ウルトラ【(英)・(ドイツ)ultra】
Ultra
+Ultra
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/07 07:53 UTC 版)
+Ultra | |
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![]() |
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ジャンル | テレビアニメ |
声の出演 | 作品一覧参照 |
製作 | |
制作 | フジテレビ・BSフジ(2025年3月まで) |
放送 | |
放送国・地域 | ![]() |
「+Ultra」公式サイト | |
放送開始から2025年1月期まで | |
放送期間 | 2018年10月18日 - 2025年3月27日 |
放送時間 | 木曜 0:55 - 1:25(水曜深夜) |
2025年4月期から | |
放送期間 | 2025年4月3日 - |
放送時間 | 木曜 0:45 - 1:15(水曜深夜) |
特記事項: 本項目における本文中の放送時間はすべて日本標準時(JST)。また特記のない限り、放送時間・放送期間はフジテレビ(制作局および製作委員会参加局、関東広域圏)でのそれに準拠するものとする。 |
『+Ultra』(プラス・ウルトラ)は、2018年10月より、フジテレビほか同系列地上波一部局およびBSフジ(2025年3月まで)で放送されている日本の深夜アニメ枠の名称。
概要
2018年3月8日に行われ、各種配信でも中継された[1]「『Plus Ultra』 フジテレビ アニメラインナップ発表会2018」で第一報が発表された。フジテレビでは、『ノイタミナ』枠を金曜未明(木曜深夜)に放送中である[注 1]が、これとは別途に木曜0時55分 - 1時25分(水曜深夜)枠に新設され、同局における深夜アニメは合計2枠となる[2]。プロデューサーの森彬俊によれば『ノイタミナ』と本枠は「兄弟のようなもの」であり、本枠では『ノイタミナ』で放送しているようなドメスティック(ここでは「日本のアニメファンが好むような」というニュアンス)な作品は避けられ、日本だけでは無く海外を意識した(グローバルな観点で制作された)作品をラインナップする[3]。という趣旨の発言をマスコミのインタビューにて語っている。
同局の大多亮常務は「世界を見据えて、破格の制作費を投じる」と語っている[2]。
製作にはBSフジのほか、博報堂DYメディアパートナーズも参加していたが『NIGHT HEAD 2041』を最後に撤退し、『マブラヴ オルタネイティヴ』以降は電通が参加している。
2021年9月23日、フジテレビとクランチロール、スロウカーブとの3社で本番組を共同制作することを発表した[5]。
2024年1月より月曜日(日曜深夜)に放送されていた『B8station』枠が木曜 1時25分 - 1時55分(水曜深夜)に移動し、フジテレビに限り本枠と連続する形で1時間のアニメ枠となる。
2025年4月改編では平日23時台の番組の10分短縮に伴い、フジテレビでの放送時間が木曜 0:45 - 1:15(水曜深夜)に変更された。また、北海道文化放送・テレビ西日本・BSフジでのレギュラーネットが打ち切られた[注 2]。
作品リスト
放送期間はフジテレビと同日放送の放送局の場合。遅れネットの場合は翌月になる場合がある。2025年4月現在、フジテレビが製作委員会に参加しない作品は放送されていない。
当初はNetflixでの独占配信であった[注 3]が、『セスタス -The Roman Fighter-』以降は体制変更により国内ではFODを主にした配信、海外ではクランチロールでの独占配信となる。その後は『大雪海のカイナ』のみAmazon Prime Videoでの独占配信となり、『アンデッドガール・マーダーファルス』以降は最新話無料配信を含む多数の配信サイトでの配信が行われている。
タイトル | 放送時期 | 放送期間 | 話数 | アニメーション制作 | 共同製作局 | |
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1 | INGRESS THE ANIMATION | 2018年10月 - 12月 | 1クール | 全11話 | クラフター | BSフジ |
2 | revisions リヴィジョンズ | 2019年 | 1月 - 3月全12話 | 白組 | ||
3 | キャロル&チューズデイ | 2019年 | 4月 - 10月2クール | 全24話 | ボンズ | |
4 | BEASTARS(第1期) | 2019年10月 - 12月 | 1クール | 全12話 | オレンジ | |
