滑走路・誘導路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 01:10 UTC 版)
クロース・パラレルの長短2本の滑走路と、誘導路(A誘導路、B誘導路など)を有する。 A滑走路(14L/32R):1,828 m×45 m B滑走路(14R/32L):3,000 m×60 m (南東側32LにILS設置) 2本の滑走路は、航空機の性能によって使い分けている。ボーイング777やボーイング767、ボーイング787、エアバスA350XWB、ボーイング737やエアバスA320などの中・大型機は、長いB滑走路(14R/32L)で離着陸する。短いA滑走路はボンバルディア CRJ、DHC-8、E-170、E-190、ATR42など小型機の離着陸に使われる。気象条件や混雑状況によっては、小型機でもB滑走路を使うこともある。 運用時間は7時から21時(日本標準時)で、遅延した到着便は関西国際空港に目的地変更(ダイバート)したり、欠航となることがある が、緊急時には他の空港と同様に臨時延長が認められている。管制から離着陸の許可が出たあと、航空機の混雑などで、結果的に21時から数分程度遅れて離着陸することがある。また、21時間際に離陸する場合、通常離陸する32L/Rは離陸まで時間がかかるため、風などの影響が無くても14L/Rから離陸する場合がある[要出典]。「大阪国際空港及びその周辺地域活性化促進協議会」は、遅延によるダイバートは利用客の帰宅が深夜に及ぶなどの損害が発生するとして、運用時間の弾力的な取り扱いを求めている。なお、災害などの緊急時や国賓客の移動時は例外として運用時間外の離着陸が行われる場合もある。 ILSは、空港の北西側に山があるため、滑走路32Lのみ設置されている。滑走路32Rと32Lの間隔は狭く、滑走路32RにILSは設置されていない。原則として航空機の離着陸は、ILS誘導が使用可能で手順が少なくスムーズに運用できる南東側からの着陸と、北西側への離陸で行われる(優先使用滑走路は滑走路32R・32L)。航空機は向かい風を受ける状態で離着陸しやすく、逆に極度の横風・追い風では離着陸が禁止されるが、空港周辺は年間を通して風が弱く、風向きによって滑走路の使用が制限されることは少ない。空港北側に山地があるという地形上の制約のため、夏季を中心に東〜南東の風が強くなる場合を除き、北西側からの離着陸(滑走路14R・14Lの使用)が行われることは少ない。例えば、2011年における滑走路14R・14Lの使用率は年間平均で1.4%(宝塚市の2011年の統計 による値)であった。滑走路14L・14Rの使用時は、後述のサークリングアプローチが行われ、着陸機と離陸機のコースが錯綜して管制処理が難しくなることなどから、多少の追い風(南東の風)であっても可能な限り、通常は32R・32Lを使用する。空港への着陸進入では、主に滑走路32LへのILSアプローチが行われる。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}かつては[いつ?]民間空港としては珍しく滑走路32RへのPARアプローチ(GCA)も実施されていたが、現在は行われていない。現在の滑走路32Rへのアプローチは、滑走路32LへのILSアプローチからの周回進入のほか、RNAVアプローチやVORアプローチが設定されている。 なお、空港北側が悪天候で極度に視界が悪い場合は、山がある北側を航行できないため、着陸は32R・32L、離陸は14L・14Rという運用になる場合がある。 大阪国際空港14R滑走路に着陸前、14Lコースに進入し、修正を試みるJALのボーイング777-200型機 滑走路32L・32R使用時 南側からの着陸の場合、ほとんどの航空機は関西ターミナルレーダー管制所のレーダー誘導によって、信貴山付近でILSの経路に乗り、空港まで直線的に接近する。滑走路32Lに着陸する場合は、ILS32Lコースでそのまま進入し、5マイル手前(およそ淀川上空)で通常着陸許可を得て着陸する。滑走路32Rに着陸する場合は、空港を目視確認した後にILS32Lコースから右側にそれて(ライトブレイクという)、ライトブレイクの前後で着陸許可を得て滑走路32Rに着陸する。着陸後は誘導路から脱出してターミナルに向かうが、このとき安全性が確保されるなら、各航空会社の使用ターミナルに近い誘導路へと誘導される。 出発機はターミナルビルからプッシュバックの後、南東の滑走路端へ向かう。