旧五円券とは? わかりやすく解説

旧五円券

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 09:01 UTC 版)

五円紙幣」の記事における「旧五円券」の解説

1885年明治18年12月24日大蔵省告示166号「五圓券見本下ケ渡」により紙幣の様式公表されている。主な仕様下記の通り日本銀行兌換銀券 額面 五圓5円表面 彩紋兌換文言英語表記兌換文言発行根拠文言偽造変造罰則文言 裏面 大黒印章表面日本銀行総裁之章、文書局長割印) 〈裏面金庫局長 銘板 大日本帝國政府大藏省印刷局製造 記番号仕様記番号色 黒記番号構成記号〉「第」+組番号漢数字1 - 2+「號」 〈番号通し番号:「第」+漢数字5桁+「番」 寸法 縦87mm、横152mm 製造実績印刷局から日本銀行への納入期間 1885年明治18年11月 - 1888年明治21年下期 記号(組番号範囲 「第壹號」 - 「第叄〇號」(1記号当たり80,000製造製造枚数 2,340,000 発行開始1886年明治19年1月4日 通用停止1939年昭和14年3月31日1899年明治32年3月20日以降回収対象発行終了 失効明治維新以降政府発行した明治通宝改造紙幣などの政府紙幣や、民営国立銀行発行した国立銀行紙幣などが並行して発行されていたが、西南戦争戦費調達発端として政府国立銀行無尽蔵に紙幣濫発した結果インフレーション発生し経済的な混乱一因となっていた。これを収拾通貨制度信頼回復を図るために松方正義により紙幣整理が行われることとなり、政府から独立した唯一の発券銀行としての中央銀行すなわち日本銀行創設され従来紙幣に代わって事実上の銀本位制に基づく「日本銀行兌換銀券」として発行された。 大黒天描かれていることから「大黒札」と呼ばれている。旧券中唯一大黒裏面描かれている。そのことから、「裏大黒」「裏大黒5円」とも呼ばれる。なお大黒天肖像は、当時印刷局職員であった書家平林モデルとしてデザインしたものとされる裏面には小槌と袋を手にした大黒天米俵の上腰かけている様子描かれており、米俵の側には3匹の鼠があしらわれているほか、周囲桜花配置されている。表面の地模様には、表面中央日輪とそこから放射状延び光線状の模様描かれており、光線状の部分には微細な連続文字配されている。表面全体的に発行当時写真複製技術では再現困難な薄い青色印刷されている。図案製作者お雇い外国人として日本の紙幣製造技術指導にあたっていたイタリア人エドアルド・キヨッソーネである。 印章表面が「日本銀行総裁之章」(篆書日銀マーク周囲に文字)と「文書局長」(隷書文字周囲に竜の模様割印)、裏面が「金庫局長」(隷書文字周囲に竜の模様となっており、改造券以降用いられている印章とは異な図柄のものとなっている。なお文局長割印は、製造時に原符と呼ばれる発行控え紙幣右側についており、発行時にこれを切り離して発行の上紙幣回収時に文書局長割印照合する運用となっていたが、発行枚数増大する従いこの運用は無理が出てきたことから、1891年明治25年以降廃されている。 記番号漢数字となっており、通し番号5桁で、通し番号前後には「第」、「番」の文字がある。1組につき8万枚最大通し番号は「第八〇〇〇〇番」)製造されている(ただし最終組「第叄〇號」は「第貳〇〇〇〇番」までの製造)。 紙幣用紙三椏原料したもので、強度高めるためにコンニャク粉混ぜられていた。透かしは「日本銀行券」の文字宝珠小槌図柄である。 使用色数は、表面4色内訳は主模様・地模様1色、文字1色、印章1色、記番号1色(文字黒色記番号黒色別版のため別色扱い))、裏面2色(内訳凹版印刷による主模様1色、印章1色)となっている。紙幣の様式としては緻密な凹版印刷による大型人物肖像精巧な透かし三椏を主原料とした用紙など、日本銀行券発行開始以前発行されていた政府紙幣である改造紙幣流れを汲むものとなっている。 「兌換銀券」と表記されているが、1897年明治30年10月貨幣法施行および兌換銀行券条例改正による銀本位制から金本位制への移行に伴い以降は金兌換券として扱われることになった1927年昭和2年2月制定され兌換銀行券整理法により1939年昭和14年3月31日限り通用停止となった

※この「旧五円券」の解説は、「五円紙幣」の解説の一部です。
「旧五円券」を含む「五円紙幣」の記事については、「五円紙幣」の概要を参照ください。

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