5 | 空挺ドラゴンズ | 2020年 | 1月 - 3月ポリゴン・ピクチュアズ | |||
6 | BNA ビー・エヌ・エー | 2020年 | 4月 - 6月TRIGGER | |||
7 | GREAT PRETENDER | 2020年 | 7月 - 12月2クール | 全23話 | WIT STUDIO | |
8 | BEASTARS(第2期) | 2021年 | 1月 - 3月1クール | 全12話 | オレンジ | |
9 | セスタス -The Roman Fighter- | 2021年 | 4月 - 6月全11話 | BN pictures | ||
10 | NIGHT HEAD 2041 | 2021年 | 7月 - 9月全12話 | 白組 | ||
11 | マブラヴ オルタネイティヴ(第一期) | 2021年10月 - 12月 2022年 7月 - 9月(再) |
FLAGSHIP LINE [1] ゆめ太カンパニー×グラフィニカ |
|||
12 | 平家物語 | 2022年 | 1月 - 3月全11話 | サイエンスSARU | ||
13 | エスタブライフ グレイトエスケープ | 2022年 2023年 4月 - 6月(再) |
4月 - 6月全12話 | ポリゴン・ピクチュアズ | ||
14 | マブラヴ オルタネイティヴ(第二期) | 2022年10月 - 12月 | FLAGSHIP LINE ゆめ太カンパニー×グラフィニカ |
|||
15 | 大雪海のカイナ | 2023年 | 1月 - 3月全11話 | ポリゴン・ピクチュアズ | ||
16 | アンデッドガール・マーダーファルス | 2023年 | 7月 - 9月全13話 | ラパントラック | ||
17 | カミエラビ(シーズン1) | 2023年 2024年 7月 - 9月(再) |
10月 - 12月全12話 | UNEND | ||
18 | メタリックルージュ | 2024年 | 1月 - 4月全13話 | ボンズ | ||
19 | 喧嘩独学 | 2024年 | 4月 - 6月全12話 | オクルトノボル | ||
20 | カミエラビ(シーズン2完結編) | 2024年 | 10月 - 12月UNEND | |||
21 | ハニーレモンソーダ | 2025年 | 1月 - 3月J.C.STAFF | |||
22 | 最強の王様、二度目の人生は何をする?(SEASON1) | 2025年 | 4月 -未発表 | studio A-CAT | KTV AT-X |
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23 | 陰陽廻天 Re:バース | 2025年 | 7月 -未発表 | 未発表 | david production |
放送局
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この節の加筆が望まれています。
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太字はレギュラーネット局。放送時間は各作品の項目を参照のこと。
地上波
★は同時ネット、△は時差ネット。
放送地域 | 放送局 | 放送有無 (2025年4月現在) |
備考 | 放送作品履歴 |
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関東広域圏 | フジテレビ ★ | 有り | 制作局 | 全作品放送(合計22本) |
近畿広域圏 | 関西テレビ △ | 『最強の王様、二度目の人生は何をする?』では製作委員会に参加。 | ||
中京広域圏 | 東海テレビ △ | |||
北海道 | 北海道文化放送 △ | 2025年4月以降も放送は継続されるが、レギュラーネットとしては打ち切り番組販売扱いに転換。 | ||
山形県 | さくらんぼテレビ △ |
合計2本
|
||
福島県 | 福島テレビ ★ |
合計1本
|
||
石川県 | 石川テレビ △ |
合計2本
|
||
静岡県 | テレビ静岡 | 無し |
合計1本
|
|
高知県 | 高知さんさんテレビ | |||
福岡県 | テレビ西日本 | 2025年3月をもってレギュラーネット打ち切り。 |
合計21本
|
フジテレビ系列外
- 青森朝日放送(テレビ朝日系列)では2020年4月 - 6月にかけて『BNA ビー・エヌ・エー』を放送[12]。
- 青森放送(日本テレビ系列)では2021年1月 - 3月にかけて『空挺ドラゴンズ』を放送[13]。
