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分子構造リファレンス

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物質名
炭素
英語名
Carbon
元素記号
Ca
原子番号
6
分子量
12.011
原子半径(Å)
0.77
融点(℃)
3500
沸点(℃)
4918
密度(g/cm3
2.25
比熱(cal/g ℃)
0.165
イオン化エネルギー(eV)
11.26
電子親和力(eV)
1.268

生命に非常に深く関係する、有機化学根本物質とも言える物質。結合によって炭やダイヤモンドに姿を変える人類も、黒鉛などとして太古から炭素に親んできた。ただし元素として認識するに至ったのは18世紀を過ぎてのことである。


ウィキペディア

ウィキペディアウィキペディア

炭素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/02/06 15:26 UTC 版)

ホウ素炭素窒素
-

C

Si
外見
透明(ダイヤモンド), 黒色(グラファイト)
Diamond and graphite2.jpg
一般特性
名称, 記号, 番号 炭素, C, 6
, 周期, ブロック 142, p
原子量 12.0107 g·mol−1
電子配置 1s2 2s2 2p2 or [He] 2s2 2p2
電子殻 2,4 (Image)
物理的性質
固体
密度 (r.t.付近) 非結晶質:[1] 1.8 - 2.1 g·cm−3
密度 (r.t.付近) グラファイト: 2.267 g·cm−3
密度 (r.t.付近) ダイヤモンド: 3.515 g·cm−3
昇華点 3915 K, 3642 °C, 6588 °F
三重点 4600 K (4327°C), 10800[2][3] kPa
融解熱 117 (グラファイト) kJ·mol−1
比熱容量 (25 °C) 8.517(グラファイト),
6.155(ダイヤモンド) J·mol−1·K−1
原子特性
酸化数 4, 3 [4], 2, 1 [5], 0, -1, -2, -3, -4[6]
電気陰性度 2.55 (ポーリングの値)
イオン化エネルギー 1st: 1086.5 kJ·mol−1
2nd: 2352.6 kJ·mol−1
3rd: 4620.5 kJ·mol−1
共有結合半径 77(sp3), 73(sp2), 69(sp) pm
ファンデルワールス半径 170 pm
その他
磁性 反磁性[7]
熱伝導率 (300 K) 119-165 (グラファイト)
900-2300 (ダイヤモンド) W·m−1·K−1
熱膨張率 (25 °C) 0.8 (ダイヤモンド) [8] µm·m−1·K−1
音の伝わる速さ (微細ロッド) (20 °C) 18350 (ダイヤモンド) m/s
ヤング率 1050 (ダイヤモンド) [8] GPa
剛性率 478 (ダイヤモンド) [8] GPa
体積弾性率 442 (ダイヤモンド) [8] GPa
ポアソン比 0.1 (ダイヤモンド) [8]
モース硬度 1-2 (グラファイト)
10 (ダイヤモンド)
CAS登録番号 7440-44-0
最安定同位体
詳細は炭素の同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP

15

12C 98.9% 中性子6個で安定
13C 1.1% 中性子7個で安定
14C trace 5730 y β- 0.156 14N

炭素(たんそ、 Carbonium, carbon カーボン)は原子番号 6 の元素元素記号C非金属元素単体化合物両方において極めて多様な形状をとることができ、1000万種を超える化合物が知られている。

有機物として全ての生物の構成材料となる。人体の乾燥重量の2/3は炭素である。これは蛋白質脂質炭水化物に含まれる原子の過半数が炭素であることによる。光合成呼吸など生命活動全般で重要な役割を担う。また、石油石炭天然ガスなどのエネルギー・原料として、あるいは二酸化炭素メタンによる地球温暖化問題など、人間の活動と密接に関わる元素である。

目次

歴史

炭素の名はラテン語carbo木炭の意)からきており、有機物を不完全燃焼すれば簡単に取り出せるため、有史以前から知られていた。ダイヤモンドも稀少で硬い石として知られていた。ヨーロッパでダイヤモンドが装飾品として使用されたのはカッティング技法が開発された中世以降である。日本語の「炭素」という語は宇田川榕菴が著作『舎密開宗』にて用いたのがはじめとされる。20世紀後半以降はフラーレンをはじめとする多彩な形状の炭素が発見されている。

