SL 4000 シリーズ
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「ソリッド・ステート・ロジック」の記事における「SL 4000 シリーズ」の解説
SL 4000 シリーズは1970年代後半から様々なスタジオに対して最も数多く導入されたコンソールの一種で、Eシリーズ以降は世界各国の様々なスタジオへ導入され、以後Gシリーズへと進化した。このコンソールの普及により、スタジオ間を移動して行われるレコーディング・セッションにおいては、スタジオが変わりB/E/Gとコンソールのタイプが変わったとしても、ミキシング上ではほぼ変わりない作業が維持出来たため、1つのミキシング用プラット・フォームとして存在した。 VCA(Voltage Controled Amplifier)回路を利用した「フェーダー・グルーピング」と「フェーダー・オートメーション」、チャンネル・モジュールの設定を保存して元のパラメーターに復帰可能な「トータル・リコール・システム(業界初)」など様々な機能が当初から搭載されたコンソールでもあり、それまでのスタジオにおけるコンソールの概念から大きく飛躍した製品群となっている。 実装されるチャンネル・モジュール数を含めた表記方法では「SL 4056 E(モジュール数が56本)」や「SL 4064 G(モジュール数が64本)」等のように数字部分の下二桁が実装チャンネル・モジュール数となるが、ステレオ・チャンネル・モジュールも存在するため、実際には仕様によって表示数より使用可能な入力数が異なる。例えば表記上が「SL 4072 G」の場合でもステレオ・チャンネル・モジュールが8本実装されている場合には入力チャンネル数は合計80チャンネルとなるなど、モジュール数とチャンネル入力数は異なる事になる。 コンピューター・オートメーション機能はオプション扱いとなっていたため、コンピューター未搭載の仕様も存在するが、コンピューター搭載でトータル・リコール機能を搭載していない場合の表記は「SL 4056 G PR」となりプライマリーの意味を持つ「PR」が型番末尾に付き、トータル・リコール機能搭載の場合には「SL 4000 G TR」のようにトータル・リコールを表す「TR」が型番末尾に付くことから、コンピューターの仕様は表記されている型番から確認する事が出来る。 SL 4000 B SL 4000 E BおよびEシリーズのコンピューター・オートメーションのオペレーション用キーボードは小型の物が搭載されていて、センター・セクションはGシリーズに比べ幅が狭くなっている。 Eシリーズに搭載されるEQのタイプは3種類存在していて、EQのLOWステージのつまみ上部のキャップ色が「茶色、オレンジ、黒」と各々が色分けされているのでその部分で見分ける事が出来る。「茶」は「ナロー」タイプとなっていて4000 シリーズ開発当初からの周波数特性となっている物でQ幅が割と広めで緩やかなカーブを持ち、「オレンジ」は「パルテック」タイプと呼ばれ、PULTEC(Pulse Techniques, Inc.)の有名なEQP-1A3などのイコライザーにあるQ幅の周波数特性となっている物で、「黒」は「ニュー・スタンダード」タイプと呼ばれ、ナローとパルテックの中間的な周波数特性になっていて、Q幅が3種類の中では一番狭いタイプになる。その後Gシリーズになってからはこの「ニュー・スタンダード」を踏襲された物が使用されている。 型番が「SL 4056 E」などとなっていてもGシリーズ発表以降はGシリーズ・コンピューター・ソフトウェアやハードウェアの変更などを経てGシリーズ・コンピューター・システムに変更して搭載したため、外見上はEシリーズでもGシリーズと同じ内容のコンピューター・オートメーションが可能になっている。 SL 4000 G Gシリーズは4000シリーズでは初となるメジャー・アップデートとなり、H/Aのゲイン・コントロールがステップ式となり+4dB入力のライン・レベルからも取り扱えるゲイン設定となり調整許容範囲が広がった。EQ等の特性も改善され、それまでのシリーズとは明らかな音質変更がもたらされた。 Solo Isolate(ソロ・モードの時にカット対象に加えない機能)の設定がチャンネル毎にグループ・マスター・ボリュームのノブ部分で設定できるようになったため、それまではリバーブレーター等のエフェクターを立ち上げているチャンネルはソロにしたいチャンネルと同時にソロに入れなければならなかったが、運用上の利便性が図られる機能として搭載された。 コンピューター・オートメーション・システムも改善され、アルファベット入力用のキーボードがフルサイズ化されてファンクション・キーなども搭載され、それに伴ってコンソールのセンター・セクションがEシリーズよりチャンネル・モジュール4本分ほど拡大されたフレーム構成になった。 SL 4000 G+ SL 4000 Gのマイナー・アップグレード版としてリリースされ、チャンネル・モジュール内部配線や各パーツの刷新等が行われ、音質向上または改善がもたらされた。 センター・セクション内のメーター・ブリッジ・セクションに液晶表示形式のオシロスコープが内蔵され、チャンネル・モジュールなどのパネル面はGシリーズから採用された明るめなブルー・グレー色より若干濃い色へと変更され、Eシリーズに近い色調に戻った。