- TOKYO MXでは2022年7月 - 9月にかけて『エスタブライフ グレイトエスケープ』を[14]、2023年7月 - 9月にかけて『大雪海のカイナ』を放送[15]。
BS/CS放送
放送局 | 放送有無 (2025年4月現在) |
備考 | 放送作品履歴 |
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BSフジ[注 4] | 無し | 製作委員会参加(2025年3月まで) 「アニメギルド」[注 5]枠内 BS放送 2025年3月をもってレギュラーネット打ち切り、製作委員会からも離脱。 |
合計21本
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BS日テレ | BS放送 |
合計1本
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AT-X | 有り | CS放送 |
合計18本
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時代劇専門チャンネル | 無し |
合計1本
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アニマックス | BS/CS放送 |
合計1本
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脚注
注釈
- ^ 2025年3月改編で金曜 23:30 - 土曜 0:00枠に移動。
- ^ 北海道文化放送は番組販売扱いに切り替えて放送自体は継続。
- ^ 『INGRESS THE ANIMATION』『revisions リヴィジョンズ』『空挺ドラゴンズ』は初回放送後に間を置かず全話独占配信、『BNA ビー・エヌ・エー』は本放送より先行して前半・後半に分けて配信、『GREAT PRETENDER』は本放送より先行して各章ごとに配信が行われている。
- ^ 2018年12月1日よりBSフジ 4Kが開局、同チャンネルではHDマスターを4Kアップコンバートしたうえで放送。
- ^ 冒頭に「アニメギルド」のジングル映像が流れてから、本枠のジングル映像が続けて流れる。
- ^ 製作委員会参加。
出典
- ^ "Plus Ultra=もっと先へ" フジテレビ新作発表会、開催!「BANANA FISH」などノイタミナ声優のトークも アニメ!アニメ! 2018年2月22日、同3月8日閲覧。
- ^ a b “フジテレビ:10月から新たな深夜アニメ枠「+Ultra」 世界に向けたアニメを ノイタミナも継続”. まんたんウェブ. MANTAN (2018年3月8日). 2020年11月8日閲覧。
- ^ “フジテレビ:深夜アニメ枠を新設する理由 「+Ultra」で世界に向けた戦略”. まんたんウェブ. MANTAN (2018年10月13日). 2018年10月14日閲覧。
- ^ フジテレビ、新アニメ枠「Plus Ultra」を新設 「Ingress」を10月にアニメ化、谷口悟朗監督「revisions」を2019年1月放送 BIGLOBEニュース 2018年3月8日。
- ^ “+Ultra:フジテレビの深夜アニメ枠 クランチロール、スロウカーブと共同制作体制 世界発信を強化”. MANTANWEB(まんたんウェブ) (2021年9月23日). 2021年9月23日閲覧。
- ^ a b c @heike_anime (2022年3月11日). "TVアニメ「#平家物語」追加放送情報". X(旧Twitter)より2022年3月11日閲覧。
- ^ honeylemon_anの2025年2月7日12:01のツイート、2025年2月7日閲覧。
- ^ “高知さんさんテレビにて4月16日より放送決定!”. アニメ「空挺ドラゴンズ」公式サイト (2020年4月9日). 2020年6月3日閲覧。
- ^ アニメ『BNA ビー・エヌ・エー』 2020年9月10日のツイート
- ^ cestvs_animeの2021年7月7日13:40のツイート、2021年12月24日閲覧。
- ^ “7/21(木)より高知さんさんテレビにて放送決定!”. アニメ「エスタブライフ」公式サイト (2022年7月7日). 2022年7月7日閲覧。
- ^ “青森朝日放送にて放送決定!”. アニメ『BNA ビー・エヌ・エー』 (2020年4月3日). 2020年4月3日閲覧。
- ^ a b “青森放送、AT-Xにて放送決定!”. アニメ「空挺ドラゴンズ」公式サイト (2020年12月28日). 2021年1月3日閲覧。
- ^ 『アニメ『エスタブライフ』最終回、本日より放送!7月よりTOKYO MXにて再放送&配信サイト追加決定!』(プレスリリース)スロウカーブ、2022年6月22日 。2022年6月22日閲覧。
