第1期のストーリー
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「涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)」の記事における「第1期のストーリー」の解説
ストーリー構成 ストーリーは原作第1巻『涼宮ハルヒの憂鬱』をベースに、第3巻『涼宮ハルヒの退屈』・第5巻『涼宮ハルヒの暴走』・第6巻『涼宮ハルヒの動揺』の一部エピソードと、原作者谷川流が新規に書き下ろしたオリジナル・ストーリーである『サムデイ イン ザ レイン』の全14話で構成されている。 放送順 2006年のテレビ放送時では、原作の発行順や物語上の時系列と異なる順序で放送された。 監督の石原は、放送順を時系列順と異なるものにした理由について、「原作に忠実」と「原作ファンに対するサプライズ」を両立させるためだと語っている。すなわち原作に忠実であるほど、原作を読んでいない視聴者には親切であるが、ストーリーを既に把握している原作ファンにはつまらないものとなってしまう。一方、原作ファンに配慮してアニメオリジナルの要素を加えるのは、原作の雰囲気を壊す危険を伴う可能性がある。そのため、原作ファンにも「サプライズ」を提供しようとした結果が、この放送順であるという。 また、時系列と異なるといっても、長編(涼宮ハルヒの憂鬱I-VI)の間に短編が挟み込まれる形になっているだけなので、短編が長編の伏線として機能するようにもなったと語っている。DVDには時系列順に収録されているのは、もう一度DVDで時系列順に見直した結果、視聴者に新たな発見があるようにしたためだと言う。 原作者は「憂鬱 VI」を最終話にすることを決めたが、そうすると時系列が乱れるため、いっそ何も説明せずに放映順をゴチャゴチャにしてしまおう、と考えたとも語っている。シリーズ演出の山本寛が、『「超監督」涼宮ハルヒは自作映画を第1話にするのではないか?』と考えたのも理由の一つである。 『朝比奈ミクルの冒険 Episode 00』 本放送第1話は、原作第6巻の『朝比奈ミクルの冒険 Episode 00』と、第2巻の『涼宮ハルヒの溜息』をベースにしている。 『朝比奈ミクルの冒険 Episode 00』はSOS団が文化祭に向けて作った自主制作映画のタイトルであるが、「涼宮ハルヒの憂鬱とは一体どんな話なのか?」といった説明なしに映画部分が始まり、最後に試写会の風景だったことが分かるという内容でオンエアされ、原作をある程度知っている視聴者向けの演出となっている。また、第1期では「シャミセンが喋る」「桜が咲く」などの伏線のタネ明かしがなかった。「テレビ欄を見て、何気なく観た人が“「ハルヒ」なのに「ミクル」?違うのか?”と思われるのが心配だった」と石原は語っている。 山本寛によると、自身が学生時代に『愛國戰隊大日本』を元にして『怨念戦隊ルサンチマン』という自主制作映画を作った経験が生かされているといい、「自主映画全体へのオマージュです」と語っている。最後まで全員演技している(キョンはナレーション担当)が、役者・撮影班ともに、素人特有のありがちなミスとともに、1950〜1960年代のアメリカB級スペース・オペラのパロディが目白押しの内容である。主題歌『恋のミクル伝説』(作詞・作曲:涼宮ハルヒ、歌:朝比奈みくる)が冒頭に流れる。 『サムデイ イン ザ レイン』 原作者の谷川流脚本による唯一のアニメオリジナルストーリー。最終話は1期では「憂鬱Ⅵ」、2期では「サムデイ イン ザ レイン」となっているが、時系列では1期、2期ともに最終回にあたる。『涼宮ハルヒの消失』の直前であるためSOS団の何気ない日常を描きながらも「一言も言葉を発さない長門」「2枚のカーディガン」「キョンとハルヒの関係性」など消失につながる伏線が散りばめられている。また普段キョンの視点から進行している物語が、今回のみ第三者の視点(定点観測)になっておりキョンが出かけている間、ハルヒや他の団員たちがどんな風に過ごしているかという、キョンの視点では見られない物語が描かれている。谷川流は後に「原作の小説ではできない、映像化作品でしかできないことをやってみたいと思った」と語っている。 定点観測ものは同ポジションになるので楽そうに見えるが、引きの画ばかりになるため、登場人物の全身を描かなくてはいけなくなり作画の手間がかかる回となった。長門が本を読んでいるだけの画をずっとリピートする長いカットはその負担を減らすために行った。 『ライブアライブ』 学園祭でのライブに参加できなくなったバンドメンバーの代わりにハルヒと長門が参加しライブを行うというストーリー。実際の演奏を忠実に再現したバンド演奏シーンのクオリティーの高さが大きな反響を呼んだ。ライブで歌われた「God knows...」と「Lost my music」が収録されたシングル『涼宮ハルヒの詰合』は通算100週のオリコンチャートインを記録し、ハルヒ関連の楽曲では最大のヒットとなった。また劇中でハルヒの歌う表情は、歌う平野綾の表情をレコーディング時に撮影し、それを基に描かれている。これはリアルさの追求というわけではなく、「非日常」が「日常」の中に入ってくる瞬間を際立たせるために「日常」部分を細かく描写した結果であるとしている。このため、他の回では原画が8人程度であるが「ライブアライブ」では21人もの人数をあてている。監督の石原立也は担当演出の山本からこの回の絵コンテが上がってきた時に「これをやるの?」と思ったこと、総作画監督の池田晶子も「メチャメチャ大変でした。」と『激奏』でそれぞれ述べており、 現場は討ち死にを覚悟したほどだったという。その後、ライブアライブの後日談としてドラマCD「サウンドアラウンド」が発売された。
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