キャンピングカー 設備

キャンピングカー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 23:08 UTC 版)

設備

設備や装備品は、ボートの呼び名に倣い、キッチンギャレーリビングをダイネット(ダイニング)ということもある。

搭載される設備には、以下のようなものがある。

トイレ
個室がある場合とない場合があり、個室の場合もスペース効率の関係で、トイレとシャワー室を兼ねたものが多い。簡易水洗機能と汚物をためるブラックタンクを備えたもので、ポータブルタイプと据付タイプがある。また単に容器にビニールシートを敷いて使用後に凝固剤や芳香剤、おがくずなどを加えて使い捨てするタイプもある。汚物の処理は煩雑であるが、トイレが無い場所でのキャンプなどでは重宝される設備である。
シャワー
専用のシャワールームが無く、冷水もしくは温水のシャワーをトイレと同じ個室に備える場合が多い。また、ギャレーからホースを車外に伸ばし、車外で利用できるタイプも多い。ただし、シャワーは使用水量が多く、大きな清水タンクが必要になる。温水シャワーにはガス燃焼式や電気式、もしくはエンジン冷却水と熱交換式のボイラーと温水タンクが必要となるためこれを取り付けないユーザーも多い。
シャワールーム
大型車両に装備される洗面台とトイレ、シャワールームを1つにまとめた設備。
冷暖房設備
エンジン付きの車両は、走行中はエンジン冷却水による暖房およびエンジンにより稼働するエアコンによる冷房が主流である。走行用エンジンを停止した場合、もしくはエンジンを持たないトレーラーでは、暖房は灯油やガソリンを燃焼させ室内の空気を汚染しないFFヒーターが主流である。冷房については発電機、もしくはキャンプサイトからの商用電源を利用してルームエアコンを稼動するものもある。最近では大型バッテリーとインバーターによりルームエアコンの数時間の使用を可能にするものが増えている。暖房はFF式が一般的で、発電機やバッテリーでファンを回す強制循環方式と、電気を使用しない自然対流方式がある。
ギャレーシンク
一般的な四角いものから、2つ付いているもの、半球型もある。通常清水タンクから電動ポンプで給水できるようになっており、排水は専用のタンクに貯められる。コンパクトな車種に装備する場合、座席下に引き出し式としたり、引き出して車外で使用できるものも存在する。特種用途自動車(8ナンバー)にする際、構造要件における必須装備のひとつであるが、2003年以降は、これ以外の必須要件も満たさないと、8ナンバー取得は不可である
コンロ
世界的にはLPGのボンベを用いたものが一般的であるが、日本では法規によるLPG機器の取扱いの厳格化により減少している。現在は広く流通している使い捨て式のカセットガスを複数セットできる構造のものや、一般向けのカセットガス式コンロが用いられる。コンロは特種用途自動車(8ナンバー)にする際、構造要件における必須装備である。
冷蔵庫
ガスとバッテリー、AC100Vの3通りの動力源があるもの(吸収式冷蔵庫)を一般に3-way冷蔵庫と呼ぶ。電気またはガスでタンクに封入してあるアンモニアを熱し、それが気化する際の温度低下(気化熱)を利用し庫内を冷やす。気化後のアンモニアは冷えることによって液化しタンク内に戻る。構造が複雑で車体にガス燃焼のための吸気口および排気口が必要となるため、最近は家庭用と同じコンプレッサー式の冷蔵庫が主流となっているが、吸収式冷蔵庫はほぼ無音で動作するという利点がある。
ダイニングテーブル
ベッドを格納して、ダイニングルームとする場合が多いが、大型車両では専用のスペースとテーブルを持つものもある。
テレビビデオDVDプレーヤー
山間部や走行中等で電波状態が悪い場合もあるため、ビデオも搭載される場合が多い。かつてはブラウン管テレビデオが主流であったが、最近は薄型テレビDVDプレーヤーが主流となっている。
充電システム
エンジンルームの物とは別にサブバッテリーを備えているものが多く(エンジン始動用のバッテリーと兼用にすると、キャンプを楽しんでいざ撤収・帰宅という場合にバッテリーあがりでエンジン始動不能の憂き目に遭う)、エンジンがかかっている時の自車オルタネーター発電機、外部電源(ランド、陸電)などからの入力を切り替えるスイッチと、複数のバッテリー(サブバッテリー)への充電を制御するアイソレーターを持つものが多い。太陽電池パネルや風力発電装置を備えたものもある。なお、自動車はエンジンがかかっていても、アイドリング状態ではオルタネーターからの発電量は少ないので注意が必要である。
発電機
大電力が必要なクーラーや電子レンジは、バッテリーでの駆動は大きなバッテリーであっても短時間に限られる。キャンプサイト等で外部AC電源が確保されている場合は問題ないが、外部電源をとれない場所でのキャンプは発電機を使う場合が多い。小型発電機を荷物室に積んでおいて、使用時に外に出して稼働させるケースが一般的であるが、小型発電機室を設け、そのまま発電可能な車種もある。最近は騒音などの問題から発電機の使用が制限されている場合が多い。ソーラーパネルによって充電が可能なものも増えている。
サイドオーニング
車体に取り付けられている、太陽光を避けるタープで、手動もしくは電動で展開/巻き取りする。オーニングを支持する折りたたみ式の脚があり、地面もしくは車体に固定して使用する。
サイクルキャリア
自転車を積む設備。
ジャッキ
機械式、油圧式、電動油圧式があり、傾斜した土地に停車する場合に、居住空間を水平を保つために使われる。この用途のものは「レベラー」/「オートレベラー」とも呼ばれる。また、停車中に風や人の移動で必要以上に傾いたり、車体が揺れたりしないよう、サスペンションのばねを無効化する役割も担う。大型の車体の場合、車体側面を押し出すことで室内空間を拡張したり、天井部分を持ち上げることで2階建て空間を作り出すような使い方もされることがある。







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