- ^ a b “10/13(金)劇場公開!『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』、最新ビジュアルと本予告が公開!新登場となったビョウザンを花江夏樹さんが演じることが明らかになりました!”. 『大雪海のカイナ』Official Site (2023年6月12日). 2023年6月12日閲覧。
- ^ “キャロル&チューズデイ”. AT-X. エー・ティー・エックス. 2021年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月17日閲覧。
- ^ “revisions リヴィジョンズ”. AT-X. エー・ティー・エックス. 2021年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月12日閲覧。
- ^ “BNA ビー・エヌ・エー”. AT-X. エー・ティー・エックス. 2021年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月24日閲覧。
- ^ ATX_PRの2021年7月12日20:00のツイート、2022年6月10日閲覧。
- ^ a b ATX_PRの2021年12月10日15:48のツイート、2022年5月13日閲覧。
- ^ ATX_PRの2022年5月13日14:10のツイート、2022年5月13日閲覧。
- ^ ATX_PRの2022年6月10日14:11のツイート、2022年6月10日閲覧。
- ^ ATX_PRの2022年6月10日14:15のツイート、2022年6月10日閲覧。
- ^ ATX_PRの2022年9月20日14:20のツイート、2022年11月23日閲覧。
- ^ ATX_PRの2022年12月5日18:11のツイート、2022年12月5日閲覧。
- ^ ATX_PRの2023年6月14日18:12のツイート、2023年6月14日閲覧。
- ^ ATX_PRの2023年9月7日18:50のツイート、2023年9月7日閲覧。
- ^ jidaigekichの2023年5月2日15:00のツイート、2025年2月8日閲覧。
- ^ “ON AIR(2025年1月30日時点のアーカイブ)”. TVアニメ『ハニーレモンソーダ』. 2025年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月7日閲覧。
外部リンク
- 「+Ultra」公式サイト
- フジテレビ「+Ultra」 (@plusultra_tv) - X(旧Twitter)
フジテレビ 木曜 0:55 - 1:25(水曜深夜) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
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BSフジ アニメギルド 木曜 0:00 - 0:30(水曜深夜) | ||
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ULTra
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/16 05:38 UTC 版)

ULTra (Urban Light Transit)とは、英国のエンジニアリング会社であるUltra Global PRT(旧・Advanced Transport)によって開発された、個人用高速輸送(PRT)PODCARシステムである.[1][2]。
最初の公共システムはロンドンのヒースロー空港で2011年5月に運行を開始し、21の車両によって 第5ターミナルから空港の北に位置するビジネス客用の駐車場までの3.9キロメートルの経路を結んでいる[3]。
建設コストの低減するため、ULTraは軌道走行用のゴムタイヤなどの既存の技術を活用している。同社は、これによりその総費用(車両・インフラ・制御システム)は軌道1キロメートルあたり300万ポンドから500万ポンドの間に納まるとして、ULTraシステムの経済性を強調している[4]。
ULTraの始まり
ULTraシステムは、1000万ポンドを投じてマーティン・ロウソンと彼の設計チーム"Lowson"によって設計された。マーティンはAdvanced Transport Systems(ATS)をカーディフで開発し、その場所は後に試験走路となる。ULTraは英国科学・技術・芸術基金(NESTA)に2度表彰された[5]。1990年代に行われたULTraでの独自の研究の多くは、ブリストル大学の航空宇宙工学部門でなされた。近年では、主要な事業活動を冠して会社名を"Ultra PRT Ltd"と改め本社をブリストルに移している。
