おんしつこうか‐ガス〔ヲンシツカウクワ‐〕【温室効果ガス】
温室効果ガス(おんしつこうかがす)
地球は太陽光線を受け、赤外線を宇宙空間へ放射している。このとき、温室効果ガスは地球が放射する赤外線を吸収し、逃げ出そうとしている熱を温室のように閉じ込める。
温室効果ガスには、水蒸気、二酸化炭素 (CO2)、メタン、窒素酸化物、フロンなどがある。これらは地球を温暖化させる作用があるため、温暖化ガスとも呼ばれている。特に、二酸化炭素とメタンは、産業社会を中心とする人間活動の活性化によって、近年では増加傾向にある。
地球を布団のようなもので包み込む温室効果は、布団をかけなければ氷点下18度となっていた地球の表面温度を15度まで引き上げていると考えられている。温室効果ガスの増加にともなって、世界の平均気温は100年の間に0.6度の割合で上昇していることが明らかにされた。
地球の温暖化は、海面の上昇などの深刻な環境問題を引き起こす。このような問題は世界規模で取り組むべき課題であることから、温室効果ガスの排出削減ついては「京都議定書」がまとまっている。
(2001.07.13更新)
温室効果ガス
地球から宇宙への赤外放射エネルギーを大気中で吸収して熱に変え、地球の気温を上昇(地球温暖化)させる効果を有する気体の総称。代表的なものに二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)等がある。これらの排出には人間の生活・生産活動が大きく関与しており、我が国では、農林水産業分野からの排出量(CO2換算)は、国内の全排出量の4.7%(15年度)を占める。
温室効果ガス (おんしつこうか-)
温室効果ガス
太陽から地球に照射されている光の大部分は、地上でいったん吸収されたのち、赤外線(熱線)に波長を変えて再度放出される。もし地球に大気がなければ、この赤外線はすべて宇宙に出ていくために、地上はマイナス18℃まで寒くなってしまうといわれている。ところが、大気中のある種のガスは、太陽からの光はそのまま通過させるが、地上から宇宙にもどる赤外線は吸収してしまう性質をもっている。このようなガスを温室効果ガス(または温暖化ガス)と呼ぶ。その代表的なものとして、二酸化炭素やメタンがある。これらのガス濃度が人間活動により極端に上昇するならば、地表の温度が上がることにもなる。
参照 気候温暖化温室効果ガス
温室効果ガス
温室効果ガス (おんしつこうかがす)
温室効果ガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/04 08:40 UTC 版)
英: greenhouse gas、GHG)とは、大気圏にあって、地表から放射された赤外線の一部を吸収することにより、温室効果をもたらす気体のことである[3]。水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなどが温室効果ガスに該当する[3][4][5]。近年、大気中の濃度を増しているものもあり、地球温暖化の主な原因とされている。
(おんしつこうかガス、注釈
- ^ 字義的には「地球温暖化(潜在)能力」を意味する。
出典
- ^ “Annual Greenhouse Gas Index (AGGI)”. Global Monitoring Laboratory. 2021年10月23日閲覧。
- ^ “海洋の温室効果ガス”. 気象庁. 2021年10月23日閲覧。
- ^ a b 小倉 2016, p. 119.
- ^ 小倉 2016, p. 279.
- ^ “温室効果ガスの種類”. 気象庁. 2019年12月11日閲覧。
- ^ https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p04.html 気象庁
- ^ http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2015/11/26-22673.html 化学工業日報
- ^ “温暖化の科学 Q9 水蒸気の温室効果 - ココが知りたい地球温暖化”. 地球環境研究センター (2014年4月9日). 2023年11月13日閲覧。
- ^ a b “地球温暖化対策の推進に関する法律施行令(平成十一年政令第百四十三号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2016年5月27日). 2020年1月25日閲覧。 “2016年5月27日施行分”
- ^ オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正 新旧対照 外務省(2019年2月27日) (PDF)
- ^ “地球温暖化対策の推進に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)に対する意見の募集(パブリックコメント)の実施結果について”. 環境省 (2015年3月27日). 2023年11月13日閲覧。
- ^ Warwick, Nicola; Griffiths, Paul; Keeble, James; Archibald, Alexander; John, Pile (8 April 2022). Atmospheric implications of increased hydrogen use (Report). UK Department for Business, Energy & Industrial Strategy (BEIS).
