特定周波数帯のレベル制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 17:51 UTC 版)
「エフェクター」の記事における「特定周波数帯のレベル制御」の解説
原音に含まれる任意の周波数帯域の増幅や減衰をおこなうもの。 イコライザー 特定の周波数帯域を強調あるいは減衰させる処理。ごく大雑把には、オーディオ・アンプのトーン・コントロールを、より精緻な調整ができるように拡張したものと考えてもよいだろう。イコライザーにはパラメトリック型とグラフィック型があり、用途に応じて使い分けられる。 パラメトリック型は、周波数帯域のゲインの他、中心周波数及び帯域幅を個別に設定でき、それらを複数並べて複数の周波数帯域に対応する製品が多い。用途としては、余分な帯域のピンポイント・カットから、幅広い帯域のバランス調整まで、豊富なパラメータを生かした柔軟な音作りに活用される。またディジタル処理全盛の今日でも、アナログ機材固有の色づけを好んでマスタリングや録音に積極活用する例もある。 グラフィック型は、中心周波数と帯域幅は固定で、ゲイン調整を周波数帯域の数だけ並べた仕様である。現在主流の製品はゲイン調整にスライダーを採用し、設定を視覚的に把握できるので「グラフィック・イコライザー」と命名されている。周波数帯域の数は素子数と呼ばれる。パラメトリック型と比べ自由度が低いので、ざっくりとした調整に使用される。コンパクトな楽器用機材では、倍音調整を目的に約1オクターブ間隔で分割した10素子以下の製品が多い。また会場音響 (PAやSR)では、周波数特性改善(およびハウリング・ポイントやデッド・ポイントの解消)を目的として、1/3オクターブ分割30素子程度の機材が使われる。 エンハンサー イコライザーが、原音に含まれる音を直接ブーストしたりカットしたりするのに対し、エンハンサーは音を歪ませ倍音を作り出して、実音にミックスするもの。 ワウペダル 車のアクセルペダルのような筐体に付けられた可変ポットを足で操作する事により、増幅される周波数帯を変えるもの。文字通り「ワウ・ワウ」と聞こえる。 オートワウ 原音の音量に準じ増幅される周波数帯を変えるもの。ペダル動作では不可能な細かくリズミカルな「ワウ」音を得られる。 ディエッサー 高音領域に特化したコンプレッサー。ボーカルのサシスセソやツなど所謂歯擦音だけを狙ってその音を弱める。原理上、マルチバンドコンプレッサーでも実現できる機能である。 トーキング・モジュレーター 周波数分布に母音と似た癖を付けることで楽器の音に人がしゃべっているようなイントネーションを加えるもの。 アイソレーター 特定帯域をカットするイコライザーの一種。主にDJミキサーに内蔵されている。人間の音声帯域をカットするボーカルキャンセラーというものもある。 アンプ・シミュレーター 特定ブランドのギター・ベースアンプの動作特性や周波数特性をモデリング化したエフェクター。キャビネット・ユニットを任意のモデルに組み合わせることもできる。類似のものとしてレスリー・スピーカーをシミュレートしたロータリースピーカーというエフェクトもある。
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