背景
過去の個人用高速輸送のデザイン
個人用高速輸送(PRT)はもともと1950年代から人口密度が低いため従来の地下鉄では採算が取れず敷設できない地域での移動需要に応えるために開発された。自動運転は数秒からコンマ数秒までの運転時隔の短縮をもたらした。これにより輸送能力が増えたことで、時間当たりの輸送量を確保しながら車両を小型化することが可能となった。車両の小型化は軌道の簡略化と投資額の低減に寄与した。従来の大量輸送システムでは採算が取れなかった小さな町や都市が、実現可能な手段として個人用高速輸送に強い興味を示すようになる。
1960年代の終わりから1970年代初頭にかけて、多くのPRTシステムがデザインされ、その多くがアメリカ合衆国住宅都市開発省による報告(HUD reports)の中でもたらされた。 一般に、それらのは小さな4-6人乗りの車両の使用を企図していたが、次第に設計は大型化していった(Alden staRRcar)。このことは車両や軌道の長大化と資本コストの増大を招き、それに伴い注目は低下した。最終的には、PRTシステムは、コンセプトを実証することを目的とした政府出資のデモンストレーションシステムであるモーガンタウン・パーソナル・ラピッド・トランジットが唯一の建造されたのみだった。当初は無用の長物として嘲笑されたものの、同システムは信頼性が高く比較的低コストで稼動できることを証明した[6]。
Ultra
モーガンタウンでのPRT稼働以降、低コストのPRTシステムのコストを低減させる汎用技術がいくつか開発された。 その中でも単純でかつ核心的なのものは、効率的で、信頼性のある、急速充電システムの開発であった。過去のPRTシステムは、従来の地下鉄と同様、電力供給を第三軌条方式で行っていたが、駅や路線沿い設置した小型充電板で急速充電する方式に代替することが可能になった。集中制御コンピュータから飛躍的に性能が向上した搭載型システムへ誘導ロジックが移行したことによって、車両自体が進路を決られるようになった。これにより、軌道への誘導装置の設置(例えば、 フォード式ACT)が必要なくなった。 同時に、これらの変化によって車両の軌道との機械的な接触は不要なものとなり、大幅な簡素化を可能にした。
Ultraの場合、駐車場に置かれるバンパーのような並列するコンクリートの壁だけで構成することも可能である。コンクリート壁はカーブなどで車両を接触させて進路補正するときだけに使われる。内部の地図情報に基づき車両が自立して曲がるため、進路変更装置は必要なくなる。車両は駅で停車時に充電するため、軌道上での電力供給も必要ない。これによって、軌道は通常の道路と同程度のもので済み、走るのが普通乗用車程度のサイズものであっても、トラクター大からトレーラー大までサイズ変ってもがその仕様は変わらない。駅が大幅に簡略化されていても、据え置きのインフラを要さないために、車両を軌道沿いのどこにでも留めることができる。ヒースロー空港の駅は、ガソリンスタンドの庇と同様の雨除が付いた斜めに配置された駐車場に似ている。
ヒースロー空港での初の商用システム開発の一環として、2005年に空港のオーナーであるBAA Airports Ltdが、Ultraの株式の25%を購入した[7]。 この成功裏に終わった立ち上げの後、空港と最寄りの町で従業員の多くが住んでいるStaines-upon-Thamesを結ぶ計画が進行している[8]。
用語
車両
電動の車両は、4席で搭載可能重量が500 kgあり、時速40 kmで20%勾配まで許容するよう設計されているが、同社は運転ルートの勾配を10%までに留めれば乗り心地が向上するとしている。車両は乗客のみならず車椅子やショッピングカートその他の荷物にも対応している。
各ポッドは平均2 kWの4つのバッテリーを動力源としており、車両総重量を8%増加させている。 その他の仕様としては、回転半径が5m、エネルギー要件は旅客キロメートルにつき0.55 MJ、時速21.6kmで走行時に10mの距離から測定した走行騒音レベルは35 dBAである[9]。
また、同社は貨物バージョンも開発設計している。 旅客バージョンと同じ外観であるが、その全内部空間は貨物カプセルの取り扱いに適合している。距離小型貨物の輸送にも使えるネットワークは空港という環境において貴重なものとなりえる。
制御技術
Ultraによると、その制御システムは以下の3つの階層で運用される:
中央同期制御
- 迅速に旅客を車両に割り当てる
- 所定の進路を辿り、到着時間が調整されるよう車両を制御
