母子加算とは? わかりやすく解説

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母子加算

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/29 03:58 UTC 版)

生活保護 > 生活扶助 > 母子加算

母子加算(ぼしかさん)とは、生活保護生活扶助の加算制度の一つで、一方の配偶者が欠けている状況にある者が児童養育しなければならない場合にともなう特別な需要に対応する制度である。

概要

乳幼児を抱える母親は中程度の労働に従事していると考え、そのエネルギー分を補填する制度である[1]。1949年(昭和24年)5月創設[1]で当時月額350円が支給されていた[2]

その後、母子福祉年金制度の発足に伴い、1960年(昭和35年)4月にこれと同額に改定する[2]。1976年(昭和51年)の福祉年金の見直しに伴い、加算額を生活扶助の一定額とし、生活扶助基準改定率で改定する方式に変更した[2]。1984年(昭和59年)より消費者物価伸び率(生活扶助1類費相当)をもって改定する方式に変更[2]

2009年(平成21年)4月に廃止されたが、同年12月に復活した[1]

年表

  • 1949年昭和24年)5月 - 創設[1]
  • 1960年(昭和35年)4月 - 母子福祉年金発足。同年金と同額の支給に変更[2]
  • 1976年(昭和51年) - 給付額を生活扶助基準改定率で改定する方式に変更[2]
  • 1984年(昭和59年)より消費者物価伸び率(生活扶助1類費相当)をもって改定する方式に変更[2]
  • 2009年平成21年)
    • 4月 - 廃止[1]
    • 12月 - 復活[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f "生活保護基準の体系等について" 厚生労働省社会・援護局保護課 2011年5月24日開催第2回社会保障審議会生活保護基準部会 資料3 2011年 p.14
  2. ^ a b c d e f g "生活保護制度の在り方についての中間取りまとめ 関係資料" 平成15年12月16日開催第7回社会保障審議会福祉部会 資料2 2003年

関連項目


母子加算

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 00:08 UTC 版)

生活保護問題」の記事における「母子加算」の解説

一定年齢以下の子供のいる母子家庭認められていた母子加算制度が、2005年度から段階的に縮小され2009年4月全廃された。それにより、子供教育支障出ているとの声が一部母子家庭から挙がっている。 生活保護受給する母子世帯は、中卒高校中退同士離死別した場合多くその後非婚のまま出産する婚外子出現率は25.7%と高くなっている。前夫との問題との関連性や、その子供も同じライフコースをたどる「貧困の連鎖」も指摘されている。貧困の連鎖調査では、母子世帯は、出身世帯生活保護受給歴のある割合が3割以上となり、特に母子世帯における貧困の連鎖が強い上、母子世帯生活保護受給率(13.3%)は他の世帯(2.4%)と比較して高い(2008年比)。 諸外国との比較では、日本は母子加算がないと子供への等価尺度での評価は低いが、母子加算後で北欧諸国比較して生活扶助基準額は最高水準となっている。 母子加算は、2009年平成21年12月1日から民社国連立政権下で復活し2010年度予算では183億円計上された。同時に50円かけて対象父子世帯にも拡大された。 なお、加算に際して世帯全体の構成員は考慮されないこのため両親・その他親族など同居している場合や、自分の母もまたシングルマザー18歳以下の妹弟がいる場合二世帯母子家庭であっても、各ひとり親の母ごとに母子加算は支給されている。 母子加算は次の趣旨に基づき支給される一方配偶者欠け状況にある者等が児童養育しなければならないことに伴う特別な需要対応するもの。1類基準飲食物費は、男女とも軽作業従事する程度就労状態を前提としているが、乳幼児をかかえる母親中等程度上の労働従事しているものと考えるべきでその増加熱量分を補填する食料費(配偶者欠けことによる養育への負担片親にかかるため) 住居費(施錠強化防犯ベル設置等安全維持のための費用被服費ひとり親であることから、PTA町内会等外出の機会多く、かつ身ぎれいにすることが必要) 雑費 子供のしつけのためには、ひとり親ありながら両親としての教養身につけることが必要であり、その分費用 児童精神的負担やわらげ健全な育成を図るためにレクリエーション等の面で特別な費用が必要。入場料交通費など。 近隣託児依頼することも多くなるその分費用家を空ける機会多く、おやつ代等余分な費用が必要。 配偶者供養料、墓参りのための費用扶養相談等の交通費など目に見えない費用が必要。 この趣旨に対しては、第7回社会保障審議会生活保護基準部会において、庄司委員が「明らかにこの説明のままでは国民的な合意得にくいのではないか」「ひとり親であるという世帯固有性本当にリンクしているのかどうかということでいうと、説明になっていないというようなことがあるように思います」と発言している。 厚生労働省は母子加算の打ち切り代替措置として、母親対す就業支援実施している。ちなみに2009年4月に母子加算打ち切りとなった5万世帯のうち、約3万世帯が病気などによる就業困難世帯である。このほか、生活保護受給する有子世帯自立支援する観点から、2004年4月より高等学校等就学費用給付することとしたが、。有子世帯の7割は母子家庭である ため、実質上は母子世帯対策含んでいる。 母子加算の打ち切り対し日本全国日本国憲法第25条生存権侵害根拠とした行訴訟提起されている。2008年12月25日広島県内32人が広島市などに決定取り消し求めた訴訟判決広島地方裁判所であり、請求はすべて退けられ原告控訴となった一方でこの問題に関してマスコミの報道取り上げられ加算対象受給者生活水準が、一般的な勤労者世帯上回っているのではないかインターネット上中心に指摘されている。例として受給者が「母子加算があれば母子2人で月1回回転寿司40分食べる生活が維持できた」「水族館のために沖縄旅行行きたがり、母子加算があれば行けた」など主張したとされることが挙げられる。 母子加算廃止根拠とされた社会保障審議会答申は、廃止提案したものではないとする報道がある。また、同じく廃止根拠とされた統計についてサンプル数が少なかったことなどを指摘され厚生労働省問題があることを認めたとの報道がある。 後に、厚生労働省2011年4月厚生労働大臣全国生存権訴訟原告団・弁護団の両代表との間で、母子加算訴訟係る基本合意書取り交わした。 しかし、母子加算を廃止する同時に新設された高校就学費用給付継続しているため、高校生を持つ母子世帯給付額以前より高くなっている。2012年基準では、もっとも保護費の高い1級地-1(東京23区神奈川県横浜市川崎市)において、30代夫婦小学生高校生の子ども世帯では月額30万円となるが、30代母親及び小学生1名と高校生2名の母子世帯場合では約34万円 となり、同人数でも夫婦世帯より高額支給となっている。冬季期間にはこれらに加えて冬季加算毎年12月には年末加算支給される片山さつきは、これと同額受給者免除されている税・社会保険NHK受信料公立高校授業料給食費などを支払った後で手取りとして同額残すには、収入が最低3839以上なくてはならないとして批判している。 社会保障審議会生活保護基準部会の元委員である道中隆は、「貧困に関して国政レベル調査進め必要があるわが国では、何の根拠もなく、気の毒だから、母子加算を復活させましょうかと言うことになる。貧困認識のぶれを少しでも小さくしないと、有効な政策打ち出すことは難しい。」とコメントしている。

※この「母子加算」の解説は、「生活保護問題」の解説の一部です。
「母子加算」を含む「生活保護問題」の記事については、「生活保護問題」の概要を参照ください。

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