義元の尾張侵攻の理由とは? わかりやすく解説

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義元の尾張侵攻の理由

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 15:35 UTC 版)

桶狭間の戦い」の記事における「義元の尾張侵攻の理由」の解説

甫庵信長記以来長らく定説とされてきたところによれば、今川義元尾張侵攻上洛、すなわち京都入って室町幕府政権掌握するめだった考えられた。幕末編纂の軍記ものの栗原信充の『重修真書太閤記』(嘉永5年1852年安政5年1858年)にも、義元上洛記述見える。 歴史家高柳光壽がこれに疑問示し今川氏織田氏三河巡り争い続けて尾張視野入れ義元が、今川家家督継承してから三河漸進的に勢力広げる戦い繰り広げて、ついに三河占領できたので、更に尾張支配地域大きくするため侵攻したと、指摘した尾張今川一門今川仲秋尾張守護)の守護任国であり、末裔今川那古野氏(室町幕府奉公衆今川氏)が那古野城構えていた。義元末弟である今川氏豊は、この今川一門の家の血縁絶えたので、送り込まれ家を継いだ那古野城謀略織田奪われ、そこで信長生まれた義元置かれていた状況は後の織田信長などとは大きく異なるし、信長以前には戦国大名天下人意識した目指していない義元永禄2年1559年3月12日付の出陣準備文書戦場掟書」にも「上洛」の文字はない。信長は後に足利将軍家足利義昭奉じて周辺畿内支配地方大名紛争調停する室町幕府伝統的な連合政権形作った信長本人天下人となるのは義昭紛争になり追放してからである。また、甲斐武田信玄は、元亀年間信長徳川家康敵対し、反信長勢力迎合し将軍義昭呼応して大規模な遠江三河侵攻行っている(西上作戦)。西上作戦従来から上洛意図有無議論され近年前段階駿河今川領国侵攻含めて武田氏軍事行動中央の政治動向連動したのであることが指摘されている。だが、信長以降である。 また、義元には、上洛するための京都公家への事前働きかけや、美濃国斎藤家近江国六角家などへの折衝が無い。当時尾張三河国境地帯では今川軍尾張側に食い込んでいて優勢ではあったが、最前線鳴海城大高城の2城が織田方の城砦によって包囲され危険な状態であった領土紛争一環としてこの二城を救出してそれを基に那古野城その周辺まで奪取する構想があったとする久保田昌希今川氏発給文書分析して東三河密度濃さ比べて西三河密度が薄いとして永禄3年1560年)の出陣西三河確保目的とする。 埋め立て進んだ現代比べて当時は海が内陸食い込んでおり、大高付近船着き場でもあった。今川家尾張での領土確保拡大だけでなく、東国西国を結ぶ交易ルートであった伊勢湾支配巡り織田家累代抗争していたとする研究も目立つ。 大石泰史は上洛説は成立しいとした上で、非上洛説を以下の6つ分類している。 尾張攻撃伊勢・志摩制圧志向説 尾張方面領土拡張旧名古屋今川奪還回復鳴海城大高城沓掛城封鎖解除確保志向説 三河尾張国境の安定化その上で大石2・3・4裏付けとなる史料不足しているために安易に肯定出来ず1・5・6はいずれ関連づけが出来るために敢えて1つに絞る必要は無い、との見解述べている。 また小林正信義元出兵古河公方推戴し三国同盟による室町幕府対す挑戦であった捉え上洛目的説を改め提唱した将軍足利義輝支持する長尾景虎信長続いて1559年上洛したことにより牽制された義元出兵1年遅れ、迎撃準備整えた信長により敗死その後景虎による関東出兵も、三国同盟対す幕府報復であると位置づけた。

※この「義元の尾張侵攻の理由」の解説は、「桶狭間の戦い」の解説の一部です。
「義元の尾張侵攻の理由」を含む「桶狭間の戦い」の記事については、「桶狭間の戦い」の概要を参照ください。

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