生成と分布

炭素原子の生成にはヘリウムの原子核であるアルファ粒子の3重衝突が必要となる。これには約1億度の熱が必要となるが、ビッグバンでは宇宙がはじめに大きく膨張してすぐに急速に冷え、炭素は生成されなかったと考えられている。そのかわり現在でも巨星内でのトリプルアルファ反応によってヘリウムから炭素が生成されている。こうして作られた炭素は、重い主系列星の内部で水素がヘリウムになるCNOサイクルを媒介し、星のエネルギー放射に一役買っている。

炭素は太陽恒星彗星のなかにも豊富に存在し、様々な惑星大気にも含まれている。まれに隕石の中から微細なダイヤモンドが見つかることがありこれは太陽系が原始惑星系円盤だった頃、またはそれ以前に超新星爆発時に生成された物と考えられている。

地球上では、化合物として大気・地中に広く存在する。約9割が地殻中に存在し、なかでも還元された形、すなわち炭素粒・石油石炭天然ガスが3/4以上を占める。1/4が炭酸塩岩石石灰岩苦灰岩結晶質石灰岩など)である。地殻についで海洋に溶け込んだ炭酸が多い。3番目は陸棲生物の構成要素として、ついで大気圏の二酸化炭素、海棲生物である。炭素は地球上で多様な状態を示している。炭素は地殻、海洋、生物圏、大気圏を循環しており、年間の移動量は約2000億トンと見積もられている。

また単体としては、黒鉛アメリカニューヨーク州テキサス州ロシアメキシコグリーンランドインドなどに豊富に存在する。一方、天然ダイヤモンドは「首」「パイプ」などと呼ばれる円筒形の鉱脈(貫入岩体)、川砂などから見つかる。主にアフリカ大陸南アフリカナミビアボツワナコンゴ共和国シエラレオネなどで採掘されている。アフリカ以外ではカナダ、ロシアの北極圏内、ブラジルオーストラリアの北部や西部で採掘が行われている。

同位体

詳細は「炭素の同位体」を参照

炭素原子には3種類の同位体12C(存在比 98.9%)、13C(1.1%)、14C(微量)が自然界で存在し、それぞれが様々な学問分野で重要な位置を占める。

単体の性質

同素体

炭素の状態図; 0.001GPは10気圧に相当する

炭素は4本の共有結合をとることができ、結合の状態によって数種類の同素体を形成する。炭素同士がsp2混成軌道を形成し、正六角形の平面構造をとるとグラファイトになる。また、sp3混成軌道を形成して3次元的な結晶構造をとるとダイヤモンドとなる。同じ炭素の同素体であるが、前者は電気伝導性が高く軟らかい、後者は絶縁体で硬いなど、全く異なる性質を示す。不完全燃焼によって生じるなどは、これら2つの構造が混在したアモルファス状態であることが多い。これらの状態は温度や圧力によって変化する。ダイヤモンドが炭素の同素体であることを示したのはラヴォアジエである。実験内容は、密閉容器に納めたダイヤモンドを虫眼鏡により燃焼させると二酸化炭素だけが生成するというものである。

以上3種は古くから知られていたが、20世紀後半以降、フラーレンや多分野での開発が進んでいるカーボンナノチューブなどの複雑な構造を持つ炭素の同素体が多数発見され、ナノテクノロジーの分野で有用な物質と考えられている。

炭素の同素体(説明は右記参照)
a. ダイヤモンド
立方晶系の結晶。産出量は少ないが産業的に利用可能な程度には豊富。宝石として、また工業用のカッターなどに利用。現在では人工ダイヤモンドの合成技術も確立され、実用化されている。
b. グラファイト(黒鉛)
六方晶系の結晶。板状の構造(単体ではグラフェン)が多数重なってできている。炭素の結晶としては最も一般的なもの。日常的なものとしては鉛筆の芯などに用いられる。
c. ロンズデーライト(六方晶ダイヤモンド)
六方晶系の結晶。隕石中に極めて稀に見られる。今のところ非常に小さな結晶しか発見されていない。純粋なものはダイヤモンド以上の硬度をもつと推測される。
d,e,f. フラーレン
炭素原子からなるクラスターの総称。天然には極めて稀に存在するとみられる。図dはいわゆるサッカーボール型の C60 で「バックミンスター・フラーレン」と呼ばれる。図eは C540 で、図fは C70 である。
g. 無定形炭素
(a) と (b) の2種の構造が混在した状態(非晶質)。木炭活性炭などの一般的なは、これに不純物が含まれたものである。
h. カーボンナノチューブ
グラフェンが円筒状に巻かれた構造のもの。1層のものから2層、多層構造のものがある。これに近いものとして、筒の一方が閉じた角状のものをカーボンナノホーンと呼ぶ。

