食品安全事件
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1986年 台中で、統一企業が委託する「永欣麵包廠」で製作していたアップルパン(中国語版)から食中毒事件が発生した。問題があったかにかかわらず、5つの委託工場を閉鎖したと述べた。 2001年 イギリスで製造されていた醤油とオイスターソースの中から、発ガン性物質である3-MCPD(英語版)が欧州基準 を上回る量が検出され、醤油とオイスターソースの輸出が禁止された。 オーストラリア食品基準局はその後、検査を強化し、統一醤油を含めた多数の醤油とオイスターソースの輸入を禁止した 2004年 中華民国行政院衛生福利部は、国立清華大学にダイオキシン含有量の調査を委託したところ、統一牛乳にEUの上限を上回るダイオキシンが含有されていたことが明らかになった。統一企業は「台湾では食品中のダイオキシン含有量に関する規制基準がまだ確立されておらず、福利部がメーカーのリストを公表することは無責任である」と述べた。しかし清華大学の研究では、「人が毎日食品から摂取するダイオキシンは、肉30%、魚介30%、卵と油脂が32%、乳製品が8%であり、そのうち牛乳では3%である。毎日消費する牛乳の量の10倍を飲んでも、まだ安全範囲である」と述べた。一方で、医師は「ダイオキシンの長期摂取は肝機能を損傷し、また流産につながる」と指摘している。 2009年 中国海南省海口市工商局は、飲料「統一蜜桃多」を含む9個の商品から基準値を超えたヒ素が検出されたと発表した。その後の再検査ではすべてが合格した。これについて王建禄副局長は「これは手順上の誤りであり、検査ごとに十分なサンプルがあるため、直接発表せず、最初に企業に通知されるべきであり、製造業者が異議をとなえた場合は再検査できるようにすべきだ」と述べた。 2011年 中華民国経済部工業局で5月30日に公布された検査結果によると、統一寶健運動飲料の「寶健則」でフタル酸ジイソノニル(DINP)が1ppm以上検出され、統一寶健など7食品のGMP認証を取り消し、また統一企業に起雲剤(中国語版)を用いない製品の製造を命じ、直ちに検査のための発送を行わせた。 また同年6月15日には、消基会(中国語版)及び行政院消保会で2011年台湾可塑剤事件(中国語版)の515件の訴訟が成立し、最高で1億元の賠償を求められた。消保会が受け取った384件の訴訟のうち、LP33カプセルと寶健運動飲料への訴訟で66件を占めた。また消基会は131件の訴訟を受け取り、関連企業20社を招集し業界に対して調停と仲裁を受け入れるよう依頼し、消費者に補償するための保護基金を建てるよう提案した。統一企業は基金を支援する意思を表明したが、政府はまだ基金を設立していない。 2012年 台北市政府衛生局は3月26日に検査した322件の商品から、6項目の可塑剤が発見され、10件の産品から基準値を超えた可塑剤が検出され、統一生機公司の「Santa Cruz100%有機檸檬汁」からはフタル酸ジイソデシル(英語版)(DIDP)が7.2ppm検出された。統一企業は「Santa Cruz100%有機檸檬汁はアメリカのスマッカー(英語版)の工場で製造されており、可塑剤を添加することなく搾りたて有機レモンから作られている。ボトルのシールが溶けたとの疑いがある」と声明を出した。 しかし行政院衛生省の可塑剤のデータによると、DIDPはDEHPとは異なり、発がん性を証明する十分な科学的根拠はなく、生殖器への毒性も明らかではなく、また内分泌撹乱物質ではないとしている。 2013年 5月31日のTVBSの報道によると、統一食品の工場内のプリンが警察によって押収された。調査データによると、統一食品は「立光農工業公司」の原料を6年に亘って使っていた。立光農は工業用のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA-2Na)を原料の化合物として使用し、食品用の3分の1の価格で製造し、通常の価格で統一食品や愛之味(中国語版)をはじめとする大企業に販売したことが明らかになった。 同時に統一食品は製品が汚染されているわけではないと声明を出したが、念のため、統一プリンを含む7製品を回収し、生産停止とした。もし立光農が違法な問題に関与していた場合、立光農は法律に従って訴追される。 また司法調査に協力して事実を明らかにし、製品の原材料が安全であることを確認してから生産を再開する。 6月15日には統一プリンに工業原料が含まれておらず食用であることを確認し、統一プリンほか6商品の出荷を再開した。 6月25日 - TVBSの報道によると、統一超商で扱っている「瑞穗蛋捲冰淇淋」、「冰之戀巧克力」、「義美(中国語版)雪捲」、「小美大盛冰」の4つのアイス製品を室温で2時間置いたところ、小美大盛冰を除く三商品が溶けないことが判明した。統一企業の公関経理涂忠正によると、「購入した段階では冷凍庫の温度のままだが、冷凍庫の温度が低いほど凝固の強度が増し、比較的ゆっくりと溶けることがある。」と話している。同日TVBSの報道で乳化剤が添加されている可能性があるとした。 その後7月4日に東森電視の呉逸文が統一のアイスを2日間針に吊るして長明燈にさらす実験を行ったところ、24時間経っても溶けなかったことが判明した。涂忠正はこれに対し「溶ける速度は温度、乳化効果、粘度で決まる。溶解しやすそうな印象とは異なり、食品衛生管理法に基づいた原材料を使っている。そのためコストは高くなっている。」と述べた 詳細は「商業周刊報導市售牛乳驗出禁藥事件」を参照 11月20日の商業周刊(中国語版)の報導によると、市場に出回っている生乳の60%には抗うつ薬、避妊薬、可塑剤、鎮痛剤が含まれていると報道した。 中でも「瑞穗巧克力牛奶」には抗生物質の代謝物であるピリミド[a]アゼピン(Pyrimido[a]Azepine)、人工女性ホルモン、及び避妊薬の代謝物であるテトラクロロ-o-ベンゾキノン、及び2種類以上の可塑剤に汚染されていると公表した。また「Dr. Milker極鮮乳」には、脂肪には抗うつ剤と鎮痛薬の代謝物であるデヒドロキシル-ビンカジンと、抗生物質の代謝物であるピリミド[a]アゼピンが含まれていると公表した。 2014年 統一超商のプライベートブランドであるヌードルである「大燒包」「關東煮」からは、強冠黒心油の使用が疑われていたが、事件発生後率先して報告しなかった。衛生局は事件発生後、翌日に訪問すると応答し、最終的に除去された製品のリストに含まれることとなった。統一企業が生産する牛肉風味のインスタントラーメン17品目には、日本の三菱商事が購入した頂新が使用する問題の油を使用しており、統一超商が販売する「關東煮麻辣湯」にも三菱商事が購入した頂新の油が使用されている。このことは隠匿されていたが、2014年10月23日に食薬署(中国語版)によって発表された。
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