- 車両同士の干渉の排除
- 空車管理
車両の自動運転制御
- 同期制御からの指示を受信
- レーザー光を用いて継続的に車両位置と向きを確認して、ポッドを目的地まで誘導
車両保護システム
- 鉄道のような閉塞信号システムを基本とする
- 車両のセンサーと軌道内に設けられた誘導磁界
- 各車両は継続的な"前進"信号の受信によってのみ前進する
- その他の層の制御から独立したフェールセーフシステムを提供するため、各ポッドがあるエリアに接近する他のポッドに停止信号が出される。
試験走路

2002年6月から1kmの試験走路が立ち上がった。 英国政府の様々な財源から400万ドルが試験走路に出資された。1台の電動式車両が走行速度は25マイルで走行し、正確に停止し、急勾配を上り下りするデモンストレーションを行った。 初歩的な地上駅が単一で置かれた。
試験走路の大半は地面に置かれた。商用利用には、90%以上の軌道が高架となるとされた。高架軌道は約1.5メートル幅である。仮想都市への設置を想定した研究によれば、19.8キロメートルの軌道(89%が効果)の建設には、軌道および関連する土木工事の総額はキロメートルあたり290万ポンドと推定された。1駅当たりの費用は48万ポンド(89万ドル)と推定された。車両コストはこの中に含まれていない[10]。
展開
ヒースロー空港(第5ターミナル)
Heathrow Pod | |
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|
運営 | |
保有車両数 | 22 |
仕様 | |
路線総延長 | 3.9 km (2.4 mi) |
2010年10月にロンドンヒースロー空港の第5ターミナルで乗車テストが開始され[4]、2011年5月から1日22時間、週7日で正式稼働した。2012年5年の運行統計は99%以上の信頼性、通年の乗客の平均待ち時間を10秒とそれぞれ記録している。UltraはLondon Transport AwardsやBritish Parking Awardsから数多くの賞を受賞した[11][12][13]。
ヒースロー空港のオーナーであるBAAに代わり、同空港第5ターミナルとビジネス客用駐車場の3.9kmを結んでいる[14][15]。システムの開発費は3000万ポンド[16]。
軌道の建設は2008年10月に完成した。路線の多くは高架化されているが、空港北側の滑走路アプローチエリアでは地平部もある。 3つの駅(第5ターミナル内に1駅、駐車場内にPARKING AとPARKING Bの2駅)は Gebler Tooth によって設計され、乗客はタッチパネルインタフェースで操作が可能である。空港スタッフによる乗車テストを含む各種テストを経て、路線は2011年5月に旅客実証試験として営業を開始した[17][18][19]。後に、完全供用を開始し、駐車場と第5ターミナルを結ぶバスは廃止された。 ポッドはバスよりも50%少ないエネルギーで、1日22時間運行する[20]。左側通行の英国のほぼすべての道路や鉄道と異なり、PRTシステムは右側通行である。 2013年5月には、PRTシステムは旅客数600,000人の大台を達成した[21]。
開発者は、個人ポッドを最大時速40kmにまで引き上げ、利用者の待ち時間を平均約12秒、95%の乗客の待ち時間を1分以内に抑えることを期待している。
提案
アラブ首長国連邦アジュマーン(契約締結)
2017年7月に、Ultra-Fairwood(合弁会社)[22]がアジュマーン政府とアジュマーンの街にシステムを建設する契約を締結したと発表した。提案では軌道延長は120キロメートル、線路延長76キロメートル、115駅が設置される。1,745編成の車両によって運行され、1日164万人の旅客の取り扱いが可能とされる。システムは二つの重複するネットワークで構成される。最初のPRTシステムは高架を走行し高架駅を発着する6座席の車両が用いられる。第2弾は主に地平に敷設され3座席の車両によって運行されるGroup Rapid Transit(GRT)である。車両はインドの工場で生産される。プロジェクトの総規模は8億8100万ドルとなり、Ultra-Fairwoodが供給するシステム分だけでも7億2300万ドルに上る[23]。
インド・グルグラム(提案)
2010年3月、ハリヤーナ州政府がグルガオンに旅客輸送の手段落としてUltraを将来導入することを検討しているとした。同市では、総距離が約100キロメートルに及ぶ10から12の別々のルートが検討されている[24]。
