高輪築堤
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高輪築堤(たかなわちくてい)は、日本初の鉄道の開業(明治5年)に際して、東京府高輪(現在の東京都港区)で東京湾の浅瀬[新聞 1]に建造された築堤である。
出典
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高輪築堤
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高輪築堤(たかなわちくてい)は、日本初の鉄道の開業(明治5年)に際して、当時高輪周辺の土地は軍事を担当する兵部省の軍用地や、旧薩摩藩邸があり、国防上必要であるとの理由で兵部省が鉄道局への引き渡しを拒んだことから、大隈重信は海上に鉄道を敷設することを指示、イギリス人技師エドモンド・モレルの指導の下、本芝 - 品川停車場間(現:田町駅 - 品川駅間)の約2.7 kmを建造当時の海岸線に沿うように、海上に建設された築堤である。築堤には幕末に建設された台場の技術が活用され、石材には未完成の台場や高輪海岸の石垣が転用・流用されている。そのため、日本の在来技術と西洋の近代技術の折衷を見ることができ、世界的にも稀な海上鉄道の姿を今に伝える遺構である。明治末期から昭和初期にかけて付近の埋め立てが進んだため正確な位置が分からなくなっていたが、2019年4月に当駅西側周辺の再開発工事に際し、約1.3 kmにわたって高輪築堤の遺構が発見された。JR東日本は、高輪築堤の調査や研究を港区教育委員会などと進めた上で、築堤の一部保存および移築保存を通じた公開展示(2021年1月10日 - 1月12日には事前応募制の現地見学会を実施)などを検討している。また、港区の監督の下、外部の有識者らで作る「高輪築堤調査・保存等検討委員会」を設置し、調査を進めている。しかし、JR東日本側は調査や保存による再開発計画見直しの懸念もあり、全面的に保存するのは難しいとしている。これに対し、日本考古学協会は2021年1月及び同年3月に、高輪築堤は日本最初の鉄道が開通した際に造られた世界的にも珍しい海上築堤であり、小規模な一部保存では高輪築堤の意義が損なわれるとして、JR東日本や文化庁などに対し、現地での全面的な保存を求める要望書を提出している。他にも産業遺産学会や日本歴史学協会など20以上の団体から保存などの要望が出ている。文化財の指定等及び保存・活用に関しての事項の調査審議を行う文化審議会文化財分科会も「日本の近代化に関する遺跡として重要」と評価し、現地保存を求めるという意見表明を文化庁に提出している。文部科学相は国史跡の指定も視野に、調査費の支援を進める考えを示している。 これらの意見を受けてJR東日本は2021年3月23日に、計画中の再開発ビル4棟のうち1棟の設計を見直し(3街区)、築堤の一部を現地で保存する考えを示した。設計変更などの費用は概算で300億から400億円程度を見込んでいる。同年4月21日には、JR東日本が「高輪築堤調査・保存等検討委員会」が取りまとめた内容を踏まえて、「第七橋梁」付近約80 m(3街区)と公園隣接部約40 m(2街区)を現地保存、信号場跡付近約30 m(4街区)を移築保存、その他の地区は記録保存をすることが発表された。同年5月17日から解体・記録する本調査を着手している。 2021年8月23日には文化審議会が、「旧新橋停車場跡」に現地保存を表明している橋梁部を含む2か所の計約120 m分を追加指定する形で史跡にするよう文部科学大臣に答申した。同年9月17日の告示によって正式に史跡指定されている(指定名称は「旧新橋停車場跡及び高輪築堤跡」)。 2022年2月22日には、国際記念物遺跡会議が「発掘・記録・破壊のサイクル」の停止とより広い範囲での一般公開、開発計画の見直しなどを求めている。 大隈重信ゆかりの地である佐賀県は事業費6900万円を投じ、国史跡の範囲から外れた部分から約300個の石を譲り受けて佐賀県立博物館(佐賀市)敷地内に幅10 m、奥行き10 m、高さ1.9 mの規模で石垣の一部を復元し、2022年4月15日に除幕式を開いた。同県は2021年7月16日の定例会見において、遺構の一部を県内に移設させたい考えを示し、佐賀県立博物館で一部(長さ10 m・高さ1.5 m)を復元して保存することを同年9月8日に発表していた。また、同年4月17日には、唐津市にある早稲田佐賀中学校・高等学校にも、石垣で使われていた石が2つ移設された。
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