分子構造
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 06:20 UTC 版)
ヘパリンは分子量3~30kDaのポリマーであるが、市販されている多くのヘパリン製剤の平均分子量は12~15kDaの範囲にある。ヘパリンはグリコサミノグリカンという糖質(近縁の分子であるヘパラン硫酸を含む)の一員であり、可変的に硫酸化された繰り返し2糖単位から構成されている。ヘパリンに存在する主な2糖単位を以下に示す。最も一般的な2糖単位は、2-O-硫酸化イズロン酸(IdoA)と6-O-硫酸化、N-硫酸化グルコサミン(GlcN)、IdoA(2S)-GlcNS(6S)から構成される。例えば、牛肺由来のヘパリンの85%、豚腸管粘膜由来のヘパリンの約75%がこれで構成されている。 3-O-硫酸化グルコサミン(GlcNS(3S,6S))や遊離アミン基(GlcNH3+)を含む2糖類も稀に存在するが、以下に示していない。生理的条件下では、エステル硫酸基とアミド硫酸基は脱プロトン化され、正電荷の対イオンを引きつけ、ヘパリン塩を形成する。ヘパリンは通常この形で抗凝固剤として投与される。 GlcA-GlcNAc GlcA-GlcNS IdoA-GlcNS IdoA(2S)-GlcNS IdoA-GlcNS(6S) IdoA(2S)-GlcNS(6S) GlcA = β-D-glucuronic acid, IdoA = α-L-iduronic acid, IdoA(2S) = 2-O-sulfo-α-L-iduronic acid,G lcNAc = 2-deoxy-2-acetamido-α-D-glucopyranosyl, GlcNS = 2-deoxy-2-sulfamido-α-D-glucopyranosyl, GlcNS(6S) = 2-deoxy-2-sulfamido-α-D-glucopyranosyl-6-O-sulfate ヘパリン1単位(ハウエル単位)は、純ヘパリン0.002mgにほぼ相当する量であり、猫の血液1mlを0℃で24時間保持するのに必要な量である。
※この「分子構造」の解説は、「ヘパリン」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「ヘパリン」の記事については、「ヘパリン」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/08 09:21 UTC 版)
「ヘキサクロロシクロトリホスファゼン」の記事における「分子構造」の解説
リンと窒素からなる六員環のリン原子に、塩素原子が二つずつ結合した構造である。リン原子と窒素原子間の結合長はほぼ等しく、∠PNPと∠NPNの結合角は前者がわずかに広い。リン原子と窒素原子はほぼ同一平面上に位置するが、塩素原子は同一平面上には位置していない。
※この「分子構造」の解説は、「ヘキサクロロシクロトリホスファゼン」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「ヘキサクロロシクロトリホスファゼン」の記事については、「ヘキサクロロシクロトリホスファゼン」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 09:21 UTC 版)
コヒーシン複合体のコアとして働くSMC2量体は、極めて特徴的なV字構造を形成する(SMCタンパク質の項を参照)。ここに制御サブユニットが結合するとリング状の形態をとることが電子顕微鏡によって捉えられている。Scc1のC末端はwinged helix構造をとりSMC1のヘッドドメインと結合する一方、Scc1のN末端はSMC3のコイルドコイル領域に結合する。また、SA2-Scc1サブ複合体の結晶構造も解かれている。
※この「分子構造」の解説は、「コヒーシン」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「コヒーシン」の記事については、「コヒーシン」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 00:10 UTC 版)
