特定名称酒とは? わかりやすく解説

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とくていめいしょう‐しゅ【特定名称酒】


特定名称酒(とくていめいしょうしゅ)


特定名称酒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 15:45 UTC 版)

日本酒」の記事における「特定名称酒」の解説

清酒要件満たしたもののうち、原料製法一定の基準満たすものは、国税庁告示定められ特定の名称を容器又は包装表示することができる。特定名称を表示した清酒を特定名称酒という。 特定名称酒は、農産物検査法に基づく米穀検査により3等以上に格付けされ玄米又はこれに相当する玄米精米した白米用い、こうじ米の使用割合白米重量対するこうじ米の重量割合)が、15%以上のものに限られる。 特定名称酒の表示は、当該特定名称によることとされ、これと類似する用語又は特定名称に併せて極上」「優良」「高級」等の品質優れている印象与える用語は用いることができない。ただし、特定名称の清酒含めて自社製品ランク付けとしてのであれば表示することができる(「特別」を除く)。 特定名称酒は、原料精米歩合により、本醸造酒純米酒吟醸酒分類される特定名称の清酒表示特定名称使用原料精米歩合香味等の要件こうじ米使用割合本醸造酒米、米こうじ醸造アルコール 70%以下 香味色沢良好 15%以上 特別本醸造酒60%以下又は特別な製造方法要説表示香味色沢が特に良好 純米酒米、米こうじ水 - 香味、色沢良好 特別純米酒60%以下又は特別な製造方法要説表示香味色沢が特に良好 吟醸酒米、米こうじ醸造アルコール 60%以下 吟醸造り固有の香味色沢良好 純米吟醸酒米、米こうじ水 大吟醸酒米、米こうじ醸造アルコール 50%以下 吟醸造り固有の香味色沢が特に良好 純米大吟醸酒米、米こうじ 特定名称の規則性を表化 吟醸造りかつ精米歩合50%以下 吟醸造りかつ精米歩合60%以下 特別な製造方法又は精米歩合60%以下 - 醸造アルコール:なし(純米純米大吟醸酒 純米吟醸酒 特別純米酒 純米酒 醸造アルコール:あり(アル添) 大吟醸酒 吟醸酒 特別本醸造酒 本醸造酒精米歩合70%以下) 本醸造酒 本醸造酒とは、精米歩合70%以下の白米米こうじ醸造アルコール及び原料として製造した清酒で、香味及び色沢良好なものに用いることができる名称である。使用する白米重量10%未満白米1トンにつきおよそ120リットル以下)の量に限り醸造アルコール添加することができる。特別本醸造酒 特別本醸造酒とは、本醸造酒のうち、香味及び色沢が「特に良好」であり、かつ、その旨使用原材料製造方法その他の客観的事項をもって当該清酒容器又は包装説明表示するもの(精米歩合をもって説明表示する場合は、精米歩合60%以下の場合に限る)に用いることができる名称である。 純米酒 純米酒とは、白米米こうじ及び水のみを原料として製造した清酒で、香味及び色沢良好なものに用いることができる名称である。ただし、その白米は、他の特定名称酒と同様、3等以上に格付け玄米又はこれに相当する玄米使用し、さらに米こうじ総重量は、白米総重量に対して15%以上必要である。特別純米酒 特別純米酒とは、純米酒のうち、香味及び色沢が「特に良好」であり、かつ、その旨使用原材料製造方法その他の客観的事項をもって当該清酒容器又は包装説明表示するもの(精米歩合をもって説明表示する場合は、精米歩合60%以下の場合に限る)に用いることができる名称である。 純米酒は、特定名称酒の中でも純米のものを含む)吟醸系の酒や本醸造酒比べて濃厚な味わいがあり、ごとの個性が強いといわれる1991年平成3年)に日本酒級別制度廃止され以降2003年平成15年12月31日までの間は、「純米酒」の品位一定以上に保つため、「精米歩合70%以下のもの」と法的に規制されていた。当時精米歩合が低い(玄米をより多く削る)ほど高級酒であるという通念あったからである。 しかし、近年規制緩和一環として、この規定2004年平成16年1月1日削除され、米だけで造ってあれば、たとえ食用米並の精米歩合であっても純米酒」の名称を認めることとなった。この改正に関しては、評価消費者選択任せるべきで「消費者の権利拡大である」と賛成する立場と「酒造技術低下を招くもの」と批判する立場がある。 この規制緩和によって、醸造アルコール無添加でも米粉などを使用していたために「純米酒」を名乗れなかった銘柄が、数多く格上げされるのではないかという疑念があったが、実際に先述のように「麹歩合15%以上」「規格使用」といった制約があり、麹歩合15%未満の酒や規格外米屑米米粉使用した酒は「純米酒」を称することはできない一方で上記条件満たした上で、かつて普通酒にも用いられなかったような高い精米歩合敢えてすることで、独特の酒質引き出低精白酒などの新し純米酒開発進んだ吟醸酒 吟醸酒とは、精米歩合60%以下の白米米こうじ及び、又はこれらと醸造アルコール原料とし、吟醸造りによって製造した清酒で、固有の香味及び色沢良好なものに用いることができる名称である。低温長時間かけて発酵させて造られ吟醸香呼ばれるリンゴバナナメロン思わせる華やかな香気成分酢酸イソアミルカプロン酸エチルなど)を特徴とする。吟醸造りでは、もろみを絞る直前醸造アルコール添加することで、芳香成分酒粕側から日本酒側に移行させることができる。なお、添加できる醸造アルコールの量は、白米重量10%未満白米1トンにつきおよそ120リットル以下)と定められている。純米吟醸酒 純米吟醸酒とは、吟醸酒のうち、醸造アルコール添加せず、米、米こうじ及び水のみを原料として製造したものに特に用いることができる名称である。一般に醸造アルコール添加した吟醸酒比べて香りは穏やか(控えめ)になり、味は厚みのあるものとなる。 本記事含めて一般に吟醸系(の酒)と表現する場合は、吟醸酒純米吟醸酒大吟醸酒純米大吟醸酒などの酒を総称している。 元々は鑑評会向けの特に「吟味して醸した酒」を意味した1920年代から開発着手され1930年代精米技術の向上1950年代以降吟醸酒製造により適した酵母頒布1970年代温度管理技術と麹および酵母選抜育種技術の進歩促されて品質向上するとともに、やがて一般市場に出回るだけの生産量確保できるようになった吟醸系の酒が日本国内市場流通するようになったのは1980年代以降であり、2000年代以降では日本国外でも日本食ブーム伴って需要高まっている(参照:「吟醸酒の誕生」)。 大吟醸酒 大吟醸酒とは、吟醸酒のうち、精米歩合50%以下の白米原料として製造し固有の香味及び色沢が特に良好なものに用いることができる名称である。吟醸酒よりさらに徹底して低温長期発酵する最後に吟醸香引き出すために少量醸造アルコール添加する添加できる醸造アルコールの量は、吟醸酒同じく白米重量10%未満である。 純米大吟醸酒 純米大吟醸酒とは、大吟醸酒のうち、醸造アルコール添加せず、米、米こうじ及び水のみを原料として製造したものに特に用いることができる名称である。一般に醸造アルコール添加した大吟醸酒比べて穏やかな香り味わい深い

※この「特定名称酒」の解説は、「日本酒」の解説の一部です。
「特定名称酒」を含む「日本酒」の記事については、「日本酒」の概要を参照ください。

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