2012年7月、ハリヤーナ州首相が3か月以内に完全に必要なすべての手続きを終えて、プロジェクトを開始するよう命じたと報じられる[25]。2016年10月には、インドの運輸大臣Nitin Gadkariが競合する4つの提案を受け術提案を受ているが、同システムはまだ承認と入札の対象となっていると述べた[26]。
2017年1月に、UltraはSkyTran・Metrinoとともに展開グルガオンやバンガロールでの展開の可能性について技術的に検証するための試験走路の建設を承認された。 各社は自己資金調達での建設を求められている[27]。2017年8月にMetrinoが建設に着手しないまま撤退したが、検証は未だ進行中である.[28]。
ヒースロー新PRT(延期された提案)
2013年5月には、ヒースロー空港会社が、5か年基本計画(2014-2019)の草案の一部として、PRTシステムを第2ターミナル・第3ターミナルと各ビジネス客用駐車場との接続に使用する意向を発表した[21]。本提案は他の主なプロジェクトへの投資が優先されたため最終計画に含まれておらず、繰り延べられている。
また、PRTを延長し400のポッドを使って、空港と近隣のホテルを結ぶ計画もある[29]。
インド・アムリトサル(失敗)
2011年10月に、Ultra-Fairwood(合弁会社)がインドのアムリトサルインドで8kmの高架軌道と7駅を敷設してY字状の路線を建設し200以上のポッドで運行する計画を発表した。路線は鉄道駅・バス駅、 ハリマンディル・サーヒブ(黄金寺院)を接続するよう計画された。初期の予測では午前4時から深夜まで黄金寺院の訪問者の35%に相当する100,000人の旅客が利用するとされた。2014年までに民間資金で構築・自社運営した後に、行政に所有権を移転する(BOOT)方式で計画された[30]。
この買収提案は地方政府から進行中の案件として発表され、布石が打たれた[31]。提案されたルートはHall Bazaarを中心に一部の事業から反発を受け 、ルートから鉄道駅と寺院が結ばれるKatra Jaimal Singh地域が除かれた[32][33]。
2013年3月にパンジャーブ州政府はプロジェクトをスイス・チャレンジ方式で競争入札にかけると発表した。Ultra-Fairwoodは入札に応じると目された3業者の1つだった[34]。政府は2013年6月末までに結論を出すだろうと予想されていた[35]。
2014年6月に取りやめられ、安価で迅速なバス輸送システムに置き換えられた[36]。
脚注
- ^ “Company Information”. Ultra corporate website. 2012年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月18日閲覧。
- ^ “ULTra ™ (Urban Light Transit)”. Corporate brochure (2009年6月1日). 2013年5月18日閲覧。
- ^ “Heathrow T5”. Ultra Global website. 2013年5月18日閲覧。
- ^ a b "ULTra FAQ" Archived 11 October 2007 at the Wayback Machine., ULTra PRT site
- ^ "Martin Lowson, Advanced Transport Systems Ltd awardee profile" Archived 26 September 2006 at the Wayback Machine. NESTA milestones
- ^ Hamill, Sean D. (2007年6月11日). “City's White Elephant Now Looks Like a Transit Workhorse”. The New York Times
- ^ “Heathrow Tests Personal Rapid Transit System”. 2018年2月25日閲覧。[リンク切れ]
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参考文献
- Isaiah Litvak and Christopher Maule, "The Light-Rapid Comfortable (LRC) Train and the Intermediate Capacity Transit System (ICTS): Two Case Studies of Innovation in the Urban Transportation Equipment Manufacturing Industry", University of Toronto/York University Joint Program in Transportation, 1982
外部リンク
ウルトラ
(Ultra から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/28 00:29 UTC 版)
ウルトラ(ultra[ʌ́ltrə])は、英語において「過度の」「極度の」「超」などの意味を表す接頭語。英語での発音は「アルトラ」。語源はラテン語のultra(ウルトラー)。ultima(アルティマ、ウルティマ)も同じ語源である。
スーパーの代わりに使用する場合は、ハイパーと同様に「スーパー」の状態を超越したニュアンスを表すことが多い。昭和初期には急進的の意味で頻繁に使われた。アメリカでは「最重要機密」を示す符丁としてウルトラが使われていた。
ウルトラ(Cを除く)
日本では下記の『ウルトラシリーズ』をはじめとする作品タイトルなどで広く使用されている言葉だが、海外ではそれほど一般的ではない。
特撮作品
漫画作品
テレビ番組
- アメリカ横断ウルトラクイズ
- ウルトラアイ
- ザ・ウルトラシェフシリーズ - LaLa TVなどで2007年から放送されている、料理バラエティ番組の総称。
- ザ・超人シェフ - 上記シリーズのうち、放送開始からシーズン3までの番組名。超人はウルトラと英訳読みする。
- ザ・ウルトラシェフ - 上記シリーズのうち、シーズン4およびExtraでの番組名。
その他
- ウルトラ (アルバム) - デペッシュ・モードの9枚目のアルバム。
- ウルトラス - サッカーなどのスポーツの熱狂的サポーター。フーリガンも参照。
- ウルトラ (暗号解読) - エニグマ暗号解読を行なったイギリスの政府通信本部内のグループ
- ウルトラ情報 - 上記ウルトラが解読した情報の呼称。
- ウルトラ (政治) - 1960年代に、マレーシア及びシンガポールで用いられた政治用語。
- ウルトラ・ミュージック・フェスティバル - 世界最大規模のダンスミュージックの祭典
- ウルトラシリーズ - 横井軍平が手掛けた任天堂の玩具シリーズ。ウルトラハンド、ウルトラマシン、ウルトラスコープが発売された。
- ウルトラ64 - 任天堂のスーパーファミコンの後継機であるNINTENDO 64の正式名が決定する以前の海外での名称。ユーザーの間では「ウルトラファミコン」とも呼ばれていた。
- なお、NINTENDO64の製品型番のアルファベット部分はNUS(Nintendo Ultra Sixtyfour)である。
- ウルトラ・プロミネント峰の略称
- 超人ウルトラベースボール -カルチャーブレーンより発売されたファミリーコンピュータ用野球ゲームソフト。
- ウルトラマリン Ultramarine - 無機顔料の一種。
- ULTra - Ultra Global PRTが開発した個人用高速輸送システム。
- 宇瑠寅太郎 (1989 - ) - 大相撲力士、本名は高橋徹。
- ウルトラワイド・フォーマット - アスペクト比が2を超える写真、ビデオ 、ディスプレイのフォーマット。
- 9x18mmウルトラ弾 - ドイツで開発された弾薬。
- MKウルトラ計画 - アメリカで行われた洗脳実験。
ウルトラC
ウルトラC(ウルトラシー)は、難度Cを超える難易度の技を指す、体操競技用語。1964年頃より使用される。
- ウルトラC (東京事変の映像作品) - 東京事変のライブ映像集
- ウルトラC(チャーミング)! - 『電撃G's magazine』連載の読者参加企画
- ウルトラC (お笑いライブ) - 日本のお笑いライブ
- ウルトラキャッツ - テレビ番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』からデビューした歌手ユニット
- ウルトラC - ウルトラキャッツのアルバム
- 恋のウルトラC - ジョニー・ティロットソンの楽曲「I Rise, I Fall」に付けられた邦題のひとつ。別邦題「君に心をうばわれて」。
- ウルトラCでやりましょう - 二宮ゆき子のシングル「まつのき小唄」オリジナル盤のB面収録曲
関連項目
ULTRA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 20:02 UTC 版)
油絵のようなこってりした発色をする。感度ISO100で35mmサイズのみがあった。以前は、ULTRA50 (ISO50) として35mmと120ブローニーサイズがあった。製造終了。
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「Ultra」の例文・使い方・用例・文例
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