第4話・第5話「マーダー・バタフライ(前編・後編)」
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「探偵・由利麟太郎」の記事における「第4話・第5話「マーダー・バタフライ(前編・後編)」」の解説
原作のタイトルは「蝶々殺人事件」。 原さくらが主宰する歌劇団の名称は「SAKURA歌劇団」(原作では「原さくら歌劇団」)。 原総一郎と由利は旧知の間柄で、大阪公演の観劇を総一郎に誘われた由利が3月22日に中之島公会堂を訪問し、コントラバスケースに収められたさくらの死体遺棄現場に居合わせる(原作では10月20日にさくらの殺害判明後、その捜査を総一郎が東京の由利に依頼しており、由利はさくらの死体遺棄現場には居合わせていない)。 花弁で埋め尽くされたコントラバスケースの中に椿姫のドレスを着てネックレスを付けたさくらの死体が遺棄されていた(原作でのさくらの死体の着衣は黒い毛皮のコートで、普段付けていた真珠の首飾りが無くなっていた)。 東京から大阪への移動に際し、さくらは京都駅(原作では品川駅)で途中下車している。 さくらと千恵子が前日移動したのはスポンサーとの会食のため(原作では夜行列車の移動はのどに負担がかかるという理由で前日移動している)。 劇団員の牧野、川田、蓮見の3名は大阪で飲み遊ぶために公演日前日の晩には大阪入りしている(原作では土屋、志賀、さくら、千恵子以外の劇団員は公演日前日の夜行列車(到着は公演日当日)で大阪に移動している)。 さくらは東京公演の楽屋で藤本殺害事件の記事が載った週刊誌に引き続いて暗号楽譜を見ており、その様子を千恵子が横で見ていた(原作ではさくらが東京駅で小野から花束を渡された際に暗号楽譜を落とし、拾い上げている)。 さくらは江口清子という偽名で、左京区の小野の実家の近所にある哲学の道近くの「清風荘」を借りていた(原作では本名の原清子名義で、都内の小野の住居の近所にある愛宕の「清風荘」を借りていた)。 由利は「清風荘」調査に必要な捜索令状を入手するために等々力を巻き込み、等々力は引き続き浅原への捜査協力で大阪の現場にも現れる(原作では由利の東京での活動に関与するだけで大阪へは現れない)。 ドラマでは原作の福島区にある「曙アパート」が登場せず、「清風荘」と「曙アパート」のどちらがさくらの殺害現場か判然としない筋書が無くなり、殺害現場特定をかく乱させるトリックに知らずに加担させられていた洋画家・佐伯淳吉、東京で由利の捜査に協力する新日報社の三津木の同僚・五井は登場しない。 さくら殺害の凶器となった砂嚢は近年の水害を意識した防災用品。(原作では砂嚢は戦時中の防空用品で、さくら殺害の凶器以外に、さくらの遺体をチッキで東京から輸送したように偽装するため歌劇の衣装用トランクの重量を調整する役割でも使用されている)。 千恵子が歌劇団の宿泊先の大阪の近畿第一ホテルから一時行方不明になった理由は、劇団員の中にいると思われるさくら殺害の真犯人に真相を白状させようと、さくらの亡霊のふりをして劇団員の前に現れる工作をおこなっていたため(原作では清風荘に藤本の写真を戻すのに大阪東京間を往復する時間が必要だったため行方不明となった)。 千恵子は椿姫でアルフレッド・ジェルモンを演じたことはないが、雑誌の取材でアルフレッドのフロックコートの衣装を着てグラビア撮影をしている(原作では千恵子はアルフレッドを演じている)。 土屋は歌劇団の女性たちを散々弄びさくらを苦しめていた総一郎を殺害しようとして、さくらの亡霊が現れたことを知らせに総一郎の部屋を訪れた雨宮を総一郎と誤って襲ってしまい、顔を見られたためそのまま絞殺した(原作では土屋がさくらの遺体から盗んだ頚飾(真珠の首飾)を隠していた蓮見のトロンボーンから取り出しているのを雨宮に目撃されてしまい、口封じのために絞殺されている)。 