生産と用途

炭素の単体は形状によって様々な分野で使用されている。

アモルファス炭素としてはカーボンブラック活性炭が大量に生産されており、黒色顔料インクコピートナー墨汁など)やゴム製品への混錬剤、石油の脱硫などの吸着剤をはじめ、極めて幅広い用途に用いられている。カーボンブラックの2004年度日本国内生産量は804,355t、工業消費量は456tである。

黒鉛は電池等の電極剤や鉛筆の芯に使われるほか、黒鉛を成形した黒鉛ブロックは黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉RBMK-1000」やコールダーホール型をはじめとした黒鉛炉という原子炉炉心を構成しており、中性子の速度を下げる減速材として機能している。

ダイヤモンドは宝飾用のほかカッターや研磨材として利用されている。ポリマーを熱分解して作製する炭素繊維は軽くて強度が高いことから、航空機ゴルフクラブシャフトなど金属にかわる素材として使用されている。また、石炭から作られるコークスは構成要素のほとんどが炭素であり、燃料製鉄に使用されている。

化合物

炭素は多様な化合物を作ることができるため、これまで報告されているものは1000万種をはるかに超える。二酸化炭素一酸化炭素炭酸炭化物等を除き、炭素の化合物は有機化合物(有機物)と呼ばれ、生命活動で生産されるほか、有機化学によって人工的にも多くの物質が生み出されている。

無機化合物として一般的な二酸化炭素 (CO2) は大気中にわずか含まれ、光合成や呼吸など生命活動と密接なかかわりを持つ。また、炭酸塩として方解石(石灰岩)などの鉱物中にも分布している。

金属とのあいだでは炭素はカーバイド (C-) やアセチリド (C22-) の形で化合物をつくる。銑鉄の関係で見られるように、金属中の炭素量は硬度などの特性に大きな影響を与える。また、炭化ケイ素 (SiC) などいくつかの炭素化合物は格子状の結晶構造を持ち、ダイヤモンドと似た性質を持つ。

炭素のオキソ酸

炭素のオキソ酸は慣用名をもつ。次にそれらを挙げる。

オキソ酸の名称 化学式 構造式 オキソ酸塩の名称 備考
炭酸
(carbonic acid)
H2CO3   炭酸塩
( - carbonate )
遊離酸は単離できない。は安定。
過炭酸(ペルオキソ一炭酸)
(peroxomono carbonic acid)
H2CO4   過炭酸塩
( - peroxomono cabonite )
遊離酸は単離できない。は安定。

オキソ酸塩名称の'-'にはカチオン種の名称が入る。

環境との関わり

大気中の二酸化炭素炭素固定のプロセスによって各種有機物として固定されるが、呼吸微生物による分解などの生命活動、あるいは火山活動などによって大気中へ放出される。このような炭素循環は地球の環境を考える上で重要であり、特に地球温暖化への対策として観測・研究が行われている。

脚注

  1. ^ Chemical Rubber Company Handbook of Chemistry and Physics, 59th Edition, CRC Press, Inc, 1979
  2. ^ Haaland, D (1976). “Graphite-liquid-vapor triple point pressure and the density of liquid carbon☆☆☆”. Carbon 14: 357. DOI: 10.1016/0008-6223(76)90010-5.
  3. ^ Savvatimskiy, A (2005). “Measurements of the melting point of graphite and the properties of liquid carbon (a review for 1963–2003)”. Carbon 43: 1115. DOI: 10.1016/j.carbon.2004.12.027.
  4. ^ "Fourier Transform Spectroscopy of the System of CP". 2007-12-06 閲覧。
  5. ^ "Fourier Transform Spectroscopy of the Electronic Transition of the Jet-Cooled CCI Free Radical". 2007-12-06 閲覧。
  6. ^ "Carbon: Binary compounds". 2007-12-06 閲覧。
  7. ^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics 81th edition, CRC press.
  8. ^ a b c d e http://www.ioffe.ru/SVA/NSM/Semicond/Diamond

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