デンプンはその構造によってアミロースとアミロペクチンに分けられる。アミロースは直鎖状の分子で、分子量が比較的小さい。アミロペクチンは枝分かれの多い分子で、分子量が比較的大きい。アミロースとアミロペクチンの性質は異なるが、デンプンの中には両者が共存している。デンプンの直鎖部分は、グルコースがα1-4結合で連なったもので、分岐は直鎖の途中からグルコースのα1-6結合による。アミロースはほとんど分岐を持たないが、アミロペクチンは、平均でグルコース残基約25個に1個の割合でα1-6結合による分枝構造をもつ(直鎖部分の長さは18〜24残基、分岐間は5〜8残基の間隔がある)。また、アミロースの中にはα1-6結合を持つものも少量あり、中間体と呼ばれている。なお、動物における貯蔵多糖として知られるグリコーゲンはアミロペクチンよりもはるかに分岐が多く、3残基に一回の分岐(直鎖部分の長さは12〜18残基、分岐の先がさらに分岐し、網目構造をとる)となり、アミロースやアミロペクチンとは区別される。トウモロコシの種子などでもこのグリコーゲンの顆粒が存在する。 α-グルコース分子が直鎖状に重合している部分は、水素結合によりα-グルコース残基6個で約1巻きの螺旋構造となっている。また、螺旋構造同士も相互に水素結合を介して平行に並び、結晶構造をとる。分子は二重螺旋状態での結晶と、一重螺旋状態での結晶を作りうる。まず二重螺旋状態の結晶には、お互いのグルコース残基上の水酸基同士で直接水素結合を形成するタイプ(A型。コーンスターチなどの穀類由来のものがこの形)、間に水分子一層をはさむタイプ(B型と呼ぶ。馬鈴薯などの根茎・球根由来のものがこの型)と、両者の混合したタイプ(C型。根由来のもの)がある。また一重螺旋状態の結晶はV型と呼ばれ、天然ではデンプン顆粒に含まれる油脂成分がアミロースの一重螺旋のなかに包接された、包接錯体として存在している。
※この「分子構造」の解説は、「デンプン」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「デンプン」の記事については、「デンプン」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/06 03:05 UTC 版)
七酸化二塩素の Cl-O-Cl 結合角は 118.6° に折れ曲がっており、分子構造は C2対称である。Cl-O、Cl=O 共有結合の長さはそれぞれ 1.709 Å、1.405 Å と知られている。塩素の酸化数は +7 である。
※この「分子構造」の解説は、「七酸化二塩素」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「七酸化二塩素」の記事については、「七酸化二塩素」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 09:57 UTC 版)
塩化金(III)は、固体または低温の気体においては二量体として存在する。臭化金(III)も同じような二量体を形成することが分かっている。それぞれの金原子は平面正方形の中心に位置している。金中心の酸化数と、金属としては高い電気陰性度を反映して、各結合は共有結合性である。
※この「分子構造」の解説は、「塩化金(III)」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「塩化金(III)」の記事については、「塩化金(III)」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 01:41 UTC 版)
クロロフィルaは、4つの窒素原子が中央のマグネシウム原子を取り囲むクロリン環から構成され、他のいくつかの側鎖と炭化水素の尾を有する。 長い炭化水素の尾を示すクロロフィルa分子の構造
※この「分子構造」の解説は、「クロロフィルa」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「クロロフィルa」の記事については、「クロロフィルa」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 14:19 UTC 版)
PPARγをはじめ、ビタミンD受容体、甲状腺ホルモン受容体など核内受容体スーパーファミリーに属する分子は基本的にそれぞれが類似した分子構造をとる。PPARγもその例外ではなく、アミノ基(-NH2)側末端から順にA/Bドメイン、Cドメイン、Dドメイン、E/Fドメインにより構成される。PPARγのリガンド結合ポケットは他の核内受容体に比して広いため、多くのリガンドとの結合が可能である。 A/Bドメイン A/Bドメインは活性化に必要なドメイン構造であり、リガンド非依存的な転写活性化に必要なAF-1を持つ。 Cドメイン CドメインはDNA結合領域であり、標的遺伝子のPPAEと結合する。構造中に亜鉛フィンガードメインを有する。DNA結合領域は核内受容体ファミリー間で構造がよく保存されている。 Dドメイン Dドメインはヒンジ領域である。DNA結合領域とリガンド結合領域をリンクする。柔軟性に富み、ステロイド受容体ファミリーの構造可変性に関与するドメインである。 E/Fドメイン E/Fドメインはリガンド依存的な転写活性化に関与するAF-2とリガンド結合ドメインを有する。
