録音と制作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 07:11 UTC 版)
「JUPITER (BUCK-TICKの曲)」の記事における「録音と制作」の解説
12弦を持ったのも、単純にBUCK-TICKにアコースティックなものをもっと取り入れてみようかなということでつくったんですけど、その頃の変化を求める感じは確かに大きいですね。挑戦というか、トライしてみたというか。余裕が出始めたのかなという気がしますけど、自分の中ではそういうターニングポイントになったことは確かですね。 星野英彦, 別冊カドカワ 第747号 作曲を担当した星野英彦曰く、本作はコーラスをメインにしたいという欲求から制作された曲であるという。アルバム『悪の華』においてアコースティックな音使いを目指した曲は存在したが、それを踏襲せずにギターとコーラスによる曲構成で新たなイメージで制作を行ったとも述べている。当初はエレクトリック・ギターを使用してデモテープを制作したものの、イメージと合わないことから星野は本作において初めてアコースティックの12弦ギターを使用することとなった。また、本作制作時に高熱を出して寝込んでいた星野であったが、イメージが湧いてきたのでフラフラになりながら無理をして作ったという逸話もある。後年星野は「この曲は自分の音楽人生において大きなターニングポイントになった。シングルになったということも嬉しかったし、自分の居場所を見つけた感覚があった。色んな曲を作ってきたけど、JUPITERが一番自分でもしっくり来る」と語っている。 歌詞に関して櫻井は、本作およびカップリング曲である「さくら」は前年に死去した母を題材にしたと述べている。当初は歌詞に私的な内容を盛り込むことに躊躇していた櫻井であったが、他に書くべきテーマがないことから今井および星野が制作した2曲を使用したことに関して、「2人が書いてくれた2曲を借りて書かせてもらったんです」と述べている。当時の櫻井は母が死去したことを忘れて真夜中に実家に電話をかけ、母が電話に出ないことで一瞬戸惑ってしまうようなことも度々あったと述べている。しかし櫻井は「お涙ちょうだいになるのはイヤなんです」とも述べ、母の死は「隠すことでもひけらかすことでもない」とした上で、「時がたてば忘れるって言うけど、それがイヤだから2人の曲をもらって(歌詞として残した)」ことが目的であったとしている。
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録音と制作
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「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」の記事における「録音と制作」の解説
1963年のクリスマスの後、新曲を書き上げたばかりのクックは、興奮さめやらぬ様子で自宅にJ. W.アレクサンダーを招いた。アレクサンダーが到着すると、クックはアレクサンダーのギターにのせて二回歌い、その二回目には完成した詞が乗せられた。アレクサンダーは、これを彼がこれまでに試みた何よりも個人的かつ政治的なものであるとみなし、二人はこの楽曲を録音することにとても興奮した。この楽曲はこれまでクックが発表した曲よりも重く、ポップでないため、利益を得られないかもしれないと、アレクサンダーはクックに警告した。しかし、クックがそれを気にすることはなかった。クックはアレクサンダーに、自分の父親が誇りに思ってくれるような楽曲にしたいと説明したという。伝記作家のピーター・グラルニックは、「これまでに彼が書いたどの楽曲よりも簡単に作られたものである」と語っている。 クックは、彼の協力者であるルネ・ホールに、クック自身の望みについては具体的な説明はしなかったが、「曲に必要な楽器やオーケストレーション」を与えるために手渡した。以前に、彼らは共同で編曲を行ったことがあったが、今回は初めてホール自らが最終的な編曲を全て行い、彼は映画のスコアのように豊かなシンフォニック・ストリングスを作曲した。 AFOレコードのドラマーであったジョン・ボードローは、オーケストラ用の編曲に威圧され、コントロール・ルームから出ることを拒否してしまった。セッション・ミュージシャンであり、クックの過去の作品に度々参加していたドラマーのアール・パーマーが、隣の部屋で演奏をしており、ボードローの抜けた穴を埋めた。ルイージ・クレイトアーは、クックにさらなるテイクを頼み、8回目のテイクは「ほぼ完璧な」ものとなった。ルイージは、この楽曲がそれまでの彼のヒットの中では、極めて深刻であると同時に、独自に自分らしく仕上げたことを考慮し、非常に満足していた。しかしクックは当初、何よりもまずヒットメイカーであったルイージが、社会を意識した歌を尊重しないのではないかと想像していた。