- ^ “水素が地球温暖化を加速する可能性”. 国際環境経済研究所 (2022年7月4日). 2022年10月17日閲覧。
- ^ “UK government study estimates global warming potential of hydrogen”. dieselnet (2022年4月29日). 2022年10月17日閲覧。
- ^ “Climate Watch”. Climate Watch. 2022年11月13日閲覧。
- ^ “Climate Watch”. Climate Watch. 2022年11月13日閲覧。
- ^ 我が国の温室効果ガス排出量 (環境省)
- ^ 東日本大震災による電力危機
- ^ “環境省_温室効果ガス排出・吸収量算定結果”. www.env.go.jp. 2022年6月2日閲覧。
- ^ “日本のメタンの発生源はなにか。世界との違いは?”. すぐ活かせる環境情報. 2022年6月2日閲覧。
- 1 温室効果ガスとは
- 2 温室効果ガスの概要
- 3 脚注
温室効果ガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 00:36 UTC 版)
植物性の食品の生産は、動物性の食品と比較すると温室効果ガス排出量は49%少ない。 ウシなどの反芻動物は消化の際にCO2の20倍以上の温室効果を持つメタンガスを大量に排出している。 しかし、実際には、農業排出区分から水田だけを対象にした米国環境保護庁(EPA)の報告書で、水田(稲作)のメタン放出量は年間6,000万から1億7,000万トンであり、家畜からのメタン発生量は年間6,500万から8,500万トンと推定される。 なお、ウシなどの反芻動物が消化の際に排出するメタンガスの日本国内の年間排出量は、国内の温室効果ガスの年間排出量(二酸化炭素換算)の約0.5%ほどの微量である。
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温室効果ガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:27 UTC 版)
アルコール燃料経済への転換の長所のうちの一つで、そしておそらくもっとも重要なものは温室効果ガスである二酸化炭素の総排出量の低減である。エタノールの製造と消費でCO2を放出したとしても、植物が吸収するであろう。対照的に、化石燃料の燃焼ではアルコール燃料の場合のような受け皿無しに、膨大な量の"新たな"CO2が大気中に放出される。 言うまでもないが、この長所は農業生産エタノールについてのみ生じ、石油から転換されるエタノールの場合は生じない。そして、ほんのわずかではあるがコストが小さいため、工業的に消費されるアルコールの大部分を占めるのは、天然ガス由来のアルコールである。農業生産エタノールへの転換のためのコストを総計する場合には、この点を評価に入れるべきである。
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温室効果ガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 09:30 UTC 版)
温室効果ガスは、主に二酸化炭素、メタン、代替フロンなどのことである。これら温室効果ガスは、太陽から流入する可視光の日射エネルギーを透過させて地表面を暖め、地表から放射される波長の長い赤外線を吸収しやすい性質を有している(温室効果)。そのため温室効果ガスが増加すると、地球に入る太陽放射エネルギーと地球から出る地球放射エネルギーとのバランスが崩れ、バランスが取れるようになるまで気温が上昇し、地球温暖化が進むと考えられている。 実際、温室効果ガスは現在の地球を平均約14℃の「温室」状態に保っており、それが存在しなければ地球の温度は現在よりも約30℃低くなり、高等な生物が存在することが不可能になると考えられている。 温室効果ガスごとに地球温暖化への影響力は異なり、放射強制力で表される。二酸化炭素やメタンは環境中での寿命が長く影響力も大きいとされる一方、水蒸気のように相反する効果を併せ持つものもある。 水蒸気とオゾンを除いたほぼすべての温室効果ガスは、炭素原子を含む物質であり、温室効果ガスの濃度を考える上で、地球上での炭素循環のシステムを理解することが重要とされる。また複数の温室効果ガスを合算して取り扱う際は、二酸化炭素または炭素の量に換算する場合が多い。
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温室効果ガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 20:16 UTC 版)
メタンは強力な温室効果ガスでもあり、同量の二酸化炭素の21〜72倍の温室効果をもたらすとされている。2021年開催の第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)ではメタン排出削減を目指す国際枠組みが発足した。天然ガス・石油施設や炭鉱といった大きなメタン排出源は人工衛星からの観測で特定できるようになっている。 産業革命以来、人工的な温暖化ガスの排出量が急激に増加しており、地球温暖化が加速度的に進行していることが国際的な社会問題となっている。気象庁の温室効果ガス世界資料センターによると、地球の大気における平均メタン濃度は2020年に1889ppbで、産業革命前の2.6倍に増えた。 火山ガスであるメタンは、世界最大の火山帯である日本列島および近海から常に大量に放出され続けていることに加え、気温が上昇すれば海底や永久凍土中のメタンハイドレートが放出されることも懸念されるため、日本は積極的にメタンやメタンハイドレートを開発し、燃焼させるべきだとする意見もある。 ロシアなどでは古くから天然ガスとして盛んにガス田の開発が行われてきた。ガスはガス田から消費地に向けてパイプライン輸送されるが、施設の老朽化によりガスが大量に大気中に漏出しているものとみられている。ロシアは漏出量を2019年時点で年間400万トンとしているが、国際エネルギー機関では2020年に1400万トン近くが漏出したと推計している。2021年にはタタールスタン共和国において、1時間当たり400トンに及ぶメタンガスがパイプラインから漏出していることが人工衛星のデータにより確認されている。 