※この「分子構造」の解説は、「PPARγ」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「PPARγ」の記事については、「PPARγ」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 16:49 UTC 版)
「テトラフルオロホウ酸」の記事における「分子構造」の解説
テトラフルオロホウ酸とトリフェニルホスフィンオキシドの 1:2 錯体についてX線構造が報告されている。それによると、ホウ素の上には歪んだ四面体形に4個のフッ素が結合している。そのうち1個のフッ素上に水素が結合しておりその水素はさらに O=P の酸素とも結合している。B-F(H) の結合長は他の3個の B-F 結合よりも長い。
※この「分子構造」の解説は、「テトラフルオロホウ酸」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「テトラフルオロホウ酸」の記事については、「テトラフルオロホウ酸」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 15:09 UTC 版)
ASOを医薬品として用いるための最低限の要件は厳密な塩基配列認識能、ヌクレアーゼ耐性、細胞内移行性、代謝性である。Ts’oらは研究当初から細胞内移行性に着目し、リン酸ジエステル結合の負電荷をリン酸トリエステル型にすることで消し去り、細胞内移行性を高めようとした。それ以後、実に多くの修飾核酸がASO分子として開発された。それらは核酸塩基部位の修飾(新規人工核酸塩基)、リボースの修飾、リボース環自体の改変、リン原子関連修飾(メチルホスホネート型やホスホロチオエート型)、リンケージの修飾(非リン酸型)に分類される。第一世代のASOは主にリン原子関連修飾によって設計されたものであり、とりわけPS-オリゴは最も優れたアンチセンス効果を示してきている。1990年代には第二世代ASOが開発された。Ionis社が開発した2’-O-アルキル型は第一世代よりも高い効果を示している。さらにBNA(英語版)やLNA など改変されたリボース環をもつ第2.5世代の核酸医薬も開発されている。その他、ASOの新規構造体設計時に求められるポイントしてはRNAとの結合安定性(Tm値など)、ミスマッチ配列認識能、ヌクレアーゼ耐性、RNaseH活性、科学的な安定性、脂溶性または水溶性、蛋白質との結合性があげられる。
※この「分子構造」の解説は、「核酸医薬」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「核酸医薬」の記事については、「核酸医薬」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:33 UTC 版)
「パパイン様プロテアーゼ」の記事における「分子構造」の解説
SARS-CoVのパパイン様プロテアーゼ(PLpro)は、316個のアミノ酸モノマーで、4つの異なる構造ドメインから構成されており、「広げた右手」構造を形成している。そのうち3つのドメインはサム(親指)、パーム(手のひら)、フィンガー(指)ドメインと呼ばれ、4つ目のドメインはユビキチン様ドメイン(UBL)と呼ばれている。PLproのカルボキシル末端にはSUD(SARSユニークドメイン、SARS Unique Domain)が続き、アミノ末端にはNAB(核酸結合ドメイン、Nucleic Acid Binding)が続く。これらはPLproに隣接するドメインで、SARS-CoVの非構造タンパク質のゲノムやプロテオームに属しているが、PLproには含まれていない。具体的には、PLpro複合体は、213 kDaの膜関連タンパク質であるSARS-CoV nsp3(非構造ドメイン3、non-structural protein 3)のアミノ酸1541と1856の間に位置している。 PLproポリペプチド鎖の最初の62アミノ酸がUBLドメインを形成する。これは他の3つのドメインとは別のN末端ドメインで、ユビキチンタンパク質と非常によく似た二次構造をとっている。サムドメインは4本のαヘリックス(α4-7)で、パームドメインは6本鎖βシート(β8-13)で、フィンガードメインは4本鎖のねじれた逆平行βシート(β4-7)で構成されている。