押坂家の人物
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押坂 哲平(おしざか てっぺい) 主人公。押坂家の次男。初登場時は小学五年生。三野塚・葛池部落の空港予定敷地内に住む。巨人の星の星飛雄馬を目指して野球をやるなど、ひたすら遊ぶ小学生だった。足が速い。小学五年生の時に空港建設計画が発表された。中学では部活にも所属していた。中学入学後の一時は真由を避けたり、麻宮恵子と一緒に帰る際も恥ずかしがるなど、思春期の一面もあった。 空港反対運動では、少年行動隊に入隊し、家族とともに反対運動に参加する。中学入学後に教師らの反対を受けつつも三野塚少年行動隊の隊長として行動し、行政代執行が開始されると家族とともに逮捕を覚悟しつつ実力闘争に参加する。 やがて空港反対運動は国家権力を相手に戦っていると考え始め、中学卒業式では国歌を斉唱しなかった。中学卒業後に少年行動隊は卒業したが、高校進学後も第二次行政代執行で反対運動に参加した。第二次行政代執行が完了した後も反対運動を継続し、作品最後の1993年時点においても村にとどまっている。 押坂 浩(おしざか ひろし) 哲平の兄。押坂家の長男。大和農業高校卒。初登場時は19歳。昭和22年7月生まれ。空港建設の決定直後までは農業を継がせたい父に反抗して家出して上京するつもりでいた(レコードプレーヤーやグローブも義子や哲平に譲り、荷物の準備も行っていた)が、東京で頼る予定であった幹二が三野塚に戻ってきたことで取りやめた。 当初は農業に乗り気でなかったため青年同盟への参加を渋っていたが、公聴会の終了後に合流した。青年行動隊の主要メンバーとなり、御料牧場閉場式では老人行動隊に対する裏切りに激昂し会場を破壊して逮捕された。その後も反対闘争で逮捕される。また、ゲリラ活動で測量員を負傷させたこともある。高校生になった哲平にも機動隊と直接対決するような活動は参加させなかった。行政代執行の際にも公務執行妨害で逮捕された。警察官3人が死亡した事件の際に外周ゲリラの一員として現場付近で活動しており、逮捕されて千葉刑務所に勾留される。 活動支援に来た森下美奈子に惚れる一面もあった。 押坂 義子(おしざか よしこ) 哲平の姉。押坂家の長女。初登場時は高校一年生。後に大学に合格するが、進学せずに実家で反対運動に参加する。第一次行政代執行を前に青年行動隊に入って実力闘争に参加し、杭を打とうとする公団に身を挺して防ごうとしたり、機動隊に腐ったスイカをぶつけるなどした。 美人であり、反対同盟の男にからかわれることもある。 矢野原純に惚れる一面もあった。 押坂 良二(おしざか りょうじ) 哲平の父で一哲の子。一哲と共に2町6反の畑を開墾した開拓農民。田んぼや畑の耕作のほか酪農も行っている。19歳の時に召集令状(赤紙)を受け取り、従軍経験を持つ。 冨野村に空港建設が持ち上がった際には地域振興になると考えて空港反対の署名を断っていたが、三野塚の空港建設は一家で反対運動を実施する。空港建設の決定直後の市長からの当を得ない説明に憤り、志願して葛池部落の同盟代表となった。家の屋根にも空港絶対反対の文字を書いたり、立木トラストの看板(野党議員の札もあった)を制作したりした。浩や哲平には反対運動には参加させるも、行政代執行が開始されるまで哲平を実力闘争に参加させなかった。測量時の妨害を行い、逮捕されている。空港絶対反対であるが、隣の住民とは条件派になっても一緒にお茶を飲むような心を併せ持つ。 物語終盤の第二次行政代執行の後、微生物農法や有機農法で空港以上に価値のある農業を行い、農法を広めることを決意する。 押坂 さえ(おしざか) 哲平の母。婦人行動隊として反対運動に参加する。嫁いで来る前も農家であった。普段はおとなしいが、反対闘争になると普段は出さないような言動で行動する。 押坂 一哲(おしざか いってつ) 哲平の祖父。キセルを使用する。空港建設発表後は運輸省や宮内庁に陳情に行った。その後、吉岡に老人行動隊の参加の誘いを受けて行動する。部屋には明治天皇の肖像写真が飾られている。 押坂 隆(おしざか たかし) 良二の弟で哲平の叔父。もともと農業が好きであったが、2世帯を賄える農地を持たない押坂家の次男であったことから稼業を継げず、茂田市農協に就職する。 当初は農協組合員として反対同盟と共に県庁に抗議に赴くこともしていたが、敷地内農家の中で条件派が多数派になると、権力側との条件交渉を有利にすすめるために条件派組織を取りまとめる組織の副会長に就任する。不本意ながらも条件派への転向を説得しに実家に来るが、空港絶対反対方針の良二と一哲は了承せず、物別れに終わった。哲平には百姓にならないよう勧める。公聴会の傍聴券が空港関係者らに押さえられ反対同盟員が傍聴できなかった際には、周囲の制止を振り切って傍聴券を良二に譲ろうとしたが、良二は受け取らなかった。
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