純米醸造の賀茂泉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 15:48 UTC 版)
純米醸造とは「米、米麹、水」だけで作られた清酒のことであり、1943年(昭和18年)に政府が清酒へのアルコール添加を認めるまで、日本酒造りの本来の形であった。太平洋戦争中から戦後にかけての、深刻な物資不足に伴い、増量目的のアルコール添加(三増酒)が盛んに行われるようになり、次第に手間と費用がかかる純米醸造は、忘れ去られていった。しかし、高度経済成長期に沸く1965年(昭和40年)頃から、全国の蔵元で、かつて行われた米と米麹だけの酒造りの復興を目指す動きが見え始めていた。 賀茂泉でも、二代目社長、前垣壽三により、1965年(昭和40年)から純米酒の試験醸造を開始。杜氏の増田幸夫の研究努力もあり、1971年(昭和46年)にようやく、純米醸造「本仕込 賀茂泉」を発売するに至った。当時は、まだ「特定名称酒」の制度もなく、無添加酒と呼んでいた。その後、特定名称酒の制度ができ、純米酒、純米吟醸酒などの呼び方が一般的となり、全国の蔵に広がっていった。賀茂泉では1973年(昭和48年)に、全国15の蔵と共に、純米醸造酒の普及と啓蒙のため「純粋日本酒協会」を設立するなど、戦後純米醸造の、パイオニア的存在として位置付けられている。
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