滑走路32Lを使う場合は、滑走路32Rの南端付近を横断しなくてはならない(このとき横断には飛行場管制の許可が必要である)。滑走路32Lでは空港南東側の騒音回避のため 原則としてインターセクションテイクオフが実施されており、大抵の航空機は滑走路32Lの南東端のW1誘導路までは行かず、手前のW2誘導路 から滑走路に入り、離陸する(大型機はB誘導路からW2誘導路を経て、滑走路に入る。さらに軽量のMD-80やMD-90クラス以下の航空機は、時間と燃料の節約のため、飛行場管制の許可を得て、さらに手前のW3誘導路から滑走路に入ることもある)。離陸後は、旧伊丹NDB付近までまっすぐ飛んだ後に、左上昇旋回して、目的地へ向かう。騒音対策のため、左旋回は中国自動車道以南・武庫川以東の領域で行う優先飛行経路が定められており、さらに、速やかに高高度に上昇することが求められている。 滑走路14L・14R使用時 南東の風の卓越時に滑走路14R・14Lを使用する運航は、航空関係者・ファンらによって俗に「14(ワンフォー)」「逆ラン」「逆着陸飛行」などと呼ばれている。また14Rへの着陸は、航空機が着陸の際に描く航跡が啓徳空港(1998年閉港)名物の「香港カーブ」に似ていることから、「伊丹カーブ」とも言われている。 着陸機は、一旦滑走路32L・32R側から空港に接近した後に、空港の北西側へ周回して、滑走路14L・14Rに着陸する方式(サークリングアプローチ)が行われる。滑走路32L・32Rの場合と同じく、ILSに従って空港の南東側から進入するが、そこから滑走路を目視しながら14L・14Rの側へ回り込むため、飛行場管制のタイミングの指示に従って、大阪市付近でILSのコースから外れてトラフィックパターン(滑走路14L・14Rへ回り込む周回コース)を飛行する。このとき、滑走路に対して左側(空港の南西側)か右側(空港の北東側)のダウンウィンド(滑走路に並行する飛行コース)のいずれかに抜ける。滑走路14Rへ向かう場合は左側(右回りのトラフィックパターン)、14Lでは右側(左回りのトラフィックパターン)の使用が一般的である[要出典]。ただし、14Lの場合でも左側へ回ることもある。また、原則としてジェット機は、空港北東側にあたる右側のダウンウィンドへ回ることはできない。ダウンウィンドに進入したあとは、旋回して、空港北西の宝塚市・川西市のあたりまで飛行する。およそベース・レグのあたりで着陸許可を得てから、右旋回あるいは左旋回を行い、滑走路14Rあるいは14Lに正対し、そのまま着陸する。まれに伊丹カーブ通過後に大型機が滑走路14L(大型機が使用しない短い滑走路)の進入コースにアラインしてしまう事態が起こっている。1990年代前半では、ANAのボーイング747がコースを誤り(着陸寸前まで滑走路14Lコースを辿り、滑走路14L端付近でコース修正を図ったが間に合わず)、滑走路14L・14R上を低空で蛇行して、そのまま着陸復行することもあった。2008年には、JALのボーイング777が滑走路14Lのコースに進入し、その後コースを修正して滑走路14Rに着陸している。 出発機はターミナルビルからプッシュバックの後、北西の滑走路端へ向かう。滑走路14L・14Rからの離陸機は、滑走路32Lに向けてILSによって進入してくる着陸機と正対する ため、離陸機は回避のための旋回のタイミングなどを管制から指示されることがある。騒音対策のため、離陸後阪神高速11号池田線付近まで直線飛行する優先飛行経路が定められている。また、離陸機には、上昇率が規定されている。
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滑走路・誘導路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 08:55 UTC 版)
既存滑走路(03R/21L) - 2,700 m×45 m 新設滑走路(03L/21R) - 2,700 m×45 m着陸帯 - 2,820 m×150 m 新設滑走路は航空自衛隊百里基地が使用していた既存滑走路の西側に平行に建設された。新滑走路完成後、既存滑走路(2,700 m×45 m:03R/21L)を閉鎖して改修工事が行われた。 連結誘導路 - 165 m×4本(既存滑走路と新設滑走路を連結する誘導路) 取付誘導路 - 155 m×1本(新設滑走路と駐機場を連結する誘導路) 茨城空港駐機場 - 中型ジェット機用×3、小型ジェット機用×1
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