語で「オリエント」というときは、歴史的用語で古代エジプト古代メソポタミアを含み、さらにトルコパレスチナペルシアイラン)まで広がる「古代オリエント」を指すのが普通である。「オリエント学」も参照。いまの「中東」の領域ともだいぶ重なる。ここは、世界最古の文明が起こった歴史的にも重要な地域である。

オリエント

「オリエンタリズム」はもともとナポレオンによるエジプト遠征さなかのフランスで生れた言葉で、当初は、フランスを筆頭とするヨーロッパ諸国におけるオリエント諸語の学術研究を意味していた[2]

また、19世紀半ばには、近東を描く絵画がヨーロッパで流行し、その芸術潮流を指して「オリエンタリズム」と呼んだ[2]

1978年、エドワード・サイードが著書『オリエンタリズム』を発表[1]。サイードは、西洋にとってオリエントのイメージは、異質な文明という先入観に基づいた西洋人の幻想、偏見の対象となっていると批判し、これを「オリエンタリズム」と呼んだ。ただしサイードが『オリエンタリズム』で取り上げているのは中近東のイスラム世界であり中国や日本は入っていない[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k 佐藤正幸. “明治初期の英語導入に伴う日本語概念表記の変容に関する研究”. 山梨県立大学. 2020年1月18日閲覧。
  2. ^ a b 杉本淑彦. “多様なオリエンタリズム”. 帝国書院. 2020年1月18日閲覧。

関連項目


オリエント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 11:47 UTC 版)

紀元前100年」の記事における「オリエント」の解説

アルメニア王国ティグラネス2世大王)が「70の谷」の割譲引き替えに、パルティアによってアルメニア王擁立される。 第二正典となるマカバイ記1巻2巻執筆される。

※この「オリエント」の解説は、「紀元前100年」の解説の一部です。
「オリエント」を含む「紀元前100年」の記事については、「紀元前100年」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「 オリエント」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「 オリエント」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「 オリエント」の関連用語

 オリエントのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



 オリエントのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
実用日本語表現辞典実用日本語表現辞典
Copyright © 2024実用日本語表現辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
中経出版中経出版
Copyright (C) 2024 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオリエント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの紀元前100年 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS