ハリマンディル・サーヒブとは? わかりやすく解説

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ハリマンディル‐サーヒブ【Harmandir Sahib】

読み方:はりまんでぃるさーひぶ

インド北部パンジャブ州都市アムリツァルにあるシク教寺院16世紀シク教4代教祖ラームダスにより建設はじめられ17世紀初頭完成。「アムリタサラス」(不死の池)を白大理石回廊囲み中央黄金聖所が建つ。シク教総本山であり、多く信徒巡礼訪れる。ゴールデンテンプル黄金寺院


ハリマンディル・サーヒブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/07 18:35 UTC 版)

ハリマンディル・サーヒブ(黄金寺院)

ハリマンディル・サーヒブパンジャーブ語: ਹਰਿਮੰਦਰ ਸਾਹਿਬ英語: Harmandir Sahib または Golden Temple)は、シク教総本山にあたるグルドワーラー(シク教の寺院)の名称である。インドパンジャーブ州アムリトサルに位置する。日本では 黄金寺院 と呼ばれることが多い(ただしインド圏には他宗教の「黄金寺院」もいくつか存在する)。シク教徒にとっては最も尊い巡礼地である。

概要

黄金寺院地図

1574年、シク教4代グル(指導者)のグル・ラーム・ダースのときに建築が開始された。完成したのは1604年で、そのときにはグルは次の代、5代目のグル・アルジュン・デーヴになっていた。現在は11代グルに代わる「永遠のグル」として聖典グル・グラント・サーヒブ』が納められている。

ハリマンディル・サーヒブは、120m×150mの人工池の中央に浮かぶように建っており、池と一体化した景観が特徴である。この池は「アムリタ・サラス」(不死の池)」と呼ばれ、多くの巡礼者が沐浴を行っている。池の四方は大理石等で建造された白亜の建築物回廊で囲まれており、本殿の黄金と大理石の白、池の水のコントラストは美しい。建築物には時計塔博物館、休憩所、宿坊、無料の食事(ランガル[1] カースト制を否定する意味で皆で席を並べて食べる[2]、一種の宗教食)が振舞われる食堂などもある。これらの建築は北インド系のヒンドゥー様式とイスラーム建築を融合・昇華させたものとなっており、ヒンドゥー教イスラーム教双方から影響を受けたシク教成立の経緯を示している。

また、ここにはシク教の最高機関である「シク議会」(シク教寺院運営委員会 en:Shiromani Gurdwara Prabandhak Committee、SGPC)が置かれている。

黄金寺院事件

1919年、逮捕令状なしの逮捕、裁判抜きの投獄を認める「ローラット法」の成立に反対した民衆が抗議のために黄金寺院の脇にある広場に非武装の集会を開いていたのに対して、イギリス将校が無差別発砲を命じ、イギリス軍が発砲。1,500名以上の死傷者を出す惨事となった。 1984年にはシク教の神権政治独立国家「カーリスターン」建国をめざすジャルネイル・シン・ビンドランワレ率いる過激派シク教徒武装勢力が立てこもり、インド軍の攻撃によって一般人を含め多くの犠牲者を出す事件が起きた(ブルースター作戦)。しかし以降は治安も回復し、現在は平穏で安全な巡礼・観光地として賑わっている。

画像

純金箔で覆われた2階建ての本殿は大理石の上に建てられている。池の周囲の回廊状の建築も白大理石で建造されている。

関連項目

脚注

  1. ^ ルールがある(映画『聖者たちの食卓』HPから)。
    • 寺院に入る前は、手を洗い、靴を預け、足を清める
    • 宗教、階級、年齢、性別に関係なく、全て一緒に座る
    • ターバンまたは、タオルを着用(レンタル有)
    • 残さず全部食べること、お代わりは自由
    • 使った食器は指定の場所へ戻す
    • 酒、たばこ、革製品の持ち込みは禁止
    • 一度の食事を5,000人でとるので、譲りあいを忘れない
  2. ^ "シク教は「人間が子宮の中にいるうちは、カーストなどありはしない」と教える""地位や性別、年齢に関係なく、ともに料理をし、同じ床に座って食べ、後片付けをする。誰もが公平に働き、おなかを満たし、幸せな気分になる。それ自体が「聖なること」なのだ"(「中日春秋」中日新聞2014年10月18日) 。

外部リンク

座標: 北緯31度37分12秒 東経74度52分36秒 / 北緯31.62000度 東経74.87667度 / 31.62000; 74.87667



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