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録音と制作
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「初恋 (宇多田ヒカルのアルバム)」の記事における「録音と制作」の解説
RAK Studios Metropolis Studios Air Studios レコーディングが行われたロンドンのスタジオ 『初恋』のレコーディングは、RAK Studios(英語版)やAir Studioといったロンドンの一流スタジオで行われた。レコーディング・エンジニアは2人で、1人はペット・ショップ・ボーイズ、スティング、U2、デペッシュ・モード、近年ではサム・スミスの大ヒット曲「Stay with me」などを手掛け、グラミー賞受賞経験もあるスティーヴ・フィッツモーリス (Steve Fitzmaurice) で、彼がサウンドを録音&ミックス・ダウンでまとめ上げた。もう1人は全曲のボーカルレコーディングを担当している小森雅仁で、2人とも前作『Fantome』から引き続き参加する形となった。収録曲は4~5ヵ月に3曲ずつといったペースで作られた。レコーディングの行程はスティーヴがバンドの演奏をレコーディングして、小森が担当する宇多田のボーカル録りの後、最後にスティーヴがミックスするのが基本だったという。レコーディングのやり方は、宇多田が持ち込むベーシックなデモ曲を基にスタジオで曲を仕上げ、バンドと一気にライブ演奏で2、3回録るというもので、この潔い手法には明確なビジョン、良し悪しを瞬時にジャッジする決断が必要であり、ボーカル以外の録音にも必ず立ち会う宇多田のものづくりの姿勢とともに、参加したミュージシャンやスタッフたちからも絶賛されている。宇多田はその判断の"明瞭さ"について「それこそが音楽が聖域である理由」と述べ、スティーヴにもそういった姿勢があり、彼のその点を気に入っているのだと語った。また、今回のアルバムを小説家の友達に聴かせた時に「Clarity(透明感)」という言葉が返ってきたといい、それが嬉しかったという。 本作では、現代ジャズ・シーンにおける最重要ドラマーの1人で、ロバート・グラスパーやディアンジェロの作品にも参加したクリス・デイヴ (Chris Dave) が演奏している。宇多田とクリスはお互い相性が良いと語っており、宇多田はクリスについて、「ドラマーの発想じゃないリズムのこだわりがある」「違う二つのタイムシグニチャーを鳴らして、どこかで融合して一緒にするというのが得意で、トリッキーなことでもできちゃう人だから、私のわけわかんないデモも、物理的にも感覚的にも理解してくれた」と語っている。なお、アメリカにいたクリスへのオファーには、かつて宇多田の楽曲のプロデュースを行ったジャム&ルイスのテリー・ルイスが間に入ってくれたという。演奏陣には前述のクリス(ドラム)、サム・スミスのツアーメンバーでもあるルーベン・ジェームス (Reuben James)(ピアノ)、エミリー・サンデーやメアリー・J・ブライジ、サム・スミスとの仕事で知られるジョディ・ミリナー (Jodi Milliner)(ベース)、ベン・パーカー (Ben Parker)(ギター)など世界中の名うてのセッション・ミュージシャンが並び、配信曲にも参加していたクリスは12曲中8曲で演奏してアルバムの屋台骨を担う活躍を見せている。ストリングスにも復帰後の宇多田作品でお馴染みの面々が起用されている。スティーヴによると、ストリングスはほとんどの曲で21~23人編成となっており、第1バイオリンが8人、第2バイオリンが8人、ビオラが4人、チェロが3~4人、そしてコントラバスが1人だった。 宇多田は本作で(意識的ではなかったが)最も挑戦していたこととして「歌を完成させるためのポストプロダクション」を挙げている。宇多田は、歌入れやレコーディングの後にバンドとヴォーカルを一つの世界観に融合させるためになにか架け橋が必要だと感じたといい、自分でばっさり使わないことを決めてプログラミングしたトラックに戻したり自らの声をエディットしたりして感じている物足りなさや穴を埋めにいっていたと話した。
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