由利と三津木が歌劇団の宿泊先の近畿第一ホテルで捜査中に雨宮の殺害事件が発生している(原作では由利と三津木が東京の清風荘で捜査している頃、大阪のNホテルで雨宮の殺害事件が発生する)。 雨宮の死体にはホテルの部屋のカーテンが被さっていた(原作では雨宮の死体には川田の外套が被さっていた)。 さくらは高校時代に主役を奪おうとした音楽スクールの同級生の策略で暴行されそうになったことにより、心理的要因で性機能障害となっている(原作ではさくらが性機能障害となった具体的な理由は特に説明されていない)。 さくらは藤本が自分の「隠し子」であるという妄想をいだくが、藤本からその妄想を手酷く否定されたため殺害してしまい、土屋は殺害直後にその犯行現場に駆け付ける(原作ではさくらは藤本の殺害犯から脅されていると清風荘で小野に告白していたが、実際はさくらは藤本殺害とは関係がなかった)。 さくらを慕う土屋は喉頭がんが再発して余命が長くないことを悟り、妄想と現実の区別がつかなくなったさくらの心が完全に壊れてしまう前に、自分が生きている間に、さくらをこの世から退場させようと「清風荘」でさくらの殺害を実行した。(原作ではかつてさくらの先輩オペラ歌手であった土屋が、さくらがオペラ歌手として人気が出たころには落ち目となり、彼女のマネージャーに転身して立場が逆転し、さくらがわがままになったことに耐えきれず彼女を殺害している)。 土屋は宅配便の集配センターからコントラバスをケースごと盗み出し、ネットカフェに居合わせた男に10万円を渡してタイムシェアの車を手配させ、集配センター近くの曽根橋公園でコントラバスケースを手配した車に載せ「清風荘」まで運搬後、さくらを殺害して死体をケースに収める。その後、タイムシェアの車で大阪まで移動し、阪急梅田駅でタクシー運転手にコントラバスケースと1万円を渡し、中之島公会堂までケースを運ぶよう依頼した(原作でのコントラバスの運送手段はチッキで、コントラバス奏者の川田が東京駅で輸送を手配し、雨宮に渡したチッキの合い札を土屋が盗み出し大阪駅へ先回りして回収し、「曙アパート」でさくらの死体をケースに収め、チップを払って橋場と坂本という男たちを雇い、フォード車で中之島公会堂までコントラバスケースを運搬させている)。 志賀が神戸に用事があったというのは嘘で、さくらのふりをして土屋が送信したメールで箕面の滝へ呼び出されていた(原作では佐伯淳吉に会うため神戸へ行く予定だったが、土屋がチッキの手配を佐伯に手伝わせていたことをしゃべられては困るので、佐伯に会わせないよう土屋がさくらのふりをして梅田から電報を打ち、志賀を箕面の滝へ呼び出している)。 千恵子が扮したさくらの亡霊を見たのをきっかけに志賀は妄想が高じ、さくらの亡霊と乾杯したあと雨の降る宿泊先のホテルの屋上で蝶々夫人の小道具の短刀で胸を刺す。この短刀は模造刀のため実際には刺せないが、志賀は心臓麻痺で死亡している。 指揮者の牧野はさくらのオペラ歌手としての才能は認めているが、色気を振りまき男の気を引こうとする態度に不快感を持っていた(原作では牧野はさくらが総一郎と結婚するまではさくらのことを狙っていた)。 由利は千恵子に探偵の素質があると買っており、土屋のアリバイトリックを説明する段階から「千恵子さん」と呼ぶようになったことを最後に三津木に指摘されている(原作ではさくら殺害事件の真相解明後、由利は千恵子と結婚して麹町から国立に拠点を移している)。
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