SARS-CoVのPLproの全体的な構造は、SARS-CoV-2のPLproと83%一致することが示されているが、いくつかの違いがある。例えば、UBLドメインのアミノ酸数は62個ではなく60個であり、サムドメインは4個ではなく6個のαヘリックス(α2-7)で構成されている。しかし、一方で、酵素の活性部位のすべての重要な残基は、PLproの両方の形態間で不変である。 PLproの活性部位は、システイン、ヒスチジン、アスパラギン酸からなる共通の触媒三残基で構成されている。システイン残基(C112)は、サムドメインのα4ヘリックスの基部にあり、パームドメインの基部にあるヒスチジン残基(H273)から3.7 Å離れたところにあり、BL2(G267-G272ループ)として知られる柔軟なループに隣接している。このループは6アミノ酸から構成されている。また、アスパラギン酸残基(D287)は、ヒスチジン残基から2.7 Å離れている。 フィンガードメインには、4つのシステイン残基を持つ2つのβヘアピンも見られる。これらの残基は、四面体の幾何学結合を亜鉛イオンと調整し、亜鉛結合サブドメインを形成する役割を果たす。亜鉛結合を形成するPLproのこの能力は、プロテアーゼ活性とその構造の完全性の維持に不可欠である。 一般に、PLproの三次構造は、USP7やUSP14などのUSP(Ubiquitin Specific Proteases、ユビキチン特異的プロテアーゼ)と非常によく似ている。
※この「分子構造」の解説は、「パパイン様プロテアーゼ」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「パパイン様プロテアーゼ」の記事については、「パパイン様プロテアーゼ」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 15:47 UTC 版)
「インターロイキン-5」の記事における「分子構造」の解説
IL-5のcDNAは1986年にマウスT細胞からクローニングが行われ、引き続いてヒトT細胞系白血病細胞からIL-5cDNAの単離が行われた。ヒトIL-5cDNAは134個のアミノ酸をコードしているが、そのうち19個はリーダー配列である。残りがコーディング配列であり、115個のアミノ酸からなる成熟IL-5をコードする。分子量は45-60kDaと幅広いが、これは糖鎖付加が原因である。IL-5はホモ二量体を形成することが知られており、IL-5分子間のジスルフィド結合によるものである。IL-5の構造中には4つのαヘリックス構造からなるヘリックスバンドル構造を含み、それぞれのα-ヘリックスはアミノ基側末端からA,B,C及びDと呼ばれる。各ヘリックス間にはループ構造がはさまれており、ヘリックスAとヘリックスB、ヘリックスCとヘリックスDはやや長めのループ1及びループ3によりつながれている。一方で、ヘリックスBとヘリックスCをつなぐループ2は短いターン構造である。カルボキシル基側にある領域(アミノ酸残基89-92)はヒトIL-5とマウスIL-5の間でよく保存されており、後述するIL-5受容体との結合に関与する。
※この「分子構造」の解説は、「インターロイキン-5」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「インターロイキン-5」の記事については、「インターロイキン-5」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 00:33 UTC 版)
コンデンシン複合体のコアとして働くSMC2量体は、極めて特徴的なV字構造を形成する(SMCタンパク質の項を参照)。その形状は、原核生物型・真核生物型ともに電子顕微鏡によって捉えられている。SMC2量体の腕部の長さは ~50 nmにも達する(これは2重鎖DNA~150 bpに相当する)ことからも、コンデンシンがいかに巨大なタンパク質複合体であるかがわかる。真核細胞型では、kleisinサブユニットがSMCサブユニットのヘッドドメインに結合し、SMC2量体とHEATサブユニットの相互作用を橋渡ししている(図2)。 タンパク質X線構造解析は、大腸菌型MukBEFや枯草菌型SMC−ScpAB が先行している。真核生物型では、SMC2量体(SMC2-SMC4)の一部(ヒンジとロッドドメイン)に加え、CAP-G/CAP-Hのサブ複合体およびそのDNAとの共結晶、さらにCAP-D2/CAP-Hのサブ複合体の構造が報告されている。また、コンデンシン I のATP結合と加水分解に伴う大きなコンフォメーション変化の一端がcryo-EMによって捉えられている。一方、高速AFM (atomic force microscopy) 観察によると、SMC2量体の腕部はこれまで予想されていた以上にフレキシブルな構造をとっているらしい。
