派生型・関連型
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「15cm sFH 18」の記事における「派生型・関連型」の解説
15cm sFH 36 15cm sFH 18の軽量仕様。24口径への短砲身化と多孔式マズルブレーキの装着、砲架と車輪の軽合金化によって重量軽減を図った。1935年にラインメタル社とクルップ社が開発に関与し、1938年に前者が採用されたが、開戦により軽合金素材が航空機量産へ優先された影響で1942年に生産中止された。 15cm sFH 40 クルップ社とラインメタル社が開発した15cm sFH 18の射程改善型。多孔式マズルブレーキ付きの32.5口径砲に換装し、仰角を最大70度まで拡大した事で、最大射程が15,576mまで延伸できた。1938年に試作が完成し、1940年に制式採用されたが、1941年に生産設備の都合上量産計画は放棄された。 15cm sFH 42(15cm sFH 18/40) 15cm sFH 18の砲架と15cm sFH 40の砲身を組み合わせた折衷型。新型の多孔式マズルブレーキが導入されたが、短距離や中距離での命中精度が悪化している。移動時の運用実績も良好と言えず、製造数は1942年に生産された46門に留まった。 15cm sFH 18/43 金属資源節約の要求に基づいたクルップ社担当の改良型。鎖栓式閉鎖機を改造し、薬嚢分離式砲弾への適応を試みたが、失敗に終わっている。 フンメル(15cm Schwere Panzerhaubitze auf Geschutzwagen III/IV (Sf).) III号/IV号車台に15cm sPH 18/1を搭載した自走榴弾砲。10.5cm leFH 18/2を主砲にしたヴェスペとともに、装甲師団や一部の装甲擲弾兵師団へ配備された。編制定数は、装甲砲兵連隊第1大隊に所属する1個中隊6両(他に弾薬運搬車型も1~2両加わる)とされた。 s.F.H.18 auf Panzer-Bauteilen パンターの車台を改設計して、15cm sFH 18/4を搭載した中型武器運搬車。ホイシュレッケと同様に、全周旋回砲塔に取り外し機能を備える予定だった。1944年7月6日にクルップ社とラインメタル社へ概念設計が要求されたが、1945年2月20日付開発緊急計画の報告書で不要不急のリストに挙げられて開発は延期された。 mittlerer Einheitswaffenträger(Gerät 580 GW 638/23) 1944年~1945年に計画された駆逐戦車38Dベースの中型武器運搬車(mittlerer Waffenträger Grosse II)の一案で、15cm sFH 18/6を搭載する予定だった。方向射界60度、俯角0度~45度、携行弾数20発とされたが、開発未了で試作車も存在しない。 15cm PWK(15cm Panzerwurfkanone) 1945年に15cm重榴弾砲の砲身を流用して開発していた高低圧砲。未完成。 ラ式十五糎榴弾砲(ラインメタル式15糎野戦榴弾砲) 1934年~1936年にかけて国民政府軍へ24門が輸出されたラインメタル社製の32口径15cm榴弾砲。機械化牽引砲兵の独立炮兵第10团に配備された。日中戦争中に帝国陸軍が鹵獲した同砲は現地部隊で運用された他、砲架に試製十糎半陣地高射砲や試製二十糎臼砲の砲身を搭載したり、予備液室がホリ用の試製十糎戦車砲(長)に流用されるなど、日本製砲熕兵器の技術研究開発に活かされた。なお性能に着目した日本でも輸入は検討されたが、1940年11月20日発電の見積で高額な購入費を提示されたためか見合わせている。運行速度は40km/hと九六式十五糎榴弾砲の倍で、機動九一式十糎榴弾砲や八八式七糎高射砲と同等だった。砲架は53口径10.5cm野戦加農砲と共通とされる。ラインメタル十五糎短加農やボ式十五長榴(獨式ボツホース15糎長榴弾砲/ボツホース十五糎重榴弾砲)と表記された事もあり、下記の表とは異なる要目も存在する。 クルツプ式15糎榴弾砲 1937年末までに国民政府軍へ24門が輸出されたクルップ社製の30口径15cm榴弾砲。15cm sFH 18の略同型で、駐退復座機や平衡機は同様だったとされる。1937年に新編された機械化牽引砲兵の独立炮兵第14团に配備された。 152mm M1931(NG) ラインメタル社が開発した15cm sFH 18の前身を原型にした152mm榴弾砲。1932年から1934年にかけて、ソ連のモトヴィリハ機械工場で8門のみ製造された。NGはドイツの榴弾砲である事を示している。 152mm húfnica vzor 18/47 チェコスロバキア軍で1948年~1955年に運用された15cm sFH 18の改修型。砲身はマズルブレーキ付きの27口径152mm榴弾砲で、152mm húfnica vzor 37(152mm M1937(ML-20))と弾薬互換性の確保を図っていた。カタログスペックは戦闘重量5,587kg、仰角0度~45度、左右旋回角60度、初速578m/s、最大射程15,180m、発射速度分間4発で、牽引車にはT111やT138などが用いられた(牽引速度は路上25km/h、不整地10km/h)。1980年代まで保有していたが、milimetrová samohybná kanónová húfnica vzor 77 Danaに置き換えられた。 152 H 88-40 フィンランド軍に配属された150 H 40(15cm sFH 18)の近代化改修型。D-20 152mm榴弾砲と同じ弾薬の32口径152mm榴弾砲に換装し、マズルブレーキや砲架など各部も改良された。戦闘重量は6,800kgに増加したが、性能面は最大射程約16km、初速650m/s、牽引速度80km/hに改善された。1990年から1992年にかけて42門が改装され、2007年に除籍された。
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