漢方と民間療法
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中国医学(TCM)で使われた長い歴史があり、根、果実、葉などの様々な部分を用いる。果実は漢方薬としては牛蒡子(ごぼうし)と呼ばれる生薬であり、日本薬局方にも収録されている。解毒の作用があると考えられ、消風散、柴胡清肝湯、駆風解毒湯などの方剤に処方される。これら漢方の適応症はすべて、長年の使用に基づくものである。 欧米ではゴボウ(burdock)の根を薬用ハーブとして、ハーブティーなどに用いる。ごぼう油と呼ばれるごぼう根油抽出物は、頭皮のトリートメントとしても使われる。 日本には薬草として中国から伝来した。薬草としては発汗利尿作用のある根を牛旁根(ごぼうこん)と称するほか、浮腫、咽頭痛、解毒に用いる種子を牛旁子(ごぼうし)と称して用いる。民間療法では、乳腺炎に種をそのまま食べるか、煎じる使用法も知られる。ゴボウは熱をとる力が強い薬草で、熱性が強い風邪や咳によいといわれている。湿疹、おでき、腫れ物などの化膿性疾患に、牛蒡子1日量5 - 8グラムを600 ccの水で半量になるまで煎じた煎じ液(水性エキス)を、3回に分けて服用する用法が知られる。風邪・のどの痛み・咳には、牛蒡子1日量2-3グラムを水400 ccで煎じて3回分服する。むくみには、牛蒡子を粉末にして、1日量で3 - 6グラムほどを3回分服する。神経痛、リウマチ、関節炎には、火であぶって軟らかくした生葉を、患部に貼って冷湿布すると痛みを和らげるのに役立つと言われている。夏場に採集して日干し保存しておいた葉は、浴湯料やうがい薬に使うこともでき、浴湯料として使えば湿疹、かぶれに効果があるとし、乾燥葉を煎じた液で1日数回うがいすれば、口内炎、扁桃炎、歯茎の腫れなどの炎症性疾患に効果があるといわれている。
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漢方と民間療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 15:14 UTC 版)
薬用部位として、5 - 6月頃の未成熟果実(青梅)を利用する。未成熟果を燻製にした烏梅(うばい)、未成熟果をすりおろした汁から抽出した梅肉エキス、また梅酒や梅干しをそのまま利用してもよいとされる。 漢方薬の「烏梅(うばい)」は、未熟果(青梅)の皮を剥ぎ、種子を取り去り、藁や草を燃やす煙で真っ黒に燻したウメの実である。健胃、整腸、消炎、細菌性腸炎、腸内異常発酵、駆虫、止血、強心作用があるとされるほか、「グラム陽性菌、グラム陰性の腸内細菌、各種真菌に対し試験管内で顕著な抑制効果あり」との報告がある。民間療法で、風邪のときに烏梅1 - 2個を水200 - 400 ccで半量になるまで煎じて飲む用法が知られている。家庭では、烏梅の代わりに梅干しをアルミ箔に包んでフライパンで蒸し焼き(黒焼き)にしたものを用いて、風邪の初期症状のときに茶碗に黒焼きを入れて熱湯を注ぎ、崩して飲んでもよいといわれている。 梅肉エキスは、おろし器で青梅をおろし、布で汁を搾って、調理用のホーローバットやホーロー鍋などに薄く汁を入れて、日光または極弱いとろ火で煮詰めて水分を蒸発させて飴状にしたもので、これを採取して瓶に蓄える。下痢、腹痛、食あたりのときに、大豆粒くらいの梅エキスを薄めて飲んだり、また扁桃炎のときに梅エキスを10 - 20%に薄めてうがいするとよいと言われている。 咳には梅酒をガーゼに浸して胸に湿布したり、頭痛のときに梅干しの果肉をこめかみに貼ったりするといった民間療法がある。
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漢方と民間療法
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本種またはその他近縁植物の種子は杏仁(きょうにん)または杏子(きょうし)、果実は杏子または杏実(きょうじつ)と呼ばれる生薬であり、日本薬局方にも収録されている。鎮咳、去痰、嘔吐に用いるほか、麻黄湯、麻杏甘石湯、杏蘇散などの漢方処方に用いられる。キョウニンを水蒸気蒸留して精製したものがキョウニン水で、鎮咳に用いる。杏仁は熟した果実を採集して、核を除いて種子をとって天日乾燥して調製する。果実は生でも天日干しにしたもの、どちらも薬用にできる。 「杏仁」も参照 民間療法では、咳、喘息、便秘に、生の果実を1日1 - 2個食べてもよく、種子(杏仁)は1日量2 - 5グラムを400 ccの水で煎じて、3回に分けて服用する用法が知られている。下痢しやすい人や、妊婦には服用禁忌とされる。滋養保険、冷え性、低血圧の改善に、アンズ酒を就寝前に盃1杯ほど飲むのが良いといわれている。種子は、脂肪油を含み、脂肪油はのどの腫れや痰の排出に役立つとされる。 しかし、アミグダリン(青酸配糖体)は酵素の働きで青酸を生じ、微量で呼吸や血管の中枢を興奮させ、大量でめまい、吐き気、動悸、息切れなどの中毒症状や麻痺がおこるので、生の果実の多量摂食や種子の多量服用は禁忌である。解毒するには、アンズの樹皮を煎じて飲むとよいといわれている。 あんず酢 ヘアオイル(髪油)
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漢方と民間療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:09 UTC 版)
タマネギの薬用の歴史は古く、紀元前15世紀頃に書かれたエジプトの医学書とされる『エーベルス・パピルス』に名称が登場する。古代ギリシアの本草書『ディオスコリデスの薬物誌』の中でも、タマネギの薬用について詳細に記述されている。伝統中国医学では咳、風邪、喘息、気管支炎にタマネギを推奨している。 民間療法では、風邪の初期症状のとき就寝前に、タマネギの鱗茎を細かく刻んで湯飲みに入れて、すりおろしたヒネショウガを少量加えて味噌で調味して、熱湯を注いでしばらく置いた後によくかき混ぜてから飲む方法が知られる。咳止めには、細かく刻んだタマネギをタオルのような布の中央に入れてその部分に熱湯をかけて軽く絞り、のどに当てて温湿布する方法が知られる。
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