フェーダー [fader]
フェーダー [fader] <録音用語>
FADER
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 06:46 UTC 版)
「ミキシング・コンソール」の記事における「FADER」の解説
フェーダー。ミキシング・コンソールにおいて一番重要な役割を果たすセクションで「STEREO BUS」「GROUP BUS」などの出力先回路に対しての音量調整に用いるポテンショメータ回路を利用した音量調整回路と調整デバイス一式の総称。スライド式(直線動作型)とロータリー式(回転動作型)のフェーダーに大別され、一般的にはスライド式を「フェーダー」、ロータリー式は「ノブ」または「トリム」などと呼称される事もある。アプリケーションによっては抵抗切替式ATTを用いていた事もある。可変抵抗の集合体で組まれた回路やVCA (Voltage Controled Amplifier) 回路などを用いた電子部品で構成された音量調整装置であり、運用面での耐久性、耐候性が操作部品に要求される装置である。コンピューター・オートメーション並びにフェーダー・グルーピングを実現するためにVCA回路やフェーダー自体に超小型制御モーターを組み込む場合などがあり、APIやSolid State Logicなどのコンソールに用いられているVCA制御式フェーダーの場合にはプラスティックで出来た操作つまみが指先での音量操作部分に搭載されているが、超小型制御モーターを組み込んだFlying FadersやGML社製のAutomation System等のムービング・フェーダー型の場合には、操作する人と接触している部分の指先などで機器との間における静電容量差を検知してデータ入力操作の有無を検知するため、金属製または金属コーティングされた操作つまみが搭載されている。音声信号を増減させる上でフェーダーの位置はリニア(増減率が直線的)な特性にはなっていない事が多く、実質多用するレベル周辺を中心に調整しやすいような増減特性に設定されている。フェーダー位置でのゼロ位置(ヌル点)あたりは増減に対する変化率が少ないが、フェーダー下部は増減特性が大きくなるようになっているため、フェーダー下部での音量微調整はしづらくなり、録音されているレベルやモジュールに入力される音声信号のレベルが大きすぎり小さすぎたりすると、ヌル点近辺でのフェーダー操作とは感覚的に異なってくるため、ある一定の慣れが必要になってくる。
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