国連環境計画(UNEP)が2021年5月に公表した『世界メタン評価』によれば、人類による排出で最も多いのは農畜産分野(40%)で、化石燃料分野(35%)、ゴミ・排水処理など廃棄物分野(20%)が続き、排出削減の必要性を訴えている。牛など、草食動物のげっぷにはメタンが含まれ、その糞からもメタンが発生するため、牛が増えるとメタンガスも増えて温室効果を助長するという説が広まり、大量の牛肉を使用・廃棄しているハンバーガー販売企業がバッシングされる事態も発生した。人口の10倍以上の家畜を抱える酪農国のニュージーランドでは、羊や牛のげっぷを抑制するという温暖化対策を進めようとしたが、農民の反対を受けている。畜産はメタンガスの21%(げっぷ16%・糞尿5%)を排出していると言われている。日本の農研機構は牛の胃から、牛のエネルギー源となるプロピオン酸を多く産生してメタン発生量を抑える細菌を発見し、この菌を増やす飼料やサプリメント化を研究している。家畜排せつ物から発生するメタンは大気中に放出されれば温室効果ガスであるが、一方で発生したメタンを回収し、燃料や発電として利用すればカーボンニュートラルなバイオガスエネルギー、バイオマス資源となる。 酸素が乏しい湛水状態の水田では、気温の高い日が続くと土壌の還元が進みメタン生成菌が活性化し有機物を分解することにメタンガスが発生する。この現象は「わき」と呼ばれる。発生した土中のメタンは稲の根から吸い上げられて稲の茎を通して大気中に排出される。また、この現象は水稲の根の成長を妨げるため、「わき」を抑制するために古くから水田の水を抜き、土中に酸素を供給する中干しとい作業が行われる。この中干しは慣行では茎数が有効茎数の 8~9 割に到達した時点で1週間~10日程度行われるが、その期間を1週間程度前倒しし、中干しの期間を長くすることでメタンの発生を抑えられる。実験では1週間程度延長した場合メタンの発生を30%削減できた。しかし、中干しを長くすると収穫量が3%程度減少した、一方で登熟歩合(全籾数に対する登熟した籾数の割合)は向上し、米の品質は向上した。 メタンは大気中の寿命が約12年(時定数)で排出量の63.2%は分解され、分解量を超過する分が濃度上昇に反映される。このため、排出削減をすれば大気濃度がすぐに減少する。
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温室効果ガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/16 06:06 UTC 版)
NF3 は温室効果ガスの一種だが、使用量が少ないため、SF6 やパーフルオロカーボンと比較して地球の大気に対する環境に与える影響は小さいと言われてきた。NF3の地球温暖化係数(GWP)はCO2の17,200倍である。NF3 の温室効果ガスとしての寿命は740年である。NF3 は排出量が少ないとして、京都議定書で定められた温室効果ガスには含まれていない。GWP 16,800、寿命 550年とする報告もある。 1992年までの生産量は100トンに達していなかったが、2007年の生産量は4000トンに上ると見られており、使用量は増加傾向にある。2010年の全世界での生産量は8000トンになると見られている。大気中の蓄積量は2006年には4200トン、2008年には5400トンに上ると見られている。2008年時点での温室ガスとしての影響は、二酸化炭素の0.15%にすぎない。
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温室効果ガス
出典:『Wiktionary』 (2021/12/12 12:42 UTC 版)
この単語の漢字 | |||
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温 | 室 | 効 | 果 |
おん 第三学年 | しつ 第二学年 | こう 第五学年 | か 第四学年 |
音読み | 漢音 | 音読み |
発音
名詞
関連語
翻訳
- アルメニア語: ջերմոցային գազ (hy)
- 英語: greenhouse gas (en)
- オランダ語: broeikasgas (nl) 中性
- ギリシア語: αέριο του θερμοκηπίου (el) 中性 (aério tou thermokipíou)
- スウェーデン語: växthusgas (sv) 通性
- スペイン語: gas de invernadero (es)
- 中国語: 溫室氣體 (cmn), 温室气体 (cmn) (wēnshì qìtǐ)
- ドイツ語: Treibhausgas (de) 中性
- ハンガリー語: üvegházhatású gáz (hu)
- フィンランド語: kasvihuonekaasu (fi)
- フランス語: gaz à effet de serre (fr) 男性
- ベトナム語: khí nhà kính (vi)
- ポルトガル語: gás (causador) de/do efeito estufa 男性
- マケドニア語: стакленички гас (mk) (staklénički gas) 男性
- ロシア語: парнико́вый газ 男性 (parnikóvyj gaz)
「温室効果ガス」の例文・使い方・用例・文例
- 温室効果ガスの複合効果
- 温室効果ガス排出量の農学的評価
- 温室効果ガス放出量の削減
- 温室効果ガスが地球温暖化を引き起こす。
- そしてそれは温室効果ガスを出しません。
- 温室効果ガス
- アルミニウムの生産の間、放出される強力な温室効果ガス
- このフライトはアジア太平洋地域における温室効果ガス排出削減キャンペーンの一環として行われた。
- 閣議では,マダブ・クマール・ネパール首相が世界の温室効果ガス主要排出国に対し,排出削減対策を講じてほしいと訴えた。
- サンフランシスコは温室効果ガスの排出を削減するため,自転車の利用を促進している。
- ブータンは水力発電による豊富な電力を利用し,電気自動車を活用することで温室効果ガスを排出しない国「ゼロエミッション国家」になる目標の達成をめざす。
- 温室効果ガスの排出量を制限する国際的な協定が採択されたのは,1997年の京都議定書以来,初めてのことだ。
温室効果ガスと同じ種類の言葉
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