※この「分子構造」の解説は、「コンデンシン」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「コンデンシン」の記事については、「コンデンシン」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/08 05:22 UTC 版)
「オクタカルボニル二コバルト」の記事における「分子構造」の解説
オクタカルボニル二コバルトには構造異性体が存在する。よく知られた2例は下式のような構造式で表される。 結晶中では右側の、2個のカルボニル配位子が2個のコバルトをμ-架橋した C2v 対称構造 ((CO)3Co(μ-CO)2Co(CO)3) が優勢であり、そこでは Co-Co 結合の距離は 2.522-2.525 Å、架橋カルボニルとコバルトの距離 Co-CObridge は 1.883-1.949 Å、末端カルボニルとコバルトとの距離 Co-COterminal は 1.770-1.818 Å と報告されている。この構造は Fe2(CO)9 と似ており、比べるとカルボニル架橋が1個少ないだけである。液相では式の左側の非架橋型との異性化が起こる。非架橋型 ((CO)4Co-Co(CO)4) はD3d 対称性を持つ。
※この「分子構造」の解説は、「オクタカルボニル二コバルト」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「オクタカルボニル二コバルト」の記事については、「オクタカルボニル二コバルト」の概要を参照ください。
分子構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 10:02 UTC 版)
原子間に働く静電相互作用(クーロン力)により、原子は分子として集合している。力の作用がその力の種類により方向性や距離による力の強度変化が異なるため、分子はその構成する原子の種類や配置により秩序だった構造を取る。分子の内部あるいは分子間で相互の原子に作用することを化学結合と呼ぶ。 言い換えるならば、同じクーロン力を元にしていても、化学結合の種類と作用距離に応じて分子は構造的な特徴を現わすとともに、原子・分子・結晶といったような構造的な階層を形成する。 すなわち分子の内部構造が分子間の相互作用に変化を及ぼすために、物質の性質はそれを構成する原子の構成比率だけでは決定づけられず、分子構造が物性の発現に強くかかわっている。例えば無機化合物の一種に見られる高温超伝導は、特定の精密な分子構造が要因となり発現する。 無機化合物も精密で複雑な分子構造を持つが、有機化合物においては更に多様な分子構造とそれに応じた機能を持つ。今日では有機化合物の分子構造とその構造に特有な機能により生命現象が成り立っていることが明らかとなり、生命の本質と化学構造について分子生物学の分野で研究が進められている。 分子の表示方法である化学式も分子構造をどの程度まで意識するかで使い分けられる。最も単純に原子の組成のみを示した組成式は化学構造の違いを区別する必要のない場合に利用される。構造が単純で異性体など構造的な紛らわしさがない場合はトポロジカルな、つまり実際の配置を抽象化し原子の連結関係を示した示性式で表現される。更に複雑な構造においては構造式が利用される。 構造式は分子構造を抽象的に表現するが、分子動力学など原子の配置の向きや距離を厳密に識別する場合においては分子モデルが分子構造の表現方法として採用される。
※この「分子構造」の解説は、「分子」の解説の一部です。
「分子構造」を含む「分子」の記事については、「分子」の概要を参照ください。
「分子構造」の例文・使い方・用例・文例
- 分子構造の決定
- 分子構造
- より豊かな燃料を作るために炭化水素の分子構造を改める装置
- 英国の生物学者で、血構成要素の分子構造の研究で知られる(1917年生まれ)
- 米国の化学者で、分子構造の理論で知られる(1919年生まれ)
- 英国の化学者で、植物の分子構造の研究で知られる(1886年−1975年)
- 化学結合をもとにして表現した分子構造
- 化合物の分子構造の模型
- 原子や原子団が直線状に連なった分子構造
- 分子構造の変化や新しい物質を生じることのない物質の状態変化
- その機能と分子構造からビタミンB群であると考えられている。
分子構造と同じ種類の言葉
- 分子構造のページへのリンク