食品安全面での問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 15:20 UTC 版)
カンガルーは基本的に放し飼いで自然の餌を食べていることから、とても安全な食品だと研究者にも言われてきた。抗生物質や食品添加物などに汚染されている危険性も少ないとされる。 ところが、2008年、ロシア政府は、オーストラリアから輸入されたカンガルー肉から抗生物質が検出されたと発表した。翌2009年にも、オーストラリア産のカンガルー肉や牛肉から大腸菌などが検出され、輸入基準を充たさなかったとしている。 EUも、動物保護団体「アニマル・リベレーション(Animal Liberation, 動物解放)」に委託してカンガルー肉の安全性などについて調査を行ったところ、衛生面の問題があるとの報告を受けた。同団体が提出した報告書『闇の中での銃撃(A Shot in the Dark)』では、大腸菌やサルモネラ菌が検出されたとしている。夜間には気温が摂氏30度になるような車の荷台に7-8時間も放置されたり、管理不十分な冷蔵庫に長期間保存されたりと、現状は衛生的に問題があるとしている。そして、食肉加工には高い衛生基準が要求されるべきもので、野外でのカンガルーの解体が基準を充たすことは不可能だと結論付けている。 しかし、カンガルー肉業者側からは、そもそも狩猟獣肉に対して工業的な家畜食肉加工と同じ水準を求めることは不合理であるとの不満もある。
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