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SL 4000 シリーズ(B、E、G、G+)
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SSL社の代表的な音楽/ポスト・プロダクション用ミキシング・コンソール。 コンソール本体と電源部、コンピューター部(オプション)から構成。 コンソールからMTRおよびVTR等の各種レコーダーを統括コントロール可能なワンマンオペレーション指向のアーキテクチャー搭載。 モジュール構成はインライン型であり、H/A部分はマイク/ラインが切り替え可能であるとともに独立したテープ/グループ・モニター入力を持つ。ライン入力とテープ/グループ入力はパッチベイでノーマル接続。 チャンネル・モジュールはBus Assign Switch、H/A、Line Level Trim、Dynamics、Filter、EQおよびInsert Select Switch、Aux Send、Small Fader、PAN-POTの各セクションから構成され、トータル・リコール・カード(オプション)の搭載により、全てのパラメーターを静的に記憶可能。 LF、RF、LB、RB(フロント用のL/Rとリア用のL/R)で構成される4本のステレオ・ミックス・バス、32系統のグループ・バス(注、Bシリーズのみ未確認、Bシリーズのルーティングはロータリースイッチである)、1〜4のモノ Aux Sendと1ステレオCue Send(Aux Sendと同様)を搭載。Gシリーズ以降はセンター・セクションを挟んでCue/Auxバスを左右で分離可能なスプリット・キュー機能が搭載。 メーターは針式(VU/PEAK)あるいはプラズマ型バー・メーターの選択が可能であり、レベル表示だけではなくチャンネル・フェーダーのVCAレベルも監視可能。バー・メーター仕様を選択した場合は、VU/PEAK表示の切り替えとスペクトラム・アナライザー機能がセンター・セクションのコミュニケーション・スイッチ・セクション内にあるスイッチで選択可能になっていて、表示も+10dBアップさせた表示が可能。 パッチベイが標準ではコンソールの左右どちらかのフレームに搭載されて本体に埋め込むタイプと、コントロール・ルーム内の壁に設置可能なリモート・パッチベイ形式から選択できる。また、マイク入力部分の列は日本仕様では標準搭載となっているが、海外では搭載されていないケースが多い。 センター・セクションには以下のような機能と設備および回路が搭載されている。AUXとCUEのマスター・セクション。 接続されている録音再生機器をコントロールするトランスポート・セクションとシンクロナイズ・コントロール・スイッチ・セクション。 モニター出力回線のON/OFFスイッチとトリム・ポット。 マスター・バス・コンプレッサー。 各種録音再生機器などからの外部ソース入力の選択スイッチ群。 メーター表示モード切り替えスイッチ、8チャンネルに分割されたグループ毎のソロ・アイソレート・スイッチとグループ毎のメーター入力切り替えスイッチなどが搭載されたセクション。 トーク・バックやリッスン・マイク(スタジオ側に設置されているコミュニケーション用のマイク音を聞く機能)等のスイッチ群があるコミュニケーション・セクション。 コンピュータ・オートメーション操作用のキーボード群。 コンピューター・オートメーション用の表示ディスプレイ。 マスター・フェーダー。 4000シリーズに搭載されているコンピューターの機能は大きく以下の点に分類される。SMPTE タイムコードを利用したフェーダー・オートメーション・システム。 MTRやその他の録音再生機器などの走行系および操作系コントロール・システム。 コンソールのチャンネル・モジュールの全パラメーターを